五代ゆう先生による、「なにを語るか」と「いかに語るか」との話

まとめました。
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五代ゆう @Yu_Godai

70年生。 ものかきです。 なんとなく生きてます。こんな本出してます http://t.co/eSq0iyfZl5


大阪芸術大学 企画広報部 @KouhouOua

大阪芸術大学文芸学科主催のイベント「ラノベ祭り!」を、7/16(土)にスカイキャンパスで開催します!ラノベ作家による講演や、演奏学科在校生によるアカペラ・アニソンステージ、アニメ上映など、内容盛りだくさん♪ pic.twitter.com/0N4XzR4wd2

2016-07-12 19:05:56
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大阪芸術大学 企画広報部 @KouhouOua

【7/16(土)ラノベ祭り!】登壇作家は、文芸学科客員教授の榊一郎先生、高殿円さん、五代ゆうさん、蝉川夏哉さん、津田彷徨さん!また、八薙玉造先生によるワークショップや、キャラクター造形学科教授の高橋良輔先生による講演も行われます! osaka-geidai.ac.jp/geidai/whatsne…

2016-07-12 19:06:34
榊一郎@D4DJのゲームは今のところあくまでシナリオ監修ですよー。 @ichiro_sakaki

まあそれはそれとして、週末は先のRTの通り、阿倍野ハルカスのスカイキャンパスで大芸大ラノベ祭りの司会やりまする。女流作家として五代ゆう先生と高殿円先生、WEB系作家として蝉川夏哉先生と津田彷徨先生をお招きしとります。ワークショップ等もあり。勿論無料なので御興味のある方はどうぞ。

2016-07-13 23:56:25
五代ゆう @Yu_Godai

というわけで週末は大阪芸大さんのオープンキャンパスにおじゃまいたします(´∀`*) よろしくお願いいたします~

2016-07-14 00:29:45

 

五代ゆう @Yu_Godai

ふと気づけば遅れましたが今日アバチュ12周年と知っておどろき。もうそんなにたちますか。今でも愛してくださる方々に感謝です(*´∀`)

2016-07-15 23:13:04
五代ゆう @Yu_Godai

そして明日は大阪芸大のオープンキャンパスにおよばれなこともあって、前にツイートしていた「なにを語るか」と「いかに語るか」との話をちょいとツイートしてみようかなと。

2016-07-15 23:14:30
五代ゆう @Yu_Godai

ときどき専門学校やなにかの講座におよばれして、作家志望の方々の作品を読んで感じるのは、「なにを語るか」まででせいいっぱいで、「いかに語るか」まで気が行ってない人が多いなあ、ということです。

2016-07-15 23:16:08
五代ゆう @Yu_Godai

たとえばちょっとこういう文章があるとします。

2016-07-15 23:16:51
五代ゆう @Yu_Godai

「はぁーあ、今日はひまだなあ」○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○  fse.tw/xx7ap#all

2016-07-15 23:20:40
五代ゆう @Yu_Godai

長いのでふせったーで押し込んでいます。これでだいたい原稿用紙一枚分くらいですね。 こういう文章をよく作品指導の場で見かけます。さて、なにがいけないのでしょう?

2016-07-15 23:22:14
五代ゆう @Yu_Godai

これを小説として語るのであれば、たとえばこうなります。  リン、のンが鳴る前に受話器を取るのはお手のもの。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ fse.tw/cihpn#all

2016-07-15 23:26:18
五代ゆう @Yu_Godai

もちろんこれはあくまで私が書いたものなので、他の人が書いたらまた違う形になるかもしれない、ということを頭に置いた上で、ここで「説明と描写は違う」とよく言われることについてもう一度思い出してみましょう。

2016-07-15 23:28:49
五代ゆう @Yu_Godai

「物語の舞台は天国の受付。主人公は受付嬢をやっている天使ロウィーナ。レディ・ステラというのはつまり聖母マリアのことで、ふんわりほわほわした性格でいつもやっかいな話をもってくる。ジヴというのは四大天使のガブリエルで、主人公の友達」というこれが設定ですが、

2016-07-15 23:31:13
五代ゆう @Yu_Godai

これをただ文章でこう書いただけではさっと読んでも頭に残りませんね。

2016-07-15 23:32:18
五代ゆう @Yu_Godai

読者が読んで頭に残るのは、常にエピソードであり、場面であり、動きであり会話です。原稿用紙一枚の分量の「説明」を、「描写」にすること、エピソードや場面、動きや芝居をつけて膨らませた結果が「小説」です。

2016-07-15 23:37:08
五代ゆう @Yu_Godai

ドーナツについて変な相談を持ち込んでくるレディ・ステラと、対応する主人公「わたし」の会話で、レディ・ステラというキャラクターの性格と設定、そして「わたし」こと主人公ウィーナの設定が、特に説明っぽい文はなくとも、頭の中に映像と動きをもって自然に浮き出てきます。

2016-07-15 23:38:36
五代ゆう @Yu_Godai

これが「芝居をつける」と私は呼んでいますが、「言葉としての説明ではなく、キャラクターの動きと会話で場面を進めていくこと」です。

2016-07-15 23:39:59
五代ゆう @Yu_Godai

多くの人が陥りやすいのですが、とにかく自分が考えたこと、設定したこと、話の内容を書くことに夢中になってしまって、「芝居をつける」ことを忘れがちです。小説、特にエンタメは「キャラクターが動いて話を進める」のが中心ですから、

2016-07-15 23:42:45
五代ゆう @Yu_Godai

まず、お話を始める前に、「どこから始めればいちばんおもしろく見えるか」という問題を考えなくてはなりません。小説は一行目がもっとも難しい、といわれるのはこのことです。ここでは、「リン、のンが鳴る前に~」と、いきなり動きの途中から入ることによって、読者を話のまん中に巻きこみます。

2016-07-15 23:45:23
五代ゆう @Yu_Godai

さらにそのあとの、会社なのかと思わせる返事からいきなり「ドーナツですよ、あなた」と突然とっぴょうしもないセリフを放り込むことで、「えっ?何?」と読者に思ってもらい、先へと読んでもらう興味をかきたてます。

2016-07-15 23:48:32
五代ゆう @Yu_Godai

このあたり、先の文章ではごにゃごにゃっといいかげんな「説明」ですましていましたね。そうではなく、読者の方が自発的に「こんな変なことを言ってくるのは、どんな相手だろう」と自然に思ってもらえれば、あとに続く会話も興味をもって読んでもらえ、

2016-07-15 23:51:15
五代ゆう @Yu_Godai

設定もするっと呑み込んでもらえます。しかも、ここでもうひとつ注意しておきたいのは、「このお話はどういうトーンのお話なのか」を、語り口からまず肌で感じてもらえる、という点です。

2016-07-15 23:52:38