新井素子はライトノベルと一般文芸を「越境」したか?

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新井素子研究会 @motoken1989

新井素子さんがライトノベル/少女小説でデビューし後に一般文芸に活動の場を移した、というようなことさるライトノベル研究者によるライトノベル史の本にも書いてあって、自分の見てきた歴史と違うので、そういう認識の差はどこから来るのかな、などと不思議に思ったり。

2016-07-15 00:32:49
新井素子研究会 @motoken1989

「認識」という言葉を使うと、必ず、 認識とは意識の情報処理の一つの結果にすぎない という阿修羅王の台詞を思い出します。『百億の昼と千億の夜』の漫画版です。

2016-07-15 00:39:00
新井素子研究会 @motoken1989

昨日の話を続けてみます。新井素子さんは、SF雑誌『奇想天外』が主催した第1回奇想天外SF新人賞で佳作を受賞し、1977年に『奇想天外』でSF作家としてデビューしました。初の著書は1978年に奇想天外社からハードカバーで出版された『あたしの中の……』でした。

2016-07-16 01:01:13
新井素子研究会 @motoken1989

1980年に『いつか猫になる日まで』でコバルト文庫に初登場します。1981年には『高一コース』連載作に書き下ろしを加えた『星へ行く船』を出版、『あたしの中の……』も同年にコバルト文庫から再刊行されました。

2016-07-16 01:02:17
新井素子研究会 @motoken1989

コバルト文庫で『星へ行く船』シリーズを刊行するのと平行して、SF雑誌に発表した『扉を開けて』、『ラビリンス――迷宮――』、書き下ろしの『ひとめあなたに・・・・・』、『二分割幽霊綺譚』、『・・・・・絶句』といったSF小説の単行本も刊行されました。これが1977年~1983年まで。

2016-07-16 01:03:37
新井素子研究会 @motoken1989

『あたしの中の……』はSF小説(一般文芸)として出版されたものが、コバルト文庫に収録されることにより、少女小説として再定義されたとも考えられます。『奇想天外』掲載→CBSソニー出版から単行本化→コバルト文庫化、という道筋を辿った『扉を開けて』も同様。

2016-07-16 01:07:46
新井素子研究会 @motoken1989

で、出版形態や作品内容から見るに、新井素子さんという作家には、最初からライトノベル/少女小説と一般文芸との間の境界は存在しなかったように思われ、従って、ライトノベル/少女小説から一般文芸への越境、という事態はそもそも発生しないのでは、と個人的に認識しておる訳です。

2016-07-16 01:12:20
ありさと @ailsato

同意見ですね。「コバルト四天王」は氷室冴子、正本ノン、久美沙織、田中雅美で、新井素子は「コバルト作家」ではなく「SF作家」として、ちょっと違う位置にいたと思います。 twitter.com/motoken1989/st…

2016-07-16 02:06:36
ありさと @ailsato

越境という意味では、『結婚物語』でSFじゃない作品を書いたことが越境かも。『ブラック・キャット』は、近未来SF(キャットは強化人間かなんか)だと思って読んでましたよ。

2016-07-16 02:14:24