成果が欲しいなら成果を追うなかれ
- ShinShinohara
- 2007
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「助長」という言葉がある。昔、隣の畑より自分の苗が小さいことに腹を立て、伸びるのを手伝おうとして苗を全て枯らしてしまった男の話。笑い話だが、他人事として笑えるとは限らない。私たちは結構、この助長をやってしまいがちだ。
2016-07-20 22:07:33ノルマを達成しろとやかましく言う上司。成績を上げろとやかましい親。成績や結果ばかりを問題視し、それが大きくなることばかり求めているのは、「助長」の男と大差ない。成績を上げようと成績ばかりをやかましく言うのは、苗の高さばかりを気にして苗の根を切るのと同じだ。
2016-07-20 22:10:19ノルマの達成だけをやかましく言う上司は、部下から疎まれるだろう。集中砲火を浴びる部下はすっかりやる気をなくすだろう。成績を上げろとやかましく言われる子供は勉強がすっかりイヤになるだろう。机に向かうことさえ拒否するようになるかもしれない。意欲という「根」を切るからだ。
2016-07-20 22:12:22では、「助長」の男はどうすべきだったのだろうか。苗の高さを一旦忘れ、苗が求めているものは何かを探すことだ。水が足りないのかあるいは水浸し過ぎるのか。肥料は少ないのか多いのか。土は固いのか柔らかいのか。日は当たっているのかいないのか。苗の生育に必要なものが欠けていないかを探すこと。
2016-07-20 22:14:59苗が求めているものを試行錯誤で探り、一つずつ解決していく。すると苗はすくすく育ち出すだろう。課題をどんどん克服していけば、いつの間にやら隣の畑より大きく育つかもしれない。大切なことは苗の高さという「結果」に目を向けることではない。苗を高くするための「要因」を探すことなのだ。
2016-07-20 22:18:19ならば上司は、ノルマという数字に囚われるべきではない。ノルマは結果でしかないから。その結果を出すための「要因」を探すべきだ。顧客に挨拶ができているか。しつこすぎて客に嫌われていないか。疲れすぎていないか。商品に社員自身が惚れ込んでいるか。仕事に嫌気が差していないか。
2016-07-20 22:21:50ならば親は、成績ばかりを問うべきではない。成績は結果でしかないから。成績を上げるための要因を探すべきだ。運動不足になっていないか。気晴らしはできているか。友達と遊んでいるか。部活は、学校は楽しいか。どの教科が得手不得手か。好きな女の子がいるのか。悩みはあるか。
2016-07-20 22:25:03結果を一旦忘れ、結果を出すための要因を探す。そして試行錯誤し、一つ一つ改善していく。すると結果も改善していく。急がば回れ。結果を出したいなら、一旦結果を忘れよう。そして結果を出すための要因は何かを探し、改善していこう。
2016-07-20 22:27:04例えば100m走のアスリートが、ただ100mを繰り返し走ってはタイムだけを問題にしていたら、タイムは伸びないだろう。走りを要素分解し、スタートの一歩目はどうすべきか、姿勢は?足の蹴りは?歩幅は?手の振りは?要因を一つ一つ改善していく。そうやってタイムも改善する。
2016-07-20 22:30:51成果を上げたいなら成果を問うことを一旦脇におき、成果を上げるための要因探しをすること。一つ一つの要素に分解してみると、改善すべき点がたくさん見えてくる。それらを改善していけば、自ずと成果は現れる。成果を出したいなら成果を追うなかれ。成果を上げるための「工夫」にこそ力を入れよう。
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