【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第11部

お玉さんの読書マラソン企画「名探偵図鑑完読作戦」第11部です。青山剛昌『名探偵コナン』単行本の付録「世界の名探偵」で紹介された名作を読んで「名探偵」を勉強し直そう!という取組みの続き。第11部で登場する名探偵は、明智小五郎、ネロ・ウルフ、ペリイ・メイスン、神津恭介、ソーンダイク博士、マイク・ハマー、赤かぶ検事、火村英生、フレンチ警部、鬼貫警部(ここまで『名探偵図鑑完読作戦アタックチャンス!』)、円紫さん、リンカーン・ライム、榎本径、朝吹里矢子、白鳥圭輔です。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、名探偵図鑑完読作戦でございます。 コナンくんの74巻で紹介されていた鬼貫警部が先日終了となりましたので、予定どおりの進行でしたら円紫さんへとなるわけですが、、、予定どおり進まないのが世の常でございます。少し寄り道をしたいと思った次第なのでありますね。

2016-07-21 02:51:40
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、本日からの10回「名探偵図鑑完読作戦アタックチャンス!」と称し、過去に取り上げた名探偵たちを再度10人ほどピックアップして、もう一度感想を呟いていこうかしら? などと思った次第なのよ。国内名探偵5人、海外名探偵5人の予定で再訪問しちゃいますぞい ( ´ ▽ ` )ノ

2016-07-21 02:52:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、こないなケッタイことを急に思いついたのは、、、ここから今現在のコナンくん最新刊までに紹介されている探偵たちが、①作品は面白く読めるんだけど深くツッコむまでには興味が湧かない、②取り上げるには難解すぎる、③あまり面白くない……、といった感じの三択でモチベが上がりにくいから……

2016-07-21 02:54:45
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ぶっちゃけ完読作戦に飽きがキてるというのも本心にあるんよね。折角完読作戦で興味を持ちその名探偵が登場する他の作品を買い込んでも……、もういつ読めるんだよコレ状態よ、、、(´Д` ) というわけで、お玉は大藪春彦ばりの復習の戦士となるわけなのよ。バタも塊で食べるよ。肉も焼くわよ。

2016-07-21 02:55:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

血の滴るレアの焼き加減(?)でミステリを読んじゃうわけなのよ♫ というわけで、、、

2016-07-21 02:56:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、名探偵図鑑完読作戦アタックチャンス! その1 コナンくんの2巻で紹介されているのは「明智小五郎」 皆さんご存知のあらゆる意味でスーパーな名探偵。モジャモジャ頭の風貌は意外と後期作品でも描写されてるよ。 得意技・水をかける pic.twitter.com/RsbT8bBgI5

2016-07-21 02:57:08
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そして、取り上げる作品は『怪人二十面相』 日頃から乱歩は表「陰獣」裏「地獄風景」をフェイバリットに挙げてるわたくしメでありますが、更にその上の殿堂入りの別枠作品を置いているのでとてもややこしい。そして、その殿堂作品がこの『怪人二十面相』 メチャクチャ面白いんだぜ!!

2016-07-21 02:58:00
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ミステリという沼にズブズブ踏み込むこととなったキッカケの一つ、人生の歯車を嬉しく狂わせた元凶の一つが洟垂れ小僧の時分に手に取った『怪人二十面相』 何回読み返した? 何回血湧き肉躍った? 乱歩の猟奇趣味(コレはコレで楽しい要素なのだが)を排除した純度の高い(?)乱歩通俗探偵小説!

2016-07-21 02:58:19
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

コレに続く少年モノは少年探偵団とコスプレおじさんの二十面相とのやり取りがメインを占め、スーパー名探偵・明智小五郎は水戸黄門の印籠状態になっちゃうわけだけど、『怪人二十面相』は明智 vs 二十面相の戦いがシッカリ描かれているわけなのね。明智のほうが一枚も二枚も上手の立場なのが良い!

2016-07-21 02:58:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

①小林少年 vs 二十面相の互角に近い部分での接戦 ②二十面相、やっぱスゲえや Σ(゚д゚lll) ③明智小五郎と二十面相の丁々発止のやり取り ④二十面相の作戦を阻止する明智小五郎の計略 『怪人二十面相』の物語展開を要約するとこんな感じだ。余計な猟奇シーンがないのでテンポ抜群!

2016-07-21 02:59:03
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というか当方はピュアさなど欠片もない汚い大人なので、作品の後半にて小林少年の下に集まってくる少年探偵団の有志たちに対し、小林少年は迷惑げな態度が伺える説得でテキトーな仕事を振り分けてるように、今回の再読では見えてしまったわけなのね。『怪人二十面相』での少年探偵団の活躍は……アレだ

2016-07-21 02:59:20
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

対して明智不在の前半部分での小林少年単独でのヒーローっぷりはトキメキが止まらない! あんな格好のままピストルで威嚇射撃、あんな格好のまま地下で英気を養い、あんな格好のまま二十面相を出し抜き外部との連絡を取る。ピッポちゃんとのやり取りなんかは、頭おかし……もといとても微笑ましい

2016-07-21 03:00:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

小林少年が持つ探偵七つ道具にシレッとピストルとナイフが入っているのが、かなり萌える! 小林少年のキャラクターだったら怪人二十面相を撃ち殺すくらいの腕前は絶対持っていそうなモノなのに、そんな暴力には頼らずおにぎりをゲットするんだから、ワクワクが押し寄せてくるんだよなぁ〜

2016-07-21 03:00:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

BDバッチよりナイフのほうが遥かに役に立つと思います。 『怪人二十面相』より後の少年向け作品で見られる尾行のために大量のバッチを持つ少年探偵団の団員たち。 そーっ、とコスプレ怪人を尾行。ジャラジャラ…… そーっ、とコスプレ怪人のアジトへ潜入。ジャラジャラ……

2016-07-21 03:04:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そんなマヌケなやり取りはなく弟子の縦横無尽と有能さが提示される。なので明智小五郎の存在がより輝く! ホテルでの二十面相とのやり取りのシーンなどはハードボイルドの手触りすら感じさせる屈指の名シーンだと思う。(ここでの小林少年の有能さのダメ押しもサイコーなのよね!)

2016-07-21 03:05:48
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

作品によって一人称がオレだったりワシだったりする二十面相なんだけど、今作の二十面相は「僕」を通していて怪盗紳士としての強キャラ感が半端ない! 手下の採用基準があまりにザルだけど、作品内での怪盗行為の全てのケースにキチンとしたトリックが使用されてることによる智の巨人感がバッチリだ

2016-07-21 03:06:02
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、トリックは有名海外作品からのイタダキ……、もといオマージュがたっぷりで大人の目から見るとそこの部分からの興奮はないんだけど、シンプルで子供読者にも分かりやすいけど効果は抜群すぎる強トリックをパクっ……、もといセレクトしている手腕はもっと評価されても良いと思うんよね

2016-07-21 03:06:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと今回のテキストは光文社文庫版、単行本初刊行時に近い内容の形態で読んだわけなんだけど、後の出版では書き換えられている当時の風俗色が濃い部分に、戦前日本のある種の豊かさが垣間見えるのが興味深いんだよね。後の少年探偵団モノで時折見ることとなる貧しさと暗さの色合いが今作には無いんよね

2016-07-21 03:06:24
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

波乱万丈なストーリー展開の中にカッチリとしたトリックがあり、探偵側と犯罪者側にそれぞれのカッコいい見せ場があり、それまでの乱歩作品では悪い方向へ転がることの多かった変装趣味をエンタテインメントとして十全に昇華しきっており、テンポが良く、少し不健全なくらいの健全な物語となってるのだ

2016-07-21 03:06:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

その破綻ぶりに魅力の一端がある作者の極めて完成度が高い一作! その倒錯っぷりに魅力の一端がある作者の極めて健全度が溢れまくっている一作! それが自分にとっての『怪人二十面相』だったりする♫ 今作に関しては小林少年バンザ〜イ、明智探偵バンザ〜〜イに心の底から同調できちゃうんよね

2016-07-21 03:06:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「パノラマ島」とか『孤島の鬼』とか『蜘蛛男』あたりは自分の中での評価が完全に固まっている作品、再読してもそこらにブレが出ない作品だったので、もしかして読み返すことのないかもしれない作品なんだけど、『怪人二十面相』は多分十年に一度くらいのペースで読み返すのでは? という予感がある

2016-07-21 03:07:09
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

三つ子の魂百まで♫ 『怪人二十面相』は自分にとってのミステリの故郷にあたる作品の一つだったりする♫ 名探偵 vs 怪人。そんなあまりにも稚気たっぷりの図式のミステリに未だ興奮を感じてしまうのは、この作品のせいなのかもね、と思うわけであって。 喜ばしい呪いの一冊というわけね。

2016-07-21 03:07:47
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そんなわけで、名探偵図鑑完読作戦アタックチャンス! 「明智小五郎」の『怪人二十面相』は了となります。 次回のアタックチャンスは、 ヒント「何故、コレが単行本化されてないのかしら?」な作品を取り上げちゃいますぞォ〜♫ 何だろうね?? ではでは〜

2016-07-21 03:08:14
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