ほとんど実用書しか読まなかったのが、最近本の交換会をきっかけに小説を読むようになり、物語のすさまじい精神侵食具合に驚愕している。実用書は、書いてあることを納得させるために、あらゆる実験結果とかを書き並べる必要があるのに、物語はそんなものがなくても、筆者の思考がすーっと入ってくる。
2016-07-29 09:42:05そりゃあもちろん、物語として面白い必要はあるわけだけど、この「面白ければ、信じることに根拠はいらない」というのはすごいなぁ。物語の登場人物がものすごく極端なことを言っていても、なんとなくそのキャラに好印象を持っていると、その考え方を受け入れてしまう。物語は劇薬だ。
2016-07-29 09:43:54よくよく考えると、自分が経験した「現実」の範囲よりも、虚構で経験した「おそらく現実」の範囲の方が広い。実際の学校生活よりも、漫画やドラマで経験した学校生活の方をより多く経験していて、もしかしたら、そっちを現実だと思っているのかもしれない。それって、ちょっとおっかない。
2016-07-29 09:45:45この「おそらく現実なんだろうな」の世界はマジでこわい。だって、実際に自分は経験していないのに現実だと思い込んでいる。身体感覚がすっぽり抜け落ちているのに、それが正しいと信じこんで、色々な決断をしている。遠い世界の戦争とか、芸能界や政治の世界の陰謀とか。
2016-07-29 09:49:14自分が実際に経験したことのない世界、でも情報が多すぎて「多分本当なんだろうな」という世界が自分の頭の中に構築されていて、その仮想現実での経験をベースに色々なことを考えることは多分、無意味だし誰かのために自分の貴重な脳みそとお金と時間を使わせられているような気がしてならない。
2016-07-29 09:50:44というわけで、漫画や小説から得た考え方、テレビやネットを見て得た考え方は全部極端な考え方なんだ、ということを念頭に置いて、しかしそれが自分自身の個性を形作っているのだということも踏まえつつ、それらのせいで無駄に悩んだり不安になってないかは常に自己監視していく必要はあると思う。
2016-07-29 09:57:14まとめると、義憤に駆られたときは「その件については、お前がそこまで頭を悩ませる必要はないから、ちゃんと目の前のことに向き合いましょう」悩んだときは「その件はそこまで深刻ではないし、というかとてもくだらないことなのでいい加減悩み遊びはやめて目の前のことに向き合いましょう」で片付く。
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