☆倉安横【青薔薇】

蒼いの∞妄想部屋（美水の間） @yasusu_ao

《倉安》 【青薔薇①】 出会いは 本当に偶然 しかも ベッタベタな “駅でぶつかりました”的な(笑) 電車に飛び乗ろうと 改札を駆け抜けた僕 電車から降りてきたキミ 『うわっ！』 「きゃっ！」 電車にのり損ねた僕 しりもちをついたキミ 『あっ』 「いたっ」 そんな出会い

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【 青薔薇②】 『大丈夫ですか？』 「…はい」 『すんません』 「いえ、大丈夫ですから」 立ち上がって ニコッて微笑んだキミ ずっきゅーん♡ 一目惚れって本当にあるんだ 改札に向かうキミに 『あのっ！』 思わず声かけた僕 「はい？」 『コーヒー好きですか？』 怪訝な顔…

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【青薔薇③】 『僕、駅前のカフェで働いてるんです』 『今度、いや明日、来てください』 次の電車がホームに来た ドアが開き 人波に紛れ 彼女が改札に向かう 閉まりかけたドア 慌てて駆け込んだ なんで あんな事言ったんだろ 可愛い子だったな… 一目惚れって 本当にあるんだな…

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【青薔薇④】 改札を出ると ヤスが待ってた …迎えは来なくていいって あれほど言ったのに 黙って左斜め前を 絶妙な距離感で歩くヤス さっきの人 カフェで働いてるって言ってっけ あそこ…かな…？ バイト先の子達が イケメン店員がいる上に コーヒーもケーキもおいしいって

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【青薔薇⑤】 〔…お嬢〕 ヤスが声をかけてきた 「外では、そう呼ぶなって言った」 視線を合わせる事なく言った 〔すんません〕 ヤスの右腕に 私の左腕を絡めた 小さくビクッてしたヤス …いつまでたっても慣れない 〔伝線…してます…〕 小声で囁く 本当だ さっき転んだ時かしら…

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【青薔薇⑥】 あとでコンビニで買って バイト先で履き替えよう 〔今日お帰りは、いつも通りで？〕 「今日は女子会だから、何時になるか」 〔何時でもお迎えにあがります〕 忠犬ハチ公… すっと左腕をはずして 待て、をするみたいに 手で指示をする ピタリとヤスが止まる 「それじゃ」

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【青薔薇⑦】 お嬢が制した場所から動かず お嬢がバイトに向かうのを見送る 〔…いってらっしゃい〕 心の中で呟いた あの伝線はどないしたんやろ 今日はいつもより1本遅い電車やったし 何もあらへんならええねんけど… あと２ヶ月 あっと言う間やったな 春になったら 帰らなぁアカン

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【青薔薇⑧】 …可愛い子だったなー 電車の中で思い出してた 1本乗り遅れたから遅刻だな スマホを取り出して 友達に遅れる連絡をする 暫くして返事 ‘先に始めてる！’ ‘了解’ って送る 頭から離れない あの子の笑顔 それなのに あの隙の無い感じ 不思議だ 大学生かな…？

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【青薔薇⑨】 買い物にでも行こうかなー って、駅まで出た時 カフェが目に留まった 電車の人がいても いなくても構わない ちょっと、入ってみようかなー 今日はバイト休みだし キィ… 自動ドアでなくて 木の扉 やっぱり女子が多い “いらっしゃいませ お好きな席にどうぞ”

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【青薔薇⑩】 『あっ、来てくれたの！』 電車の人だ 『この間はケガしてなかった？』 “えっ、大倉くんの知り合い？” “彼女？” 回りの女子がざわめく …嫌だな 帰ろう ドアへ向かう 『えっ、帰るの！』 腕を引かれた 顔が近い 『駅ビル５階のファミレスで待ってて』 顔が熱い…

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【青薔薇⑪】 真っ赤顔して カフェから出てきたお嬢 なんや…？どないしたん…？ そのまんま駅ビルに向かう 気づかれんように後をつける エレベーターに乗り込むお嬢 何階で止まるか エレベーター待つふりして確認 止まったのは3階と5階 3階はメンズのフロアやから5階か 向かう俺

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【青薔薇⑫】 エスカレーターで5階に向かう そこはレストランフロア どこや…一人でこないなとこ あんま来いひんやんか 誰と会うんや どす黒いモンが 俺の胸ん中に広がる アカン 抑えなぁ… あたりをつけて ファミレスに入る …おった 窓際に一人 待ち合わせか 誰とや…

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【青薔薇⑬】 なんで、待ってるんだろ どうして、来ちゃったんだろ なんか、あんなに女子に囲まれてるのをみたら お腹の底がきゅーって 嬉しそうな電車の人の笑顔をみたら 胸の中がワクワクして 腕を掴まれたら 顔が熱くなって 気づいたら駅ビルに向かってた そして 待ってる 電車の人

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【青薔薇⑭】 やっと休憩 待っててくれてるかなー 名前も知らない彼女 待っててくれたら 連絡先交換して デート誘いたいな ドキドキしながらファミレスへ 窓際の席でジュースを飲んでる彼女 うわぁーー！ テンション上がった！ 店員の声を無視して 彼女がいる席へ 心臓が飛でそ…

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【青薔薇⑮】 『待っててくれてありがとう！』 「あっ、いえ…」 『あっ、ドリンクバーだけで』 『僕は大倉忠義 ちょっと待ってて』 大倉くんは飲み物を取りに行った 大倉くんって言うんだ… 私、何やってるんだろ 『ねぇ、キミは？名前？』 「えっ？あっ、アオイです」 嘘です…

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【青薔薇⑯】 待ち合わせは あの男か とりあえず写メっとくか ただのチャラ男やと思うけど 念のためや …お嬢は チャラ男が好みなんか？ 春までの短い間や ホンマは目ぇ瞑ってあげなぁ 思うんやけど …嘘や ちぃとも思わん どす黒いモンが 胸に広がる チャラ男の写メを送った

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【青薔薇⑰】 『あおいちゃんかー どんな字書くの？』 「あっ、カタカナです」 『ふーん、ハイカラだね(笑) ねっ！連絡先交換しよ♡』 「えっ…」 『ダメ…？』 「あっ、いえ平気です」 バッグからスマホを取り出したアオイちゃん 『LINEと電話番号教えて』 「あっ、はい」

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【青薔薇⑱】 あないに楽しそうな お嬢の顔見んの久しぶりやなぁ いつやった？ それすらも思い出せん やっぱり中身は普通の女の子や 俺には見せん顔 冷めたコーヒーを啜る …味なんてわからへん 写メを送った相手から返信 やっぱりただのチャラ男や やけどそっちの方がマズイで…

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【青薔薇⑲】 『ねぇーアオイちゃん』 「なんですか？」 『来週の火曜って空いてる？』 「来週…ですか？」 『うん！映画観に行かない？』 『デートしようよ！』 「えっ…」 『ダメ？』 「…だって」 『だって、何？』 「私…」 『私？』 「…」 『僕みたいなの嫌？』 …違うの

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【青薔薇⑳】 『あっ、とりあえず連絡先！』 「あっ、はい」 大倉くんと連絡先を交換した でも、たぶん、いけない事なんだよ だから、プラベのスマホの方じゃなくて 秘密にしてるスマホにした 『来週がダメなら、いつがいい？』 「あっ、あのバイトの…バイトのシフトが」 …嘘

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【青薔薇21】 『あっ、シフトがまだなんだ！』 『わかったらLINEしてよ！』 「…はい」 大倉くんがスマホに眼を落として 時間を確認した 『休憩終わりだー それじゃまた』 テーブルの伝票を掴んで 大倉くんは立ち上がった 「あっ…」 会計を済ませ、もう一度 振り返って笑った彼

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【青薔薇22】 どうやって帰ったのか あまり覚えてない どうしよう 映画…いや、あまり長い時間は バッグが震動してる 慌て確認したら大倉くんから ‘今日はありがとう！’ “こちらこそごちそうさまでした” ‘シフトわかった？’ “3時からバイトなので、ランチだけなら大丈夫です”

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【青薔薇23】 ‘そうかー それならランチで！’ “はい よろしくお願いします” ‘かたいなー(笑)’ “すみません” ‘いいよ(笑)’ “あの、明日早いので…” ‘ああ、ごめんね おやすみ’ “おやすみなさい” ‘また電話していい？’ “はい…” 右耳が熱い…

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【青薔薇24】 ドアの向こう お嬢はチャラ男と話しとる 聞いた事ないような 甘い声 気のせいか…？ お嬢が内緒で もう一台スマホを 持っとるのは知っとる 俺にバレた時 「ふふふ、内緒よーヤス」って 笑っとった …誰にも言うとらん 俺との秘密やったのに チャラ男と話すんや

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【青薔薇25】 約束の日 11時に駅 ちょっと裏手の住宅街に 隠れ家みたいな イタリアンレストランがある 大倉くんが予約してくれた どうしよう… ピンクのニットと紺のペンシルスカート ブルーのニットとブラックスキニー 迷う… 「ヤス！ヤス！どっちがいい？」 満面の笑みや