“押井守によるエヴァ評”に基づいた、ジェット・リョー(@ikazombie)氏による『シン・ゴジラ』評の考察

※2016/8/14 参考としてジェット・リョー氏の公開初日のツイートを追記しました。
72

【参考】公開初日のジェット・リョー氏による『シン・ゴジラ』評 

ジェット・リョー @ikazombie

『シン・ゴジラ』レビュー書きました。「シン・ゴジラを劇場で観るべき、たった1つの理由」 ocnis.petit.cc/lime/2601500 記事冒頭以外はネタバレ全開です。何も知らずに観た方が絶対いい映画なので、観てから読んでください! pic.twitter.com/SqDyrkkm09

2016-07-29 13:14:30
拡大

 
 
 
ここからまとめ本文

ジェット・リョー @ikazombie

『シン・ゴジラ』を観て、押井守がかつて庵野監督のエヴァについて「テーマやモチーフが全く無い。演出力は抜群。抽象度の高いアニメという映像表現は、生身の役者に比べて視聴者が勝手に頭の中でストーリーを作り補完できるのでエヴァは成立している」と評したのはかなり的を得てたのかも、と思った。

2016-08-04 23:38:17
ジェット・リョー @ikazombie

私はシン・ゴジラを観て、「日本人みんなが国難に打ち勝つというテーマを語るにはパーツが足りないのでは」と個人的に思ったけど、そもそも庵野監督にとって創作意欲に占めるそんなテーマの優先度は低くて、描きたかったのは超単純に「登場人物が総力戦でゴジラを倒すカッコいい姿」なのだと思う。

2016-08-04 23:39:10
ジェット・リョー @ikazombie

なので「日本の現状を反映している・またはしていないから云々」「テーマの描き方が云々」って切り口の評価や批判はあまり意味がなかった。公務員が多いからそう見えるだけで、作品としてのテーマはそもそも重要視されていない。この人は「何かを語りたい」ではなく「何かを描きたい」作家なのだろう。

2016-08-04 23:41:26
ジェット・リョー @ikazombie

そして今作では、これまで実写表現でブレイクしなかった庵野監督が、キャラの背景を匂わせる程度にとどめて極限まで削ったことで、キャラクターを「生々しさを残しつつ記号化させる」事に成功。押井監督の指摘していた「抽象度の高いアニメだからこそ成立する世界」を実写で描くことに遂に成功した。

2016-08-04 23:42:15
ジェット・リョー @ikazombie

早くも出てきた「内閣腐」とかの盛り上がりは、押井監督の指摘していた「ファンたちが勝手に頭の中でストーリーを作っていく(「彼らは欲しいものは、演出の介在など無視してでも必ず手に入れる」)ことで拡充されていく」という庵野作品に強く現れる特徴を端的に表しているのかもしれない。

2016-08-04 23:43:42
ジェット・リョー @ikazombie

で、それを踏まえて私が言いたいのは、庵野監督は『シン・ゴジラ』で、これまでアニメでのみ成立していた唯一無二の得意表現を実写で描く手法を遂に確立させたわけで、エヴァなんか撮らずにしばらく実写で色々映画撮ってくれんか!ということです。庵野監督の実写がもっと進化していく様子を観たい。

2016-08-04 23:44:30
ジェット・リョー @ikazombie

全然関係ないけど、私は無人島に押井作品か庵野作品どっちかを持って行けと言われたら、悩んだ末に押井作品を持って行きますが、無人島に押井守か庵野秀明どっちかと一緒に行けと言われたら即決で庵野秀明を選びます。 けっこうな数の人が同意してくれるものと信じます。

2016-08-04 23:52:27
ジェット・リョー @ikazombie

個人的には『シン・ゴジラ』は「凄まじい完成度の世紀の大傑作」とかではなくて、『バトルシップ』とか『ワールド・ウォーZ』の枠に近い「最高の珍作映画」だと思っています。それがゴジラで作られたことが嬉しい。

2016-08-04 12:28:06
ジェット・リョー @ikazombie

でもバトルシッパーは「俺らが担いでる神輿、たいがいオカシイな」と自覚してるので作品について何言われても笑いながら「殺すぞ」つって済むけど、シンゴジラーには聖書無謬説みたいな思想の人が一定数潜んでいるので、シン・ゴジラについて発言するときは最新の注意をはらおう!

2016-08-04 12:33:03