エリアス・カネッティ『群衆と権力』読書メモ集
- arishima_takeo
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「リズムはもともと両足のリズムである。どんな人間でも歩くし、かれは、かわるがわる地面におろす両足で歩くから、また、これをつづければ歩きつづけるだけであるから、意識するとしないとにかかわらず、あるリズミックな音が生じる」(カネッティ『群衆と権力』)。いや、その前に呼吸があるだろ。
2016-08-14 20:39:33カネッティ的群衆四つの特質。①「群衆はつねに増大することを望む」。②「群衆の内部には平等が存在する」。③「群衆は緊密さを愛する」。④「群衆はある方向を必要とする」。『群衆と権力』上巻、26頁。メモ。
2016-08-14 20:42:02「人間が読むことを学んだ最初の文字は、動物たちの足跡という文字であった」(カネッティ『群衆と権力』上巻、29頁)。アランも似たようなこと書いてた気がするけど、いいこというな。
2016-08-15 10:44:58「現代のスポーツの催しはもっと実用的である。観衆は坐ることができる。つまり、みんなの忍耐ぶりが自ずと眼に入る仕掛けになっているのである」(カネッティ『群衆と権力』上巻、36頁)。鋭い。
2016-08-15 10:53:22「迫害群衆は、新聞読者層という社会のなかで維持されており、それと事件との隔たりのために、いっそう無責任な群衆なのである」(カネッティ『群衆と権力』上巻、62頁)。タルド的にいうと群衆から公衆へ、アンダーソン的にいうと共同体から想像の共同体へ? 群衆史として責任史として読み直すこと
2016-08-15 11:49:12カネッティ『群衆と権力』上巻読了。面白い。が、手っ取り早く群衆論だけ知りたいなら(私はそう)177頁まで読んどけばいいのではって気がする。カネの考え方の基本はそこで掴めるはず。後半部の文化人類学的な話って要は例示だし、目次見ると下巻では更に群衆と離れる気がするし?
2016-08-17 17:16:25それとは別に、アフォリズムを連鎖させたような文体がとても特徴的。ニーチェというよりか、私は(群衆シンボルとしての海の記述とか)アランを思い出したが、影響関係とかあるんだろうか。読みやすくて私は好き。
2016-08-17 17:18:38「暴力と権力の違いは、猫と鼠の関係によって、じつに簡単に示せる」(カネッティ『群衆と権力』下巻、3頁)。トム&ジェリー理論と命名してあげよう。
2016-08-18 10:08:22「問いがつづくと、問われる相手の人間はすぐにいらいらしてくる。つまり、かれは物理的にひきとめられているだけではなく、答えるたびに、自分についてさまざまのことを明らかにせざるをえなくなるからである」(カネッティ『群衆と権力』下巻、9頁)。あるある。
2016-08-18 10:22:13「千姿万態をなして、あらゆる種類の群衆が精神分裂患者たちの創造の世界に現れている。かれらを群衆の研究の出発点にすることさえ不可能ではないであろう」(カネッティ『群衆と権力』下巻、69頁)。このD&G感。
2016-08-19 13:17:07権力者たちは、今日では、以前のように自らが権力者だから不安なのではなく、他のすべての人間たちと少しも変らなくなったような気がするから不安なのである。byカネッティ『権力と群集』下巻
2016-08-21 20:10:08カネッティ『群衆と権力』下巻読了。上巻が群衆論だとしたら下巻は権力論。所々、ドゥルーズ&ガタリっぽいなー、と思ったのでそういうの好きな人は是非。上巻の方が興味深く読んだけど、仮面ーからの仮面剥奪ーからのパラノイア、の流れはアレントのペルソナ論を調べていた時機もあって参考になった。
2016-08-21 20:14:57