Age of Wonders III -Chronicle of Valmsun Runekeeper- その4

PCゲームソフト、『Age of Wonders III』のプレイ記録その4です。試練を経てウユルタ南東部に影響力を拡大するヴァルムスンは、さらにその勢力を広げるべく前進を続ける… 第1章 ロガーン・ドゥルの勃興  http://togetter.com/li/1003681 第2章 躍進のハルファー・ドゥン  http://togetter.com/li/1006034 第3章 赤く染まった月の下で  http://togetter.com/li/1008404
2

~これまでのあらすじ~

オランティウスを正式に傘下におさめたヴァルムスンは、ハルファー・ドゥンタイロバーと手分けをし、さらに南東部のいくつもの独立した資源拠点を制圧して勢力を拡大した。
十分な入植者を募った後に新たな町を築いていく算段であったが、はるか北の都市ラシェミから再びロガーン・ドゥルへ襲来したアンデッドの軍勢や、東よりオランティウスへ襲い来る巨大な不死の竜。そしてヴァルムスン自身の不慮の討死(とそれに伴う"虚無界(ヴォイド)"入り)といった具合に、決して順風満帆というわけにもいかなかった。
それでも、少しずつではあるが着実に、ヴァルムスンは前進していた。

第4章 新たな仲間、新たな同盟

まんぼ @manbo_khazad

最初にそれに気が付いたのは、オランティウスの領民の一人だった。 「んん? こいつはなんだ…?」 その農夫は領主からの布令により、先日農村に侵入したおそろしい不死の獣――いくつもの骨が合わさった巨体の化け物――の残骸を片付けていたところであった。 #AoW3CoV

2016-08-24 01:30:29
まんぼ @manbo_khazad

こ、こりゃあ人だ! まだ息があるぞ! えらいこっちゃ!」 ボーンコレクターの巨体そのものが骨の檻となって、中に一人の人間を閉じ込めていたのだ。傷だらけでげっそりとやつれており、肌の色もくすんでいるが、甲冑を着込んだその男はまだかすかに命をつなぎ止めていた。 #AoW3CoV

2016-08-24 01:58:33
まんぼ @manbo_khazad

助け出されたその人間はすぐにオランティウスへと運ばれ、それに先んじてヴァルムスンとタイロバーに報せが伝えられた。 「いったいどういうことだろう。」 この突拍子もない出来事には、さすがの二人も驚かざるを得ない。 #AoW3CoV pic.twitter.com/ecGhPAPUKH

2016-08-24 02:03:29
拡大
まんぼ @manbo_khazad

疑問はオランティウスの部隊長の一人からすぐに答えられた。 「この方は以前に我々の前哨基地に立ち寄られた旅の傭兵です。」 数ヶ月前に傭兵の小部隊を率いてふらりと現れたその男は、災いをもたらしている亡者の話を聞くと、自信ありげに討伐を請け負ったのだという。 #AoW3CoV

2016-08-24 02:29:31
まんぼ @manbo_khazad

以来全く音沙汰がなかったため、オランティウスでは討ち死にしたか、あるいは逃げたかと考えてすっかり忘れていたそうである。 側らの寝台で神官の癒しを受けながら昏睡して横たわる中年の人間の男の顔はだいぶ痩せこけて衰弱した様子であるが、間違いないと部隊長は請け負った。 #AoW3CoV

2016-08-24 02:33:28
まんぼ @manbo_khazad

「ともかく命があるならよかった。」 寝台の横には発見された時に彼が身につけていた板金鎧と、それにマスケット銃が掛けられている。どれもよく使い込まれた代物だ。 「先のことはまた後で考えよう。」 治療にあたる神官に後のことを頼むと、ヴァルムスンは退出した。 #AoW3CoV

2016-08-24 02:37:24
まんぼ @manbo_khazad

傭兵という職業柄からも、元々の体力があったのだろう。しっかりとした傷の手当てと、それに十分な栄養と休息によって男は見る見るうちに回復し、一月後にはすっかり元の状態を取り戻していた。 その日、男は鎧甲冑を着込んだ姿で、自室を訪れたタイロバーを迎えた。 #AoW3CoV

2016-08-24 02:52:31
まんぼ @manbo_khazad

「どうやらあんたには命の借りが出来たようですな、ドワーフの旦那。」 ペル・ノッチソンと名乗った男は、助け出された時のやせ細った様子が嘘のようにふっくらと小太りで、ぼさぼさだった髪と髭は綺麗に刈り揃えられていた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/62aWIRsy86

2016-08-24 02:56:41
拡大
まんぼ @manbo_khazad

「お恥ずかしい話ですが、これでも兵を率いていたこともあります。どうか旦那にお仕えさせてはいただけませんか。」 ふむ、とタイロバーは鼻を鳴らした。実際、今の自軍で兵の指揮を十分に行える者となると限られている。 #AoW3CoV pic.twitter.com/2dQHxPweUN

2016-08-24 03:01:58
拡大
まんぼ @manbo_khazad

ややあってタイロバーが首を横に振ると、ペルは落胆の表情を浮かべた。 「そうですか…」 「ヴァルムスン。仕えたいというのならば、ロガーン・ドゥルの主にして"ルーンの護り手"ヴァルムスンが、おまえの仕えるべき相手だ。」 #AoW3CoV pic.twitter.com/5Z6kJhwSO9

2016-08-24 03:05:39
拡大
まんぼ @manbo_khazad

ドワーフの言葉の意味するところを理解すると、ペルは快活な笑みをその顔に浮かべた。 「ではタイロバーの旦那。この"ノッチの息子"ペル、ロガーン・ドゥルのヴァルムスン様を主として、この身を捧げることを誓いましょう!」 #AoW3CoV pic.twitter.com/rq9cSebWv7

2016-08-24 03:08:06
拡大
まんぼ @manbo_khazad

現在のところ、ヴァルムスンはロガーン・ドゥルの南。タイロバーはオランティウスより先の開拓を行っているため、ペル・ノッチソンはひとまずロガーン・ドゥルの防衛を任されることになった。 #AoW3CoV

2016-08-26 01:17:17
まんぼ @manbo_khazad

「人手不足とはいえ、俺のような新参にそんな重要なことを任せて良いので?」 そうは思ったものの、実際ペルの指揮下に割り振られた兵たちは全員ドワーフである。 仮に彼が何かよからぬことを考えたとしても、従うはずもない。 #AoW3CoV pic.twitter.com/RyHbCHivp9

2016-08-26 01:37:09
拡大
まんぼ @manbo_khazad

加えて、そうした重要な場所に敢えて新参者である彼を配するというのは、もしかするとその忠誠心を確かめるという意味も兼ねているのかも知れない。 #AoW3CoV

2016-08-26 01:38:36
まんぼ @manbo_khazad

「タイロバーが言うのなら何も問題ないね。よろしく頼むよ。」 ヴァルムスンがあっけらかんとした調子で二つ返事で自分の仕官を受け入れた時には、ペルは安堵すると同時に、主君としての彼の資質と将来性を幾分か不安に思わないわけでもなかったが、 #AoW3CoV

2016-08-26 01:58:31
まんぼ @manbo_khazad

そうして改めて考えてみると、「このあるじ、考えていないようで、意外と考えている…」のかも知れぬ。 差し当たってはこの奇妙なめぐり合わせのまま身を任せてみようと、まんざらでもない気分になるのだった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/NEDV7NHk32

2016-08-26 02:06:38
拡大
まんぼ @manbo_khazad

ハルファー・ドゥンとオランティウスでは順調に練兵が進み、先の防衛戦で損耗したタイロバーの部隊兵もだいぶ欠員が補充されていた。 両拠点の間には、未だ喉に引っかかった小骨のように、ティグランが占有する石切り場がある。 #AoW3CoV pic.twitter.com/X6feUYcvJR

2016-08-26 02:16:05
拡大
まんぼ @manbo_khazad

独立拠点を放置すると面倒なことになるのは先ごろ学んだばかりであるし、加えてこのところ二つの拠点が発展し、徐々に広がった勢力圏が石切り場を含みつつある。 「頃合いか。」 未だ赤い月が輝く中、タイロバーは出陣した。 #AoW3CoV pic.twitter.com/zk1JlXfI54

2016-08-26 02:50:03
拡大
まんぼ @manbo_khazad

かつては強敵に思えたスフィンクスだが、あの骨竜との戦いを経た今、タイロバーの目にはそこまでの脅威には映らなかった。 「注意すべきは獣と戦車。残りは大したことはない。」 ドワーフ軍は石切り場の正面に部隊を展開した。 #AoW3CoV pic.twitter.com/3757d21w9N

2016-08-27 03:18:36
拡大
まんぼ @manbo_khazad

厳かなる父よ、彼の者の決意を鈍らせ給え、我らに弓引く腕を押し留め、その足を縫い止め給え」"戦士の迷い"がかかったスフィンクスは明らかにその動きを鈍らせる。士気の鈍った獣は、そのまま側面へ動いて味方と分断された。 #AoW3CoV pic.twitter.com/QYGwv7IrGZ

2016-08-27 03:27:18
拡大
拡大
まんぼ @manbo_khazad

"戦士の迷い"の祈祷は足を鈍らせるだけでなく、戦意そのものを低下させる効力があるのだ。いかにスフィンクスといえど、孤立して弱体化していれば、経験を積んだ援護つきのドワーフ斧兵隊が渡り合えぬ相手ではない。 #AoW3CoV pic.twitter.com/Kz4joG5Uu9

2016-08-27 03:30:46
拡大
まんぼ @manbo_khazad

左翼のティグラン戦車の突撃にはいくばくかの被害が出た。人間の歩兵は、ドワーフのそれに比べるとどうしても頑健さで劣るのだ。だが少なくとも神官とタイロバー、ドワーフ斧兵、それに幻影戦士が側面攻撃を行うまでの時は稼げた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/VwSS6jGytm

2016-08-27 03:37:32
拡大
まんぼ @manbo_khazad

死傷者こそ出たものの、危なげなくタイロバーの軍は勝利を収めた。採石場には魔法の品物が保管されていたため、それらも無事回収することができた。 勢力圏内に入るまでは今少し発展を待つ必要があるが、それも時間の問題だろう。 #AoW3CoV pic.twitter.com/nBEeuAMmfO

2016-08-27 03:43:31
拡大
拡大
拡大
1 ・・ 4 次へ