宝石箱

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1 付き合って、初めてのクリスマス。 何だか浮かれて、明るいうちから二人で街に繰り出した。 服や雑貨、揃いのアクセサリーやクリスマスツリーまで。 色んなものを買い込んで、街を歩いた。 たくさんの荷物を抱えて、手を繋いで。 袋から犬のぬいぐるみの顔を覗かせたりして。

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2 私は午後から少しだけ仕事があったから、すばるに部屋で待っててもらって、出勤。 急いで終わらせて、ケーキを買って、急ぎ足で帰る。 駅に着いたら、すばるが迎えに来てくれてて。 人目を憚らず、抱き着いて、キスして。 また寄り添って、手を繋いで、一緒に帰った。

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3 一緒にツリーを飾って、買って来たご飯を並べて、ケーキも食べて。 一緒にお風呂に入って、たくさんキスして、たくさん抱き合って眠った。 一生分の甘いクリスマスを過ごした感じ。

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4 窓辺に飾られたツリーを見て思い出す。 仕事から帰ったら、暗い部屋をぼんやり照らしていた。 毎年、いつの間にかすばるが飾ってる。 あの時買った小さなツリー。 二人とも忙しくなって、あの時のようなことはもう出来ない。 今年のクリスマスは、すばるはライブで地方だし。

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5 でも、寂しくはない。 キラキラした思い出たち。 色褪せることのない、あの日見た景色。 あの時からずっと増えてきた宝石のような日々。 全部私の宝箱に入ってる。

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6 今度の休みは、すばるへのプレゼントを探しに行こう。 もう何を上げたらいいかわからないくらい、長い間一緒にいるけど。 それでも、何でも喜んでくれるから。 あの笑顔を思い浮かべながら、街を歩こう。 ねえ、すばる。 今年もまた、大切な宝物が増えるね。