モンスターハンター2次創作 ~吹雪の覇者~ 最終話 覇者

チラシの裏のラスト
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クワトロゾンビ @QZombie

最終話 覇者 ━━酒場にて 「では噺の続きと参りましょうか。」 夜が本格的に深まり、流石のドンドルマの酒場も静かになっている。 「いやぁ、面白いなぁネェちゃん!」 「だが、タイトルの吹雪の覇者がまだ出てないぞ。」 「おう、確かに面白いんだが、英雄譚って感じではなぁ。」

2016-08-28 23:27:14
クワトロゾンビ @QZombie

「そうですねぇ・・・今回、しっかり期待に応えますよ。」 「おぉ!?」 「じゃあ、期待しようか。」 「有難うございます。ならば、気合を入れて参りましょう。」 それでは、ガリウスがリオレイアを狩猟した後、風雲急を告げるところから始めましょう━━

2016-08-28 23:27:27
クワトロゾンビ @QZombie

━━その男は、大老殿にいた。 どうやら厄介な頼まれ事をされている様だ。 「頼む、首を縦に振ってはくれないか。」 そんな上から頼まれてもなぁ。 「お断りですなぁ。」 「・・・ドンドルマの皆を守る為に、再び伝説を見せてはくれないか?」 伝説の意味も責任も知らない連中は楽でいいな・・・

2016-08-28 23:27:56
クワトロゾンビ @QZombie

「その為に人と自然のバランスを崩すことを是とするんですかね。皆を束ねる方は考え方が違いますなぁ。」 「貴様!誰に向かってそんな口を!!」 小さいのにうるせぇな。 「フゥー・・・命も賭けないで上から指示する連中は楽でいいですな。白けた、帰る。」

2016-08-28 23:28:11
クワトロゾンビ @QZombie

やってられるか、人を物の様に扱いやがって。 「待ってくれ、待ってくれぬか覇者よ!」 「嫌ですよ。」 貴様!それでもとかなんとか聞こえてくるが、ハンターの矜持を曲げてまでやることじゃねぇ。

2016-08-28 23:28:38
クワトロゾンビ @QZombie

それに今は若い連中も育ってきてる。伝説は永遠に封印されてしかるべきさ。 ・・・あの力は、世の中に広まっちゃダメなもんだ。

2016-08-28 23:28:52
クワトロゾンビ @QZombie

「フゥーイ・・・」 やれやれ、最近はリオレイアの狩猟以降ぱったり狩猟クエストが張り出されねぇなぁ。 採取クエストも楽でいいが、やっぱり実戦で腕が鈍ってないか確認もしてぇし。 「ようヴァルム。」 「おう、ガリウスか。お前もクエスト探しか?」

2016-08-28 23:29:13
クワトロゾンビ @QZombie

クエストボードからは目を離さずに受け答える。なんかねぇかな・・・ 「まぁなぁ、最近は狩猟クエストも落ち着いて採取クエストが多くて。」 こいつも同じか。 「しかし、平和な証だ。いいことじゃねえか。」 腕は鈍っちまうがなぁ。 「それはそうだけども・・・」

2016-08-28 23:29:31
クワトロゾンビ @QZombie

まぁ、こいつも随分成長したもんだ。 武器はクイーンレイピア、防具はリオレイアの甲殻をハードポイントに採用してより強固になっているし。 これなら、もう一人前を名乗ってもいいかもな。 「ま、折角の装備を生かせないって気持ちも分かるが焦るこたぁないさ。」

2016-08-28 23:29:43
クワトロゾンビ @QZombie

だらだら話しながらクエストボードと睨めっこをしていると バァーン!! なんだなんだ、受付が派手に机を叩いてどうした。 「あんだ、なにかあったのかよ。」 「さ、さぁ?」 酒場にいる連中が受付に注目する。 「・・・皆さん!緊急クエストです!!」 緊急クエスト・・・

2016-08-28 23:30:03
クワトロゾンビ @QZombie

「討伐・撃退対象はクシャルダオラ!ドンドルマに急速接近しているとの事!! 併せて、今回の個体は非常に強力な風を纏っているとの情報もあります!! ・・・とても危険なクエストですが、時間がありません。 皆様のご協力を、お願いします。」 ・・・チッ

2016-08-28 23:30:15
クワトロゾンビ @QZombie

「ヴァルム、行こう。撃退するだけならオレ達でも何とかなるかもしれない。」 「あー、ちと待て。まずは受付にもう少し情報が無いか確認してくる。」 「お、おう。」 ざわついている連中を押しのいて受付に着く。 「おい。なんで酒場にこんなクエストが下りてくる。」

2016-08-28 23:30:30
クワトロゾンビ @QZombie

恨めしそうにじとりと睨みながら 「・・・今いるG級ハンター全員に掛け合った結果、総スカンを食らったって大臣から報告がありました。 いろんな方にお願いをしたけども、皆一様に取りつく島もなく門前払いにされたとも。

2016-08-28 23:30:42
クワトロゾンビ @QZombie

それで、酒場まで話が降りてきて。我々も下位、上位ハンターでは無理だと説明をしても何とかしろの一点張りで 強引に手続きが行われました。」 ハッ 「そいつはご愁傷様だな。」 受付め、怒りを隠そうともせず顔を歪めて 「何で、こうなったんですかね。」

2016-08-28 23:31:08
クワトロゾンビ @QZombie

「さぁなぁ。それで、クシャルダオラの到着予定日数はわかるのか?」 「3日です。3日で着きます。」 3日ね・・・ 「わかった、有難うな。」 「意気地なし。」 うるせぇ毒婦め。 「おう、戻ったぞ。」 「あぁ、お帰り。それで何か情報はあったか?」

2016-08-28 23:31:24
クワトロゾンビ @QZombie

ざっくりと今回のクシャルダオラは下位、上位のハンターでは荷が勝ちすぎること、到着まで3日の猶予がある事を告げ、 「はっきり言うぞガリウス、今回は手を引くべきだ。 G級ハンター、若しくはギルドナイトが対処すべき案件だ。」

2016-08-28 23:31:42
クワトロゾンビ @QZombie

俺は事実を言った。まだ死なせたくはないし、こいつはさらに高みを目指せる。 「・・・でも、誰も参加しなかったらドンドルマが。」 「大丈夫だ、そんなヤワじゃねえよ。いざとなったらギルドナイトだっているんだ。今回だってなんとかなる。」

2016-08-28 23:31:52
クワトロゾンビ @QZombie

正義感だけじゃ古龍を相手には出来ない。今回ばっかりは手を引くべきだ。 「・・・3日、3日経って誰も志願しなかったら、オレ行くよ。 カトーとロビンにも相談してみた上で、だけども。」 ・・・はぁ。 「わかった、それ以上は俺も止めない。あとはお前らでじっくり考えてみな。」

2016-08-28 23:32:16
クワトロゾンビ @QZombie

「あぁ、じっくり相談してみるよ。」 まぁ、3日あれば誰か行くだろ。 ・・・ただ、万が一の為に準備だけはするか。

2016-08-28 23:33:07
クワトロゾンビ @QZombie

「ごめん、俺の得物と防具、どうなってる?」 「おう、いつでもいけるぞ。・・・例の緊急クエストか。」 「あぁ、まぁ、そんなとこかな。」 「お前が出ればそれでカタがつくだろ。」

2016-08-28 23:33:23
クワトロゾンビ @QZombie

「まぁなぁ。でも、この力は人と自然のバランスを崩しちまう。 下手に使ったら、かの龍の呼び水になっちまう場合もある代物だ。 本当の使いどころは、ここじゃない気もするんだよ。 それにG級ハンター達もいるし、いざとなりゃあギルドナイトだって」

2016-08-28 23:33:34
クワトロゾンビ @QZombie

「だが、今度のは桁が違うみたいじゃねえか。G級ハンター達は危険すぎるってんで総スカン。 ギルドナイトですら絶望的だって見解みたいだぞ。」 「・・・そうかい。」 「もう、ワシらに頼れるのはお前だけだ。頼む、覇者。もう一回伝説を刻んでくれないか?」

2016-08-28 23:33:47
クワトロゾンビ @QZombie

「・・・この装備の力の源、知ってるかい?」 「む、あぁ・・・龍の力と天の輝きだったか。」 「そう、あの竜大戦で猛威を振るったイコール・ドラゴン・ウェポンと同質の力なんだよ。 しかも武器は天の輝きを湛えた封じられし御剣だぞ。」

2016-08-28 23:33:59
クワトロゾンビ @QZombie

「それこそ百も承知だ。・・・だがな、これを使いこなせるのはお前だけなんだよ。」 「わかっている、わかっているんだ。俺以外にアレは倒せない。だがこの力は危険すぎるんだよ。 だから普段は厳重に封印をして、あんた以外には触らせてもいない。」

2016-08-28 23:34:17
クワトロゾンビ @QZombie

「そう、だな・・・だがな。今回は使い時じゃないのか。ドンドルマを救えるのはお前しかいない。 しかも、酒場にクエストが下りてきてる状況って話じゃねえか。若いのは100%無茶をするぞ。」 「それは・・・」

2016-08-28 23:34:32