茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1873回「「バリパラ」と「解説スタジアム」が示した、地上波テレビの可能性」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月1日の連続ツイート。 本日は、随想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1873回をお送りします。文章はその場で即興で書いています。本日は、随想です。

2016-09-01 07:12:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

最近話題になった二つの番組、すなわち、NHK、Eテレ「バリパラ」)24時間テレビの裏で放送されて、話題)、及びNHK総合「解説スタジアム」(「「どこに向かう 日本の原子力政策」)を見た。どちらも、素晴らしかった。それで、改めて考えたことがある。

2016-09-01 07:16:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の地上波テレビの劣化が指摘されて久しい。芸能人が内輪受けの話をして自分たちで受けていたり、テロップなどで汚い画面構成にしたり、視聴者をバカにしているような内容が多いとしばしば言われるが、これらの問題点は、テレビというメディア自体の本質ではない。むしろ制作ポリシーの問題だ。

2016-09-01 07:18:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

地上波テレビというメディアに可能性があるのは、先に挙げた「バリパラ」や「解説スタジアム」がネット上で話題になり、結果として私を含め多くの人が視聴したことでもわかる。というのも、地上波テレビの「同時性」が、トレンドをつくる上で大きな力となるからだ。

2016-09-01 07:19:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

原理的に言えば、どんなコンテンツでも、ネット上に置いて自由にアクセスすれば、それが良質なものであれば、最終的には視聴者数は伸びるかもしれない。しかし、地上波テレビの持つ、視聴がシンクロするという性質は、ツイッターなどでトレンドに上り、可視化される上で大きな意味を持つ。

2016-09-01 07:20:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

「バリパラ」は、障害を持つ方をある図式に当てはめて「感動」を押し付ける「感動ポルノ」の構図を描いて素晴らしかったし、「解説スタジアム」は、日本の原子力政策をめぐる問題点を多角的、かつテクニカルに指摘して、素晴らしかった。本来、このようなコンテンツこそが、放送されるべきだろう。

2016-09-01 07:21:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

地上波テレビの根本的な問題点は、「視聴質」ではなく、「視聴率」を至上命題としてきた点にあるだろう。CM収入に依存してきた民放では、ある程度仕方がなかったことかもしれないが、ネット時代のテレビには、別のやり方があって良い。

2016-09-01 07:22:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

「視聴率」ではなく、viewing figure(視聴者数)で番組を評価するようになれば、良いコンテンツをつくって、ネット上で評判にならないと始まらない。大して面白くもないのに、惰性でだらだら見られているような番組は、むしろ淘汰されるだろう。

2016-09-01 07:24:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

「バリパラ」と、「解説スタジアム」が、地上波テレビの持つ本来の可能性を示したことは、大変意義深い。二つの番組の制作陣は独立していたのだろうけれども、スタッフのみなさんに感謝するとともに、これからもそのような番組つくりを期待いたします。

2016-09-01 07:25:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1873回「「バリパラ」と「解説スタジアム」が示した、地上波テレビの可能性」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2016-09-01 07:25:45