立命館・吉田先生によるゲーム研究等に対する雑感まとめ

立命館大学・ゲーム研究センターの吉田寛先生による「ゲーム研究」や「保存」に対する、2016年9月1日~3日のツイートをまとめました。
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YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

主催者の方からご案内いただきました。映像のアーカイブ(化)によって(地域)研究の方法がどう変わるのか、という問題意識が興味深いです。というか、会場メチャクチャ近所です。本日です。/ 地域映像アーカイブ2016 in 京都・公開研究会 toyfilm-museum.jp/news/infomatio…

2016-09-01 00:45:25
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

アーカイブ(化)によって、研究の方法論に不可避的に変化が生じる。これまで見慣れたモノや情報も、まったく新たな切り口で捉えられるようになる(はず)。そして、それによって初めて見えてくるものもある(はず)。その変化の理論的提示をセットにしてはじめて、アーカイブ研究が成立する(はず)。

2016-09-01 00:52:30
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

というわけで、これも期待しています。松永伸司さんのレクチャー。/ ゲームの何を保存する? ゲームのアーカイブと芸術の哲学 | あいちトリエンナーレ2016 aichitriennale.jp/schedule/2016/… via @Aichi_Triennale

2016-09-01 00:54:32

YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

「ゲーム研究を専攻できる日本の大学リスト」(七邊信重さん作成)があるが、シラバスが見られる仕組みもどこかに欲しい。ゲーム研究の授業や論文指導のあるなしは、このリストでは分からない。/ 日本でゲーム研究を専攻できる大学院・大学リスト sociology-of-games.blogspot.jp/2014/05/blog-p…

2016-09-02 16:27:50
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

「ゲーム制作の授業」「ゲームを用いた授業」「ゲームに言及する授業」「ゲーム研究の授業」は、どれもまったく違いますからね。とくに二番目と三番目は、最近急激に増えている可能性もありますが、それはゲーム研究ではない(ことが多い)です。

2016-09-02 16:35:14
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

しかし大学院の選択は、最終的には「口コミ」です。よく知っている人に聞く。それが一番。いまだにそうです。よく知っている人が誰だか分からなければ、よく知ってる人をよく知ってそうな人に聞く。それが誰だか分からなければ(以下、略)。つまり一通りの情報が揃う時点で、すでにコミットしている。

2016-09-02 16:41:37

YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

史上初のMMORPGである Meridian 59 (1996) は、ゲーム研究の教科書の類には必ず出てくる。だが日本語版のWikipediaの項目はない。ゲーム史の知識と経験における、この種のナショナル(ローカル)な「偏り」は今は無視できても、今後ますます問題視されていくはず。

2016-09-02 22:25:59
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

一昔前は、そうした「欧米では超有名だけど日本では無名なゲーム」の存在を知ると、エミュレーターを動かしてでもプレイしていたが、今はそんな気力も体力も時間もなく、ただ文字情報と動画で知ったつもりになってしまう。いかんなーと思う。というか、Atariとかをいつでも遊べる環境が欲しいな。

2016-09-02 22:29:12
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

しかし「すでにサービスが終了しているようなオンラインゲーム」の場合、後世の人はプレイしようがない。「当時やった人でないと分からないゲーム」が今後ますます増えてくる。これはもう(戦争とかと同じで)「経験者」に聞いて知るしかない歴史的対象だ。だがそんな価値があるかどうかも分からない。

2016-09-02 22:32:26
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

「実はゲームの歴史というのは歪んでいて、後世にプレイ可能なゲームしか歴史の中心には残らない」という視点もそろそろ必要かもしれない。「日本のパソコンゲームが(コンソールに比べて)マイナー」というのも、単にリバイバル(リサイクル)のきっかけを持たないからにすぎない、という見方も可能。

2016-09-02 22:35:27
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

私が最初にそれに気付いたのは、五年位前、フィンランドのゲーム研究者が「日本のゲームの歴史を知りたい」と、私の研究室に来たとき。その人はRPGが大好きで、日本のゲームもそこそこ詳しいんだけど、『ハイドライド』も『イース』も知らない。今考えれば、当たり前なのだが、そのときは驚いた。

2016-09-02 22:43:25
YOSHIDA Hiroshi 吉田寛『デジタルゲーム研究』発売中 @H_YOSHIDA_1973

「オレのゲーム史」以外のゲームの歴史が本当に書けるのか、日本人だからといって「日本のゲーム史」が書けるのか、外国人の方が逆にクールに書けるのではないか、といった〈歴史学的問題〉は、これから日本で盛んに議論されていくでしょう。最近、しっかりしたゲーム史の本も増えてきたことですので。

2016-09-02 22:47:53