僕の仕事でも「スタッフ(orメーカー)は作品を愛していない。金儲け主義、許すまじ!」なんて風評をちょいちょい耳にするようになってきました。新人の頃は殆ど無かったので、これも過程なのかなと思っております。僕も10代の時は言ってたよ! でもま、辛いですね。愛情かけてないわけないのに。
2011-02-17 22:39:23アニメのシリーズ構成というのは、費やせる制作費や制作日数から逆算して、内容の加減の判断をする仕事でもあります。特に原作のある作品では「その内容はこのレギュレーションでは映像不可ですよ?」と提言して、スケールを小さくアレンジしなくてはならない事もあります。無理をすると爆死します。
2011-02-17 22:46:11原作物の場合「無理な物をやるなよ」と思われるでしょう。ごもっともです。僕もそう思います。ですが、仕事とは選べる物ではないのです。お父さんに聞いてみよう! 僕は今の所、作品の選り好みで仕事を断った事がありません(断ると勢いが止まるような気がしているというのもあります)。
2011-02-17 22:58:16過去に1度だけ、物理的に不可能だったので、シリーズ構成の仕事を断った事がありますが、それはタイトルを聞かずにお断りしました。聞くと情が沸きますから。(数ヶ月後に「ああこれだったのかなー?」と思いながらテレビを見ました)
2011-02-17 23:00:27例えば。全話超絶ド派手で超絶面白い(と思われる)脚本が上がったとしましょう。でもそれを映像化するには、「各話1500万円の制作が掛かる」と判断された場合、僕が仕事をさせていただいているレギュレーション内では、その脚本はボツになります。
2011-02-17 23:08:06戦闘シーンを削ったり、顔アップだけでシーンが進行するように変更したりします(僕の脚本が「部屋から出ない話が面白い」と評されるのは、この訓練をやたらやってきたからでしょう)。戦闘シーンだけに限らず、実は「部屋の出入り」といったごく普通の芝居がハイカロリーだったりします。
2011-02-17 23:11:46で、そのシリーズ構成を断った〜云々の話の続きですが。その後、割と仲良かった(はずの)その制作会社から2度と電話がかかってこなくなり、数年経ちました。特に喧嘩したわけでも、互いに失礼があったわけでもありません。ただ「断られたなー」という印象一つでそうなりますという話。恐い!
2011-02-17 23:21:57なんつーか。お話上の都合が無くても、キャラがドアノブを回したり、暖簾をくぐったり、フレーム内に足下があったりすると「わー、制作費か制作時間があるんだな。いいなー」と凄く思います。
2011-02-17 23:31:39@uezux 劇場版AKIRAで金田がレーザー銃のバッテリーをガムテでぐるぐる巻いてるシーンがあって、その贅沢な動画使いっぷりにアニメ関係者が超びっくりしたという話を思い出したにゃん。
2011-02-17 23:36:16絵を描く方ならわかると思いますが。「なぜドアノブを回さないか?」手を書くの、難しいでしょ!「なぜ足下を書かないのか?」パース取るの大変でしょ!……そういう現場へのカロリーまで考えて脚本は書かれます。全員がそうではないですが。
2011-02-17 23:37:38——と、僕が長文を書いている時は、アイディアが出ず、目の前の仕事に煮詰まっているという事、すっきりしたので仕事に戻ります。うおー!——ご静聴ありがとうございました。
2011-02-17 23:44:41最近、やけに現実的な話をしてしまうのは、情熱の陰には現実的(金銭や交渉など)に作品作りを支えている人がいるという事を知って欲しいからです。情熱や意気込みを否定する意図はありません。
2011-02-28 21:58:20お金が無いと死ぬ。だけど、お金では満たされない。幸せって何? とりあえず僕は、大好きなアニメの制作に携われている事を幸せに思っています。http://bit.ly/gvCieo では、現実的な事を書き過ぎてしまいましたが、少なくとも僕は幸せの中に居ます。
2011-02-28 22:24:31