大森義夫氏、死去

“９３年から９７年にかけ内閣情報調査室長を務め、ペルーの日本大使公邸人質事件などの対応にあたった。インテリジェンス（情報収集・分析活動）の重要性を指摘し続け、０５年には外相の私的懇談会の座長を務め、対外情報機関の設置を提言した。インテリジェンス分野などの著書もある。”

対外情報機能強化に関する懇談会
対外情報機能の強化に向けて

後、文庫化

国家と情報―日本の国益を守るために

“１９６３年に警察庁入庁。警察大学校長などを歴任し９３〜９７年に内閣情報調査室長。国家のインテリジェンス（情報収集・分析）などに関する著作がある。”

「国家と情報」以外にも、内閣情報調査室を取り上げた 「日本のインテリジェンス機関」が有名。

在タジキスタン大使でインテリジェンス研究家の北岡元氏は、両書を以下のように述べた。

国家と情報
“雑誌『選択』の連載を纏めた「『インテリジェンス』を一匙」に新たにエッセーや論文を加えたもの。インテリジェンスの本質を鋭く突いたエピソード満載。”

日本のインテリジェンス機関
“宮沢、細川、羽田、村山そして橋本という歴代政権に仕えた辣腕の内調室長が描く日本のインテリジェンス。インテリジェンス組織のみならず、日本とインテリジェンスの関わりを幅広く描いた必読の名著。”

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また、インテリジェンス関係者による対談本として、 「インテリジェンスの極意!」 「亡国のインテリジェンス」がある。

“大森義夫さんは生前、「日本は情報の重要性を認識し、その価値観を改める必要がある」と訴え続けていました。
日本に復帰する前の沖縄県での勤務の際、初めて本格的に情報収集活動に携わった大森さんは「沖縄は私の『情報マン』としての原点だ。沖縄に行っていなければ単なる官僚で終わっていた」とＮＨＫの取材に対して語っていました。”
「国家と情報」p.53に沖縄での活動の記載あり

“警察庁退職後、平成５年からおよそ４年間、内閣情報調査室の室長を務めた大森さんは、北朝鮮のキム・イルソン（金日成）主席が死去した際の情報収集や分析にあたりました。４年前、大学の学長就任後も『情報マン』にこだわり続けた大森さんは生前、長年関わってきた情報収集活動について「『後世の日本社会、日本人のために役に立つ』、『情報は国民の財産だ』ということを生きがいにして活動にあたっている」としたうえで、「日本は情報の重要性を認識し、その価値観を改める必要がある」と訴え続けました。”

“退官後はインテリジェンス（情報）の専門家として、外務省の対外情報機能強化に関する懇談会の座長も務めた。”

“1963年警察庁入庁。主に公安畑を歩み、鳥取県警本部長や警視庁公安部長を歴任。93～97年に内閣情報調査室長を務め、96年に発生したペルーの日本大使公邸人質事件の対応に当たった。2005年には外務省の有識者懇談会の座長を務め、対外情報機関の新設を提言。インテリジェンス（情報活動）の重要性を訴えていた。”

“退官後は、日本が国際テロや外交での情報戦に立ち遅れていることを指摘し、インテリジェンス（情報）の重要性を提唱。英国型の情報機関「対外情報庁」の設立など危機管理体制の強化を主張し、外務省の対外情報機能強化に関する懇談会の座長も務めた。”
「対外情報庁」については、『国家と情報』ほか、黒井文太郎著『インテリジェンスの極意! 』ｐ．208にも記載あり