修習生・若手向け「破産法条文、これ読んで！」by aiko

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

破産法の条文を読む際は、大きな視点を意識。倒産の場面において、債権者その他の利害関係人の利害を適切に調整するための集団的な債権・債務処理を目的とする制度であること。その目的のために、民法等の実体法や民事訴訟法や民事執行法等の手続法を修正した特別法としての性格を意識して。 ＃破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

１条は目的規程。支払不能又は債務超過にある債務者等の財産等の清算に関する手続が破産手続。その目的は「債権者その他の利害関係人との利害、債権者と債務者の間の権利関係の調整により債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図ること」。個人の債務者では経済生活の再生の機会の確保も目的 ＃破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

債権者以外の利害関係人との調整も含まれていることや、集団的に利害関係を調整すること（破産債権者の個別的権利行使は禁止されることとか）、債権者間の公平の理念（同じ性質の債権を持つ債権者については平等な取り扱いを）といった目的は、悩んだ時に立ち返る条文でもあります #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

２条は定義。必読。４項の破産者、５項の破産債権、７項の財産債権、９項の別除権、１１項の支払不能、１２項の破産管財人、１４項の破産財団の定義は特に。破産債権と財団債権の違い、破産管財人が破産財団に属する財産の管理処分権を有する意味を理解していない故の申立ての失敗はある。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

15条。破産手続開始の原因。１項で支払不能が破産手続開始の原因であること＆申立てにより破産手続が開始されることを定め、２項で支払停止があれば支払不能が推定されることを定める。支払停止については定義規程がないけれど、否認や相殺禁止にも絡むので、定義と具体例も押さえること #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

18条。破産手続開始の申立て。「債権者又は債務者」が申立権者（１項）。自己破産、という言葉は債権者申立ての破産事件もあるからこそ。修習生でもこのレベルの事項が理解されていないと思ったことはあります。２項では債権者申立ての場合の疎明事由を規程。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

20条。破産手続開始の申立ての方式。破産規則で定める事項を記載した書面で申立てをすべきことの定め（１項）。破産規則１３条と破産手続開始申立ての書式を対比してみると、なぜその質問が書式に含まれているかの理解が進むと思います。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

30条。破産手続開始の決定。破産手続開始には様々な効果があり（47条以下）、その時点は実務上も非常に重要。破産手続開始の決定の裁判書には、決定の「年月日時」を記載しなければならないことになっていて（規則19条2項）、○年○月○日○時まで記載される。その意味を理解して。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

31条。破産手続開始決定の同時処分。開始決定と同時に、破産管財人の選任、債権届出期間、債権調査期間又は調査期日、財産状況報告集会の期日を定めるのが同時処分（1項）。債権調査期間又は調査期日、財産状況報告集会の期日は、配当なく異時廃止で終わりそうな時は留保できる（2項） #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

破産管財人は、破産手続開始決定の前に内定してます。裁判所からの打診、記録の閲覧（受任できるかの利害関係のチェック）、期日の日程調整。場合によっては開始決定前の債務者審尋に管財人候補者として立ち会うようなことも。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

なお、同時破産手続廃止の決定についての条文は216条。同廃の場合は破産手続が終了するので同時処分はされません。216条も読んでおいてほしい条文。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

34条。破産財団の範囲。重要条文。1項が「破産者の」「破産手続開始の時において有する」一切の財産を破産財団とする、破産財団の時的範囲に関する固定主義を定めた。破産手続開始決定の前後に相続や交通事故があった場合、それが破産手続の前なのか後なのかで劇的な違いがあります。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

34条2項。破産手続開始時には発生していないが、破産手続開始決定前に生じた原因に基づく将来の請求権は、破産財団に含まれます（例：退職金の破産手続開始前の労働に対応する部分）。ある財産が破産財団か、自由財産として破産手続開始後も破産者に管理処分権があるのかはとても重要。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

34条3項。同条1項の例外規定。1号は民事執行法の定める差押禁止金銭の範囲を破産の場面において拡大。99万円までの金銭が本来自由財産。2号は差押禁止財産。破産手続開始時には差押禁止財産でも破産手続開始決定後に差押えが可能になれば破産財団に属することにも注意（2号但書） #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

34条4項。自由財産の範囲の拡張。破産者の申立てに対し、破産管財人の意見を踏まえて裁判所が拡張の可否を決定します。運用基準には地域差もあるのでその地の運用をよく確認を。3項との違いが理解できていない人も多い印象。拡張を求める財産の総額は原則99万円まで。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

40条。破産者等の説明義務。代理人や代理人（1項2号）や破産者が法人である場合の役員（同項3号）にも説明義務がある。破産者の場合、説明義務違反が免責不許可自由になることが特に重要（252条1項11号）。説明義務違反には罰則規定も（268条）。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

41条。破産者の重要財産開示義務。規則14条3項6号では申立時に財産目録の提出が求められている。違反は免責不許可事由（252条1項11号）で罰則も（269条）。この財産も出さなきゃいけないんですか、と言われたら指摘して。正直に話した浪費よりずっとマズい免責不許可事由。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

44条。破産財団に関する訴えの取扱い。破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟は、破産手続開始により中断（1項）。管財人は1項の訴訟のうち破産債権関しないものを受継できる（2項）。破産手続開始により破産財団所属財産の管理処分権・当事者適格は管財人に（78条1項、80条） #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

破産債権に関する訴訟については、管財人や相手方が直ちに受継の申立てをすることができない（44条2項参照）のは、破産債権については、集団的確定方式による特別の確定手続を設けているから（111条以外）。破産法が集団的な債権処理を行う制度であることのあらわれの一つ。 #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

（破産財団に属する財産の訴訟についても代理人になってたのに、訴訟が中断することを全く意識しないで申立てをしてしまい、管財人が受継にバタバタ‥なんてことはないようにね☆開始決定後に期日があったら代理人として出廷できないぞ☆） #破産法

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

@ponikitiai 引用して頂いたのに、111条以外とかタイポしてて恥ずかしい汗。111条以下、です。

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

@ponikitiai 破産債権に関しないもの。に、が抜けてた汗

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

@ponikitiai ×本来自由財産 ○本来的自由財産

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

@ponikitiai 代理人や代理人ってなんだ、、汗 なお、破産手続中に代理人を辞任しても説明義務を免れる訳ではないことに注意（40条2項）

鈴木愛子（aiko@学童保育を応援する人） @ponikitiai

『個人の自己破産と、官報公告のこと。』 ⇒ ln.is/ameblo.jp/aiko… #アメブロ @ameba_officialさんから 破産法32条は51条との絡みで指摘しようかと思って昨日はあげなかったんですが。 このブログ読んで頂いた方がイメージわくかも。