ダバオ誤報事件

誤報はこうして生まれた
6
島の人Part2 @simasyodes

昭和19年サイパンが陥落して米軍が次にフィリピン(もしくは台湾)は来襲すると考えられており、またフィリピンを失うことは南方資源地帯のシーレーンを絶たれ物資のない日本の死を意味していた。

2016-09-22 19:19:44
島の人Part2 @simasyodes

昭和19年9月9日 フィリピンミンダナオ島ダバオ 米軍のハルゼー率いる空母6隻からなる第38機動部隊が来襲、大規模な空襲を受けた。

2016-09-22 19:20:11
島の人Part2 @simasyodes

ダバオには陸軍歩兵四個大隊、海軍根拠地隊1500、飛行場設営隊にそしてもう貴重な航空戦力である寺岡謹平中将率いる第一航空艦隊(以下一航艦)部隊がいた。

2016-09-22 19:20:19
島の人Part2 @simasyodes

前日の米軍の猛爆に監視任務に就く兵はピリピリ神経が張り詰めていた。そこへ事件は起きる。後に「ダバオ誤報事件」として「比島決戦」がそのものが崩壊していくことになる。

2016-09-22 19:20:47
島の人Part2 @simasyodes

9月10日4時ダバオ南西約100kmのサランガニの監視所から「敵上陸用舟艇見ゆ」の報があり、8時には「陸軍と協力して水際で撃滅す」との報告も入った。

2016-09-22 19:21:05
島の人Part2 @simasyodes

数日間の索敵で敵影はないので不審に思った一航艦司令部も確認の索敵を行うように下令したが、混乱でうまく伝わらす9時30分には「敵軍上陸」の報が入る。

2016-09-22 19:21:21
島の人Part2 @simasyodes

「敵襲」に根拠地隊司令部も最初は疑問を抱いたが監視所の指揮官である准士官も「自分が見た!」と言い出し(すわ陸戦!)と根拠地隊では暗号を焼いて通信機にハンマーを振るい始めた。

2016-09-22 19:21:44
島の人Part2 @simasyodes

昼には敵水陸両用車が上陸したとして一航艦司令部にも「自分が確認した!」との兵も駆け込んできた。 陸戦部隊の根拠地隊もダバオ西方のミンタル方面に後退しだした。

2016-09-22 19:22:11
島の人Part2 @simasyodes

「敵水陸両用車200台が第二飛行場に上陸」この報告に寺岡らはダバオ市内から車で十分ほどのブハンキンにあった司令部をバレンシアに「後退」させた。

2016-09-22 19:25:54
島の人Part2 @simasyodes

しかし司令部の「遁走」に第二飛行場にいた美濃部正大尉は疑問を抱いた。「自分の眼前に現れた」はずの敵の姿はなく。第一飛行場から自身が零戦で索敵したがまったく敵の影もないことを報告、寺岡ら一航艦司令部はようやく誤報とわかった。

2016-09-22 19:26:41
島の人Part2 @simasyodes

なぜこんな誤報が起きたのか、昨日の空襲で(大規模な空襲後に米軍上陸というパターンが一般的だった)監視所でも(敵部隊来襲)と意識付けされ、僅かな波しぶきが敵上陸用舟艇となり報告されたんだった。

2016-09-22 19:26:53
島の人Part2 @simasyodes

「敵襲」の誤報はやがてそれに対応しようと走り回る自軍の車両さえ敵部隊となり、「水陸両用車200台が第二飛行場に上陸」と「具体的」になっていた。

2016-09-22 19:27:21
島の人Part2 @simasyodes

さて誤報が起きた方面の南西方面艦隊長官三川軍一中将は情報について次のように述べていたがそれが活かされなかった。

2016-09-22 19:27:42
島の人Part2 @simasyodes

1:情報源、およびその信頼度を明らかにし、でき得れば指揮官が自ら敵情を確かめること 2:不時の事態が生起したさい、各部の長は上級指揮官と連絡につとめるとともに、部下を掌握していたずらに軽挙妄動しないこと

2016-09-22 19:27:50
島の人Part2 @simasyodes

3:敵との戦闘を確認せずに、みだりに施設、兵器、軍需品を破壊焼却しないこと 4:過早に指揮官を放棄しないこと

2016-09-22 19:28:09
島の人Part2 @simasyodes

連合艦隊は「捷一号作戦警戒」を発して南西方面艦隊長官三川軍一中将にダバオの敵部隊撃滅を下令した。

2016-09-22 19:28:28
島の人Part2 @simasyodes

第26航空戦隊司令の有馬正文少将は零戦89機、彗星9機、99艦爆3機からルソン島クラーク基地からセブ島に自らも出撃して移動した。(後に戦死)

2016-09-22 19:28:42
島の人Part2 @simasyodes

「ダバオに上陸した敵部隊」を叩こうと呉にいた連合艦隊から捷一号作戦が発令され空母千歳、千代田、戦艦伊勢、日向に出撃準備、リンガ泊地にいた第一遊撃部隊(戦艦大和、武蔵ら)も出撃できるように待機していた。

2016-09-22 19:29:04
島の人Part2 @simasyodes

9月10日16時30半頃、ようやく「誤報」とわかり関係各所に伝達された。連合艦隊司令部や一航艦司令部はガックリくる。

2016-09-22 19:29:21
島の人Part2 @simasyodes

9月11日「誤報」に移動させていたマクタン島に20機、ルソン島ニコラス基地に40機と航空隊を呼び戻すことになった。

2016-09-22 19:29:49
島の人Part2 @simasyodes

9月12日セブ島には移動していた機体が100機あまりいたが「誤報」続きで警戒状態にあった部隊も「やれやれ」と「警戒解除」になった。解除となった8時頃である。

2016-09-22 19:35:20
島の人Part2 @simasyodes

レイテ島東方から米機動部隊は攻撃隊を発進させた。レイテ湾口のスルアン島には海軍監視所があったが米軍機を電探は発見できず、目視で編隊を確認したがセブ島には伝達されなかった。(通信機の出力が弱かったとも)

2016-09-22 19:35:53
島の人Part2 @simasyodes

セブ島上空はスコールが止んだばかりでまさに雲の谷間から米軍機が現れた「奇襲」となり、地上にいた日本軍機は為すすべもなく撃破された。

2016-09-22 19:36:15
島の人Part2 @simasyodes

9時過ぎから17時まで米軍の激しい空襲が続き、もはや貴重航空戦力である海軍一航艦は約60機、 陸軍第四航空軍は65機が破壊され艦艇13隻輸送船11隻が撃沈され日本軍は「比島決戦」の前に壊滅した。

2016-09-22 19:36:48
島の人Part2 @simasyodes

一航艦は250機あった機体は後の台湾沖航空戦(これも大誤報)もありほぼ破壊され(最終的に約30機)誤報と惨敗に長官だった寺岡謹平中将は解任され、大西瀧治郎中将が後任となる。残された僅かな機体で取れる策がやがて「特攻」となる。

2016-09-22 19:37:14