「キャラクター」とは「戦争責任」である論

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nazenazeboy @nazenazeboy

この訴訟で注目されることによって、540万は広告費としては安くなったという逆説。 / 「くまモン」デザイナーに発注のロゴ540万円は高すぎ? 「30万円が適切」奈良の住民訴訟に批判も (ハフィントンポス... npx.me/PW1E/127DM #NewsPicks

2016-09-22 17:44:05
uroak_miku @Uroak_Miku

1)日経「私の履歴書」が今日も面白い。吉野家が池袋でこっそり店を開いて新商品の反応を確かめていたら客から「吉野家の味をまねるなんてふとどきな!」と詰め寄られて、吉野家ブランドの強さを知ったという。このブランド力あっての新商品だと実感したそうです。これは面白い論点を提示する。

2016-09-23 15:03:45
uroak_miku @Uroak_Miku

2)大正時代に京都の銭湯どうしが「のれん権」をめぐって裁判で争った。詳細は省略。のれんには集客力がある以上、ただの布切れではなく特許とか商標に連なる知的財産と考えるべきだという争いで、大審院(今の最高裁)も認めたのがこの「のれん権」。

2016-09-23 15:08:40
uroak_miku @Uroak_Miku

3)英語だと goodwill といいます。例えば私が吉野家を完全買収するとして、吉野家というブランド力にそって買収額もうんと高くなるわけです。「吉野家」というだけで客が来てくれるから。

2016-09-23 15:10:52
uroak_miku @Uroak_Miku

4)日本でまんがキャラクターが知的財産とみなされるようになったのは、日本製テレビアニメをアメリカのテレビ局に売る際に契約書にそういう条項があって、日本側が「どうやらのれん権と同じ考え方みたいだぞ」と気が付いたのがきっかけです。前に何度か論じたとおりです。

2016-09-23 15:12:57
uroak_miku @Uroak_Miku

5)ただのふりかけでも、袋にサザエさんの顔が印刷されると売上が伸びる(と思う)となると、サザエさんというキャラクターに集客力があるわけで、つまりのれん権を認めるべきだとされたのです。

2016-09-23 15:14:49
uroak_miku @Uroak_Miku

6)『サザエさん』というまんがではなく、サザエさんというキャラクターそのものにのれん効果がある。ここをごっちゃにしないよう気を付けてください。

2016-09-23 15:15:57
uroak_miku @Uroak_Miku

7)この考え方は応用が効く。例えば「東京大学」という名前にものれん権を認めることが理論上はできるのです。

2016-09-23 15:19:14
uroak_miku @Uroak_Miku

8)「集客力があるのだから他人に無断で使わせない権利を認めろ」という理屈です。ただ現行の法律ではカバーしきれないので、どの国でも商標権とか意匠権とかほかいろいろな法的権利を組み合わせることで正当化しています。ミッキーマウスなんてまさにそうです。

2016-09-23 15:21:31
uroak_miku @Uroak_Miku

9)「著作権法でミッキーマウスは守れるジャン」 ところがそうはいかない。著作権法で守れるのはミッキーマウスの「作品」であって、ミッキーマウスという「キャラクター」を守ってくれるわけではないから。

2016-09-23 15:23:46
uroak_miku @Uroak_Miku

10)ウォルト・ディズニーの本音はこうです。「うちのミッキーを使えば客は来るし商品だって売れる。つまり現実問題として知財じゃんか。法律でカバーしきれないなんて反論はナンセンス!」

2016-09-23 15:26:06
uroak_miku @Uroak_Miku

11)そこでこういう理屈を言い出した。「ミッキーは fanciful character なのだ。FCって何だって?がたがたいうなFCなんだから守られねばならないんだ!」  fanciful character と名づけをして、それで世界各国で押し通した。

2016-09-23 15:28:35
uroak_miku @Uroak_Miku

12)「fanciful character は俺の造語だ。それがどうした。FCは知財だ貴様らわかったか!」と世界各国で押し通した。逆らうものにはどの国でも容赦なく裁判を仕掛けた。そうやってだんだんとFCを法理論として世界中に浸透させていった。

2016-09-23 15:31:19
uroak_miku @Uroak_Miku

13)日本では「キャラクター」と呼ばれるようになった。法理論ではうまく定義できない概念をとりあえず「キャラクター」と呼ぶことで、現実の商社会との折り合いをつけた。

2016-09-23 15:34:01
uroak_miku @Uroak_Miku

14)うまく定義できない(定義なんかすると融通が利かなくなる)からこそ、まず名前をつけた。「萌え」とか「センス・オブ・ワンダー」とかと同じ。

2016-09-23 15:35:50
uroak_miku @Uroak_Miku

15)「戦争責任」もそうですね。これ実は法でも条約でもきちんと定義されたことがない。そのためことばが独り歩きして、時代によって解釈が変わっていく。

2016-09-23 15:37:26
uroak_miku @Uroak_Miku

16)キャラクターが自律化する現象は、ちょうど「戦争責任」の解釈が論者によって時代によって他いろいろな現実社会の変動によって変わっていくのとよく似ている。

2016-09-23 15:38:51
uroak_miku @Uroak_Miku

17)後日また論じてみます。

2016-09-23 15:41:31