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葛西臨海水族園のクロマグロは「サバ科」の魚。しかし、サバ科に含まれる魚たちがどんな進化を経て、今のようにさまざまな種に分かれて来たのか、謎に包まれていました…というのも… pic.twitter.com/Uwkv0UEVNy
2016-09-21 10:10:30サバ科の起源を探るのが難しかったのは、サバ科を含む分類そのものに、なかなか統一的見解がなかったからのようです。たしかに、祖先が違うのに同じ分類群にまとめられていたら、どうやって分かれてきたかを考えるときに混乱する…。そこで千葉県立中央博物館の宮正樹さんらは、さらに広範囲に調査。
2016-09-21 10:31:07宮さんらは、サバ科を含む「スズキ類」を対象に5,367種についてDNAデータを得た上で、100種以上を系統解析。サバ科に近いグループとして、従来の見解(タチウオ科やクロタチカマス科)に加え、12科についても近縁なグループとしてまとめあげました。この分類群を「ペラジア」と命名。
2016-09-21 10:33:41(ペラジアは、古代ギリシャ語[ペラゴス:海、大洋]から。タラソセラピー[海洋療法]のタラッサも海だし、オーケアノス[>ocean]はおもに外洋…?)
2016-09-21 11:32:22で、ペラジア類は深海でくらしていた。そこに、恐竜時代を終わらせた、白亜紀末の大量絶滅が生じた、と。だが、ペラジア類は深海で生き残った。その結果、ペラジア類の一部は外洋の表層域に進出していき…マグロ類やカツオ類やサバ類などへと種分化していった…
2016-09-21 11:36:11…そのペラジア類の進化について、葛西臨海水族園では2016年10月10日(月・祝)、宮正樹さんをお招きし、講演会「マグロの祖先は深海魚!──遺伝子で解き明かすマグロの過去と現在」を開催! お申し込みはメールで。東京ズーネットお知らせ☞tokyo-zoo.net/temp/news/2016…
2016-09-21 11:41:26また、講演会では、最近開発された「バケツ一杯の水で海や川にすむ魚種を判別する技術」についてもご紹介いただく予定です。バケツ一杯の水で…いかに種を見分けるのか…講演会申込は2016年9月29日送信分まで。お待ちしています! tokyo-zoo.net/temp/news/2016…
2016-09-21 11:43:28なお、発表後、さらに研究は進んでいますが、2013年9月の東京大学大気海洋研究所からのプレスリリース「マグロ・カツオ・サバ類は深海からの爆発的進化で生まれた」はこちら。わかりやすくまとめられています。 aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/…
2016-09-21 11:45:08葛西臨海水族園で2016年10月10日(月・祝)、宮正樹さんによるマグロ講演会「マグロの祖先は深海魚!──遺伝子で解き明かすマグロの過去と現在」、開催します! お申し込みはメールで☞tokyo-zoo.net/temp/news/2016… |ω•) 古典ラテン語読みですね twitter.com/TSMoon56/statu…
2016-09-22 10:52:30というわけで葛西臨海水族園での宮正樹先生の講演を聞かせていただくことに…。自己紹介の後に魚類とはなんだ、というところから説き起こし、DNAのしくみへ。DNAという物質が担う遺伝情報からわかること、それは系統や種分化である…
2016-10-10 14:19:28話は最尤法からベイズ推定へと進み、系統推定の方法が紹介され、ミトコンドリア分析のブレイクスルーへ。この辺は技術的詳細にまで入らずスピーディ…。そしてスズキ類のお話へ。
2016-10-10 14:20:09クロマグロを含むサバ科、そしてサバ科を含むサバ亜目に話は進んでいくのですが、従来サバ亜目とされていたカジキなどは研究の結果、アジ類に。それほど分類は混乱していた。
2016-10-10 14:20:47新発見のきっかけはイレズミコンニャクアシ(1科1属1種)。DNA分析したところマグロに近い…。そこで大量のデータを分析した結果、浮かんできたのが、これまで別々の分類群に属していた魚をまとめた分類群。これをペラジアと命名。
2016-10-10 14:21:13DNA解析によりまとめられた分類群とはいえ、形態や生態に共通点は?と考えたところ、みな「外洋に適応した体や生活」をしている。
2016-10-10 14:21:59ここで白亜紀末に注目。つまり恐竜が絶滅した時代。大型の捕食性魚類も絶滅したようだ。そこに深海から上昇し、空いた生態環境に進出したのがペラジア類である、と。
2016-10-10 14:22:36新しい環境に進出したペラジア類は急速な種分化を果たした。その結果、現在見られるような、ペラジア類における多様性が生まれたのだろう。マグロもその進化の結果生まれた。しかし…
2016-10-10 14:26:01先生は日本のマグロ漁業の問題も指摘。将来に向けて、マグロがいなくならないように…。とここで休憩が。後半はDNAバーコーディングのお話ですね。
2016-10-10 14:29:52(先ほどのツイート、イレズミコンニャクアシに濁点が抜けておりました。正しくはイレズミコンニャクアジ。失礼しました…)
2016-10-10 14:31:01さて後半ですが、演者の宮先生も半信半疑だった環境DNA。調べてみたらすごい結果が。つまり、水の中にDNAが漂っている。「情報だだ漏れなんですね〜(笑)」とおっしゃる先生。
2016-10-10 14:34:311種だけではなく、複数の生物が存在する環境水を調べることで、一挙に分析が可能(⊙ω⊙)というメタバーコーディングと呼ばれる手法。宮先生はそれを精密化するための技術を開発。
2016-10-10 14:40:45環境水を取得→濾過→濾紙上でDNA抽出→ペアエンド・ライブラリ作成→ペアエンドシークエンシング。美ら海水族館の大水槽の水10Lを分析してみところ…97%の精度で一致。驚いたのは南極の生物もなぜか検出。調べてみるとジンベエザメの餌のナンキョクオキアミでした…
2016-10-10 14:49:28なかなか分析しづらい種(それも重要水産種)もありますが、プライマーをチューニングすることで、きれいな結果が得られます、とのこと。葛西臨海水族園の水槽の分析例も紹介されました。
2016-10-10 14:54:43いよいよまとめ…。ウナギの産卵研究など、さまざまに応用できる手法ですが、その可能性は広大(「日本からシーラカンス確認されるんじゃないかな…」とおっしゃる宮先生)。魚類だけではなく、さまざまな生物に応用できるはず、とのこと。
2016-10-10 15:00:06「いるいないかはわかるけど、生物の数はわからないの?」との疑問に対しては、ある程度のレベルで多い少ないはわかりますよ、との解説。「マグロ研究にも大いに応用できます」との言葉で講演は結ばれました。ありがとうございました。
2016-10-10 15:04:55