お蔵入りうつたか話『ライラックノクターン』

お蔵入りしたねたのまとめ
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シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 香る鉄道、うつ高バージョン『ライラックノクターン』 恋をすると鉄道は花の香りを撒き散らす。これは人が定めた不条理だった。しかも本人には知覚できず、その恋を向けられた唯一のみが理解する、嘘を鉄道に許さない上に、逃げることも許さないそんな恐ろしいものだった。

2016-10-22 22:12:47
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 過去に東北本線、さらにその前には二区と呼ばれた宇都宮からは金木犀の香りがする。正確に言えば金木犀によく似た香りだ。それはみなが知っている、つまりフェイクだった。立場ある本線に多い、それは恋を利用することを避けるために偽りの香りを纏う行為。

2016-10-22 22:16:54
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 人工の香りを纏うことで誰にも心を悟られないようにする、そういう偽りのそれだ。もういつからか周囲も覚えていない、それくらい昔からかれはその香りをまとっていた。 対して高崎は。かれの片割れたる高崎はそれなりに重要な路線であったにも関わらず香りを纏ったことがない。

2016-10-22 22:18:46
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 闊達な彼から香りがするとすれば、風呂上りの石鹸だとか、それから相棒からうつったとでも言わんばかりの、金木犀のような香り。彼らが床を共にする仲なのは、暗黙の了解というものだ。ただし、それを宇都宮に言えば、かれはこう返す。 『僕はあいつの香りをしらないよ』

2016-10-22 22:21:07
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 つまりそれは、高崎の心が自分にないと宣言しているようなものである。そして高崎も言うのだ。 『宇都宮の香りなんてわからねえよ、いつも同じだから』 さてこの中に嘘がある。宇都宮か、高崎か。知らないよ、わからない、そう口をそろえて語る二人のうちに嘘がある。

2016-10-22 22:23:57
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 いつも香りを纏うひとり、体を重ねる相手の香りを知らないというひとり、体を重ねる相手の香りをわからないというひとり、本当の中の嘘、嘘の中の本当、嘘を重ねなければならなかった意味、嘘にしてしまった愚かさ。さてそれらは過去の百年という時のなかに置き去りにされている。

2016-10-22 22:29:20
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

@10NOAZU3 まずはそこからだ。はじまりのすべて、かつて恋をしていたひとりとひとり、それをしんじなかったひとり、うそにされてしまったひとり そうしてなくしたものをまず探す。 一区と二区、東北本線と高崎線の物語からだ。

2016-10-22 22:33:12
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

仰々しい始まりですが香りの設定でいうとうったんは金木犀の香りがするんじゃなくって、本当はヒイラギの香りです。花言葉は用心深さ、先見の明。保護。高崎はタイトルのとおり、ライラック。花言葉は恋の芽生え、初恋(青いライラック)、青春の喜び、無邪気(白いライラック)です。

2016-10-22 22:37:53
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

嘘というか本当になってしまった嘘の話です。宇都宮は高崎に恋をしているけれど、その恋が地獄の入り口だって知ってたし、弱いひとなので嘘で固めることにした。なによりも高崎に悟られないために。ちなみに宇都宮が恋に気がついたのは高崎の『春なのに、金木犀が咲いている』という無邪気な言葉でした

2016-10-22 22:49:36
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

即、宇都宮は金木犀に似た香を付け始めます。その時高崎からはなんの香りもしなかったことも、宇都宮が嘘をはじめた理由でもある。 そうして何年かたったあるひ、唐突に高崎から芳香を感じる宇都宮は喜びと絶望を味わう。このころ宇都宮は恋は自分達の関係を壊すものとしか思えなくなっていたから。

2016-10-22 22:51:56
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

高崎が宇都宮に『お前が好きだ』と言うたびに、あまやかなライラックの香りが強くなる。それこそが、高崎が真実宇都宮に恋をしている証なんですけど、頑なに宇都宮はそれを認めない。想いを重ねる高崎に『嘘だ』『君からはなんの香りもしない』 『僕だって君に恋をしていない』と言い連ねる。

2016-10-22 22:55:24
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

高崎はなんど宇都宮に否定されてなかったことにされても自分の感情を信じていて、そりゃもうすごく傷ついてるけどそれでも宇都宮に信じろって言う。信じるも何も、わかるしかないライラックの芳香に包まれて宇都宮も疲弊していく。宇都宮は高崎の傍にどうしてもいたいだけなのに、それを壊そうとする

2016-10-22 22:58:35
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

高崎の恋心が心底恐ろしくなる。そしてついに宇都宮は高崎に言う。そんなに自分が好きだというなら自分に抱かれてみてよ、君のことを好きじゃない自分に、って言うのです。それで君の香りがしたら信じるって言う。完全に高崎不利。言葉はなんとでもなる、それでも高崎はこれを断ることはできない。

2016-10-22 23:01:38
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

そうして結局一晩をすごすんですけど、明朝、うったんは高崎に言う。「きみからはなにも感じなかった」と。反対に高崎がお前からは、柊の香りがした、と今度は正しく言う。(ちなみに恋をされている鉄道と身を交じらすとその香りの根源がなんとなくわかる、という都合の良い設定があることを今暴露)

2016-10-22 23:11:28
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

でも宇都宮は言う。それは嘘の香りだ。自分はもう汗を流しても、長年つけていた金木犀の香が体に染み付いて消えないから、それを勘違いしているんだ。君がどういおうとも自分にはわかる、それはまやかしだ、嘘だ。 まだ温かい床のなかで、高崎は気付く。宇都宮は、高崎の恋が憎いのだと。

2016-10-22 23:15:14
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

こういうとき高崎は悲しいことに正しく宇都宮を理解してしまうのである。 ああ、ではこの恋は、ふたりでいるためにはあってはならないのだ、自分にとってではなく宇都宮にとって。理解した高崎は宇都宮が去った温かい寝床で、すこしだけ泣いて、それから自分の恋を殺したわけです。

2016-10-22 23:18:00
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

あ、しまったしまったここまで宇都宮と書いてますけどここまだ東北本線時代です、すいません過去ですよ過去。 で、高崎が恋を殺した。それはつまり宇都宮に恋をしていた記憶をすっかり亡くしてしまったということです。翌日、宇都宮はまるで一区の頃のような高崎の無邪気な笑顔に出会う。

2016-10-22 23:20:11
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

同時に、高崎からライラックの影が香りがなくなっていることに気がつく、それとなく一昨夜のことを尋ねるが、高崎は飲んでつぶれていたという、お前が世話してくれたんだろう、すまなかったな、と全てを忘れた顔で宇都宮に笑いかける。その笑顔に恋はなく、宇都宮は高崎のなしたことを理解する。

2016-10-22 23:23:34
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

自分のなくしたものと、過ちと高崎という存在の恐ろしさと、手を話されたと筋違いの憎しみとか、これで傍にいられると思うけれど、それこそ針の上を歩くような苦痛の路が始まると悟るのです。だって宇都宮はまだ高崎が好きなのだ。けど高崎の恋を殺したのは自分だからと、笑って高崎に返す。おはよう。

2016-10-22 23:28:52
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

と恐ろしいことにここまでがじょばんなわけですよ皆さん。多分これ書くので50枚くらいいくわけですよ、OK?ここから先は現代に飛んで、東北新幹線が宇都宮からいろいろ奪うにいたって、話が動き出すわけです。しかしてこの話をこのまま進めるには尾久駅をどこの地点に置くかも悩むところです

2016-10-22 23:30:59
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

尾久が世に出る前に考えてた話で、尾久が出てしまうとあららこれは成立しないアカンとなってしまったのです。 落ちは尾久と同じで、結局恋があるから高崎といずれ離れらければならないというのが宇都宮の恐れであったわけで(心が冷めるとかの他にもいろいろ理由は細かくあるけど)その解決として

2016-10-22 23:33:17
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

この心の始末は俺が必ずつけてやると高崎が宇都宮に約束するのです。お前が心変わりしても俺が心変わりしても、どちらの場合でもこの恋をなくすというなら、必ず自分がお前を殺してやると。そうして初めて宇都宮は心から安堵して、やっと自分の恋を高崎に告げることが出来たのです。

2016-10-22 23:35:15
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

そこから先は宇都宮はハイパーお気楽モードになるのであるwww(現在)自分がどうなっても。、高崎がどうなっても、自分が絶望する前に、高崎が殺してくれると確信したから。いまの宇都宮ののびのびとした高崎に対するアレは甘えなんですよっていう最終的には、リア充爆発しろいっていう終りなんです

2016-10-22 23:37:46
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

ちなみにこの高崎は本線の証たる刀ではなく、拳銃を所持。うつのみやを殺すとき、宇都宮の心変わりなら眉間を、自分なら心臓を、過たず撃ちぬく心積もりです。 いえ~~~い長い。粗筋かくだけで長い。だれか書いて私に読ませてください。長い。

2016-10-22 23:39:43
シュレディンガーの遠野 @10NOAZU3

オチが尾久駅とかぶってしまった時点でお蔵入りが決定したようなものです、ご本家至上主義。 これと青い鳥とどっちか書くか迷ってて青い鳥先にしたら尾久駅ショックでこっち先に出さなくて本当によかったとwww矛盾がwwwwいやせっていからして矛盾なんだけどほたなんか譲れないラインがwwww

2016-10-23 00:03:22