漫画家になるのに一番よい方法は「短い期間になるべく多く描く」事。
事務局長からの課題図書『コンテンツ教育の誕生と未来』(高橋光輝、ボーンデジタル)読了。これまで芸術系大学はエコシステム(生態系)+徒弟制度を教育のベースに専門教育(プロを育てる教育)を行ってきた。
2011-02-17 22:25:06しかし、これからはマーケティング視点を取り入れつつ、教養教育としての芸術教育にシフトしくことになるだろう。以上が要約。
2011-02-17 22:27:32一方で、「トキワ荘プロジェクト」という漫画家育成事業を4年半運営してきた若者支援NPOの経営者の立場から言うと、日本のコンテンツ系大学・専門学校は、残念ながらあまり機能しているとは言えない。
2011-02-17 22:35:12昨月発表した『漫画家白書』 http://ow.ly/3YciS でも、専門学校卒業よりも高卒の方がプロ漫画家へのデビュー率は高かった。
2011-02-17 22:35:23漫画家を育てる専門教育を謳うのであれば、まず枚数を描かせなければいけない。『漫画家白書』で明らかになった漫画家になるのに一番よい方法は「短い期間になるべく多く描く」だった。
2011-02-17 22:40:25実際にデビューしている漫画家へのアンケート調査(母数は228人)によれば、「平均253ページ」がデビューまでに描いた原稿量で、およそ1ヶ月に1作品のペースで描き上げている人が最も多い。
2011-02-17 22:44:35253ページなら、大学・専門学校在籍中に十分描ける分量である。専門学校なら24ページの漫画を8作品(1年次に2作、2年次に6作)、大学なら24ページの漫画を12作品を最低でも描かせてほしい。
2011-02-17 22:47:35それくらい描いて、担当さんも付かないようであればよっぽど向いていないか、長期戦を覚悟して一般的な就職をすることを考えた方がいいし、標準的な人であれば、担当さんくらいは付くだろう。勘がよければ小さな賞くらいもらってもおかしくない。
2011-02-17 22:51:03まず描かせる、ということをさせてほしい。それをしないで「教養教育」を謳うのは、受験生に対して申し訳が立たない。イマドキの学生は描かない、と教育関係者は言うかもしれない。しかし、それを描かせるのが教育者の手腕だ。そうでなければ、広報を変えた方がいい。
2011-02-17 22:56:42僕がマンガ学科の学科長だったら、4年間に500枚描かせることを学科の基本方針として、あらゆる正課・課外の教育活動をそれと関連付けていく。逆に言えば、500枚描けない理由を全てつぶしていく。具体的には技術、知識、モチベーションの不足を補う。
2011-02-17 23:01:15そして毎年、卒業生が4年間で何枚描いたかを受験生に公開する。『描かないマンガ家』 http://ow.ly/3YdGV という漫画が売れているが、これが一番よくない。
2011-02-17 23:05:39描けば才能がないことにも気付くから諦められる。描かなければいつまでも『俺はまだ本気出してないだけ』 http://ow.ly/3YfyB 。まだまだコンテンツ教育は「専門教育」を掘り下げる必要がある。その上での「教養教育」なら僕は大賛成だ。
2011-02-17 23:41:26