- Takano514114
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クライド・バロウのBARは極端な事例ですが、あの時代の武装強盗がずいぶん「携帯性に優れ火力が大きい武器」に執心していたのは間違いありません。デリンジャーのマシンピストルはいい例でしょう。
2016-10-31 14:06:28ギャングの殺し屋、武装強盗の得物の定番といえばトミーガン……という感がありますが、実のところ一番よく用いられたのは銃身を切り詰めた散弾銃でした。かの狂乱の20年代、最もポピュラーな凶器だったといえます。
2016-10-31 17:32:32クライド・バロウも、ジョン・デリンジャーも、その他大勢の悪党も、ソウドオフ散弾銃の愛用者でした。多くは水平二連を改造したものでしたが、中にはポンプ式や自動式を改造した凶悪なものもありました。
2016-10-31 17:34:18ソウドオフ散弾銃は、携帯性に優れ、なおかつ激烈な火力を発揮する恐ろしい武器です。西部劇の時代から用いられてきた凶器であり、その凶悪さから忌み嫌われてきた代物でもありました。
2016-10-31 17:37:09ソウドオフ散弾銃にせよ、クライド・バロウのBARにせよ、近接戦闘に特化した武器といえます。バロウが特製大型弾倉を用意したのも、そうした用途を意図してのことであるのは明白です。
2016-10-31 17:43:01先日も言いましたが、米軍当局が1931年に、保管していた65000個のピダーセン・デバイスのほとんどを一斉処分したのも、こうしたギャングたちへの流出を防ぐためであったと言われています。
2016-10-31 18:12:23ピダーセン・デバイスはそれ自体はとても小型です。つまり持ち出しやすい。そしてM1903ライフルに簡単に組み込めます。M1903の入手はそれこそ容易でしょうから、二者が組み合わさればたちまち厄介な自動火器のできあがりというわけです。
2016-10-31 18:14:19なおのこと厄介なのは、ピダーセン・デバイスの弾倉が40連だということです。トミーガンの一番小さいドラム弾倉が50連ですから、それより10発少ないだけ。トミーガンの20連箱型弾倉と比較すれば2倍の容量です。セミオートとはいえ、発揮しうる近接火力は侮れません。
2016-10-31 18:17:38当時のギャングが、新時代の武器である短機関銃や自動小銃に注目していたのは、ユニークであり、また当然のことともいえます。いつの時代も、目端の利く人間が最新のテクノロジーを活用するのはよくあることです。
2016-10-31 18:24:03トミーガンやBAR以外でギャングに愛用された自動火器としては、ウィンチェスターM1907自動小銃が挙げられるでしょう。.351口径の軽快な自動小銃で、スポーツ射撃・狩猟用として当時人気のある銃でした。
2016-10-31 18:26:29禁酒法時代の有名なガンスミス、ハイマン・S・レブマンは、ジョン・デリンジャーをはじめとする複数のアウトローの求めに応じ、M1907を改造して効果的な市街戦用武器をこしらえました。
2016-10-31 18:32:26主な改造ポイントは二つ。①トミーガンのフォアグリップをフォアエンドに取り付ける、②カッツ・コンペンセイターの装備。さらにいくつかの個体はフルオート射撃もできるように改造されたといいます。
2016-10-31 18:34:37これは恐るべき武器でした。トミーガンよりも射程が長く精密な射撃が可能、BARより取り回しがよい。.351口径弾は30-06ほどのパワーはありませんが、人間を倒すには十分で、トミーガンの45口径弾などこれに比べたら赤ん坊のようなものでした。
2016-10-31 18:38:41レブマンのアイデアは現代のタクティカル・ライフルに通じるもので、その慧眼には戦慄すら覚えます。20年代のアウトローは、図らずも100年後を先取りするような武器を手にしていたのです。
2016-10-31 18:43:15一方、これに対峙する警察も、相応の武器を用意せねばなりませんでした。しかし散弾銃では威力はともかく射程が話になりません。同等の性能のライフルが必要なのは明らかでした。
2016-10-31 18:50:53