レガシー/レッテル/責任

今朝のyoshihirohoriiさんのツイートをまとめました。 不備、不具合あったら言ってください。
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堀井義博 @yoshihirohorii

01/52 : ツイッター的な時間の流れの感覚の中で、丸1週間以上何もツイートしていないと、まるで仮死状態にでもあったかのような気分になったりするのだが、こういう勘違いこそが、基本的に僕が最も避けたいと思っていることであったりする(なので半ば意図的に1週間空けてみた)。

2011-02-23 06:47:33
堀井義博 @yoshihirohorii

02/52 : さらに、1週間以上も前のことについて書くとなると、もはや遠い昔の話でもしているかのような気分にさえなったりするわけだが、これまた大いに間違った感覚で、むしろこの錯誤が蔓延していることこそが問題だと考えるべきだと思う(なので今さら1週間以上前のことについて書く)。

2011-02-23 06:47:41
堀井義博 @yoshihirohorii

03/52 : ツイッターに溺れていると、そうした「当然」をつい忘れる。自分が情報の最先端と同期しているかのような気になり、他が見えなくなる。というのは、先日の朝生でホリエモンが晒した醜態を見れば容易に理解できる。 http://youtu.be/qipbTNs2ul0

2011-02-23 06:47:47
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堀井義博 @yoshihirohorii

04/52 : 番組での彼の発言によると、ツイッターと国連があれば国防や安全保障などは必要ないし、そういうのは過去の「古くさい」世界観だという。ハア?「パルプフィクション」のブレット君のような目にでも遭わないと現実を理解できないのだろうか。

2011-02-23 06:47:56
堀井義博 @yoshihirohorii

05/52 : アラブ圏で連鎖している革命は、未だに懲りない団塊の連中を手放しで興奮させたようだが、その現場で発生している殺人や集団レイプなどの生々しい事件の数々については無関心らしい。体制をひっくり返せるなら何でもアリというワケだ。無関係な対象を無責任に壊したいだけ。野次馬。

2011-02-23 06:49:23
堀井義博 @yoshihirohorii

06/52 : サイバースペースは回線を切ったら終わり。プラグを抜いたら終了。電源を抜いたら消滅。ハンマーや斧でぶっ叩いたら再起不能なんです。すぐです。一瞬です。とてつもなく脆弱。こんなことは「当然」なの。問題がないから言及されないのではなく、常識すぎて誰もそれを言わないだけ。

2011-02-23 06:49:30
堀井義博 @yoshihirohorii

07/52 : さて。ツイッター的には遠い昔のことのように感じられつつも、客観的には(そして「現実」には)長くも短くもない11日前の土曜2月12日の件について書いておきたいことがある。具体的には東京理科大での講評会に参加させてもらった時に感じた違和感について書く。

2011-02-23 06:49:40
堀井義博 @yoshihirohorii

08/52 : これは、藤村龍至君 @ryuji_fujimura が、彼の目で見た当日の様子をツイートしているのを目にして、それが僕の目で見た様子とは違っていたからだ。だから書いておく必要を感じた。その彼のツイートはここら辺りから → http://p.tl/yPf0

2011-02-23 06:49:55
堀井義博 @yoshihirohorii

09/52 : 大雑把な流れは、藤村君がツイートしている通り、11案中、藤代案と真崎案に票が割れ、最終的に藤代案に票が大きく傾いて決着が付いた。僕も2度目の投票までは両者に票を入れていたが、最後の1票は真崎案に入れて負けた。これは事実。

2011-02-23 06:50:05
堀井義博 @yoshihirohorii

10/52 : しかし、僕が議論の間中モヤモヤと感じつつも、結局その場ではっきり「それ」と確信できなかった違和感に、後になって気付いた。それは現場で藤村君が連発した「レガシー」発言への違和感だ。彼のサマリからは、彼自身のこの発言がスッポリ抜け落ちていることも興味深い。

2011-02-23 06:50:10
堀井義博 @yoshihirohorii

11/52 : が、この「レガシー」発言は彼の発言であり、当日の議論の現場では、実に、彼以外の口からは発せられていない。そしてその時の僕がモヤモヤと感じた違和感というのは、まずは、ここに集中している。

2011-02-23 06:50:17
堀井義博 @yoshihirohorii

12/52 : どういうことかと言うと、藤村君は、真崎案(と、多くの他の案)に見られる、太陽とか光とか雨とかいう自然現象は、建築にまつわる「レガシー」な問題であり、1995年以降の現代は、そういうものを主軸にして建築を考えて行くことには限界を感じる、というお得意の指摘をした。

2011-02-23 06:50:22
堀井義博 @yoshihirohorii

13/52 : これを彼自身の態度表明としては理解できても、自然現象を「レガシー」と呼ぶことは、多分に印象操作的でレッテル貼りじゃないか、というのが気になるわけだ。しかもそれは、ただ言葉尻を捉えて言うのではなく、「それ、根本的に間違ってないか?」という意味で気になるのだ。

2011-02-23 06:50:26
堀井義博 @yoshihirohorii

14/52 : とかく「○○2.0」と命名したがる藤村君が「レガシー」という語を用いるとき、特定のコンテクストを借用してこの語を使用していることは明白で、本人も異論はないと思う。で、その特定のコンテクストというのは、IT系の人々のコンテクストである。ここが問題。

2011-02-23 06:50:33
堀井義博 @yoshihirohorii

15/52 : IT系の人々のコンテクストにおける「レガシー」という呼び名の含意は「過去を引きずった」「今後は消え行く(はず)」の、今日においては「お荷物(となりつつある)」部分一般を指す。そしてそれらは「死に逝く"べき"」技術を指す呼び名であり、多くがしばしば蔑称である。

2011-02-23 06:50:41
堀井義博 @yoshihirohorii

16/52 : 一方、当日の議論で、藤村君が建築にとっての「レガシー」と呼んだ内容は、太陽だの光だの雨だのといった自然現象や、人間の身体といった要素であり、確かに「古い」問題ではあるものの、決して「消え行く」問題ではない。だからこの語の使い方に違和感を感じずにはいられないわけだ。

2011-02-23 06:50:46
堀井義博 @yoshihirohorii

17/52 : したがって、彼のそういう言い回しは、ちょっと穿った言い方をすれば、自分の言葉に酔っているという以上の印象がない。何故ならたんに使い方が「間違っている」から。今日的な流行の言葉を用いて何かをうまく説明したようでいつつ、実際には説明として「間違っている」わけだ。

2011-02-23 06:50:51
堀井義博 @yoshihirohorii

18/52 : 何故「間違っている」と、僕がここで断定できるかと言うと、「レガシー」という呼称が向けられた対象、すなわち太陽だの光だの雨だの身体だのと言ったものが、建築にとっては「お荷物」で、いずれ他の何かに「置き換えられる(べき)」要素である、とは絶対に考えられないから。

2011-02-23 06:50:57
堀井義博 @yoshihirohorii

19/52 : だから表現として「間違ってる」と断定できる。ではなぜその可能性は「絶対に考えられない」のか。この理由は、異論がある人もない人も、ぜひ自分で考えてみてほしい。僕には、説明をするまでもない、完全に自明のことだと思われるのだが、異論があるならそれを聞かせて欲しい。

2011-02-23 06:51:03
堀井義博 @yoshihirohorii

20/52 : で、この表現としての「間違い」が、一体どういう「質」のものであるかというと、勉強家の藤村君なら、僕がここでソーカルの名を出すまでもないと思う。まだ知らないけど興味あるという人は「アラン・ソーカル」で検索してみて欲しい。

2011-02-23 06:51:09
堀井義博 @yoshihirohorii

21/52 : 非常に興味深いと思うのは、史実によれば、ソーカル事件は、藤村君があちこちでしつこいほど繰り返して言う1995年のことだという点(発覚は翌1996年)。これはただの偶然の符合だと思うけれど、僕にはどうしても意味深長に思えてしまう。

2011-02-23 06:51:13
堀井義博 @yoshihirohorii

22/52 : ちょっと横道に逸れたが「レガシー」呼ばわりについて。「素朴な」要素を「レガシー」と呼んでクールに切り捨てるポーズを取ることは出来ても、あいにく、依然として雨は降るし、太陽がなければ人間は生きられないし、光がなくては空間を知覚できない人間がほとんどだ。

2011-02-23 06:51:18
堀井義博 @yoshihirohorii

23/52 : 古い議題が「タイクツだ」というのは、気分としては理解できても、それこそ気分的な問題にすぎないと思う。つまり、気分がそうだからと言って、解決できたり無くなったりするような問題ではなく、どんな気分だろうが関係なく、依然として建築の中心的課題として鎮座し続けるのだ。

2011-02-23 06:51:23
堀井義博 @yoshihirohorii

24/52 : 以上が11日前の議論の席で違和感を感じつつ、どうしても思い至らず、だけど本当は指摘すべきだったことの一つである。今さら言っても遅いのは当然だが、これは、まずは僕の論理的瞬発力の鈍さに起因する僕の落ち度であって、それ以外ではない。

2011-02-23 06:51:28
堀井義博 @yoshihirohorii

25/52 : その場で発言されなかったから、そんな問題は存在しなかった、ということにはならない、という意味である。ただその問題は「見過ごされ」た。僕には、あとひと息のところまで気付いていたが、結局突き止められなかったという責任がある。そして、同席した他の皆さんにも。

2011-02-23 06:51:33