@amnkLibya さんによるリビア情報

現地訪問・調査を重ね、リビアの部族主義について考察してきた @amnkLibya さんによるリビアの解説。本人にまとめるの嫌がられたら消します。 スタンスと注意事項は本人のTweetをよく読んで下さいね。一応、緑字にしておきました。また、話題が変わる度に、その話題を青字にしておきました。 リストへの追加は不定期なのでリアルタイムに情報を得たい人は素直に @amnkLibya をフォローしましょう!誰でも編集可にしてあるので、勝手に追加してくださって結構です。ただ、混乱しないようにほかの人の発言は入れていません。また、本人が考えてTweetしているはずなので情報の取捨選択はせず、重複以外は全Tweetリストに追加しています。
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@amnkLibya

リビア情勢がだいぶ緊迫してきて、それに伴って情報が錯綜している感があるので、ささやかながら情報を提供したいと思います。

2011-02-22 18:41:43
@amnkLibya

最初にお断りしておきますが、他の多くのリビア関連のツイートと同様、独断と偏見、不確定な情報にもとづいていることがあります

2011-02-22 18:44:49
@amnkLibya

あと、この世には「ニュートラル」「客観的」な情報は存在しないと思いますが、恐らく多くの人にとって「親カダフィ」「親リビア政府」のように思える内容も多いと思います。

2011-02-22 18:46:37
@amnkLibya

何から手を付けばいいのか分かりませんが、まずは騒乱の最も激しいベンガジという都市とリビア東部地域について説明します。

2011-02-22 18:46:46
@amnkLibya

ベンガジは、1969年のカダフィによるクーデターの後に首都がトリポリに移されるまで、リビア(当時はリビア王国)の首都でした。当然、当時の王族やリビア東部の大部族、イタリアの植民地政策に抵抗した英雄を輩出したイスラーム教団の政治的・社会的基盤が非常に強かったわけです。

2011-02-22 18:51:19
@amnkLibya

だからこそカダフィとその同志達は、1969年の革命が成功した際に首都をリビア西部沿岸のトリポリに移したわけですが、それ以来ベンガジではリビア政府に対する不満がたまっているといわれています。

2011-02-22 18:52:16
@amnkLibya

2006年2月に起こったムハンマドの風刺画騒動(http://bit.ly/i9I5cI)に対する抗議デモが、最終的には体制批判に転じたように、首都トリポリの発展を前にして、ベンガジには政治的・社会的不満がたまっていたようです。

2011-02-22 18:59:31
@amnkLibya

つまり、ベンガジでの暴動は、単純に独裁的・非民主的な体制に対する抗議と民主化の要求というよりは、発展の集中するトリポリに対する不満、リビア東部を拠点とする部族勢力の政治的台頭の思惑などが、「民主化」の看板を借りて顕在化している状況だと考えた方が適切だと思われます。

2011-02-22 19:00:11
@amnkLibya

ただし、ベンガジの人々も、自身の立場を正当化するためのレトリックとして、「カダフィの独裁に対して立ちあがれ」「この国は腐敗している」「正義と民主化を!」といったメッセージをたくさん流しているわけです。

2011-02-22 19:02:31
@amnkLibya

では、首都トリポリの反政府運動の性格はどのようなものなのか?現時点での動きに関してはリアルタイムに確認してもらうのがベターだと思うので、隣国チュニジアでの反政府運動と同時期の、1月半ばに起こった騒動について概説します。

2011-02-22 19:06:56
@amnkLibya

1月10日 政府、食料品に対する税の撤廃を発表。 13日 カダフィ、セブハにおける政府会議に出席し、「リビアには充分な家が建設されており、家がない国民はこれらに住むことが出来る」と発言。

2011-02-22 19:08:38
@amnkLibya

13日~22日、カダフィの発言に関連し、リビア主要都市において、市民が無人の新築住宅を不法占拠する動きが発生。この問題は数日中に解決。 15日、カダフィ指導者のチュニジア国民向けTV演説。17日、カダフィ次男に近いリビア・プレスは、リビア軍を批判する記事を発表。

2011-02-22 19:11:59
@amnkLibya

話が前後しますが、ベンガジ、キレナイカ地域(リビア東部)における反政府運動が旧王制へのノスタルジーを一定の拠り所としているという思いは、暴動の現場にひるがえる旧リビア王国の旗を見て一層強まりました。http://bit.ly/g9m8Yy http://bit.ly/f1TKzS

2011-02-22 19:26:57
@amnkLibya

ご存知かと思いますが、チュニジアでの暴動の発端は、地方都市での若者の焼身自殺です。その様子を移した動画がFacebookやTwitterによってチュニジア全国に広まり、文字通り革命の着火剤となったわけです。

2011-02-22 19:28:29
@amnkLibya

その背景には、高い失業率、物価の高騰と貧困率の増大などによる国民の不満がありました。翻ってリビアを見てみると、確かにリビアでも高い失業率が問題となっていますが、リビアには国民が600万人程度しかおらず、国民の5分の1に当たる約100万人が公務員として国に雇用されています。

2011-02-22 19:29:10
@amnkLibya

リビアだけでなくアラブの産油国全般で見られることですが、肉体を酷使する重労働はアジアやアフリカからの移民に任せ、英語や専門知識も持たないままにホワイトカラーの仕事を求め、就職もせずに日々を送る若者がほとんどです。 日本の糞ニートと同じですね。

2011-02-22 19:32:49
@amnkLibya

つまりリビアの失業率の高さは、「職がない=働けない」のではなく「働きたくない」若者の多さに起因していると言えるため、失業率が暴動の引き金となったわけではないことが分かります。

2011-02-22 19:33:38
@amnkLibya

またリビア政府は、豊富なオイルマネーと少ない国民人口、かつての社会主義体制の名残から、各家庭に対し、失業中の成人男性の数に応じて月ごとに手厚い補助金を与えている(いた)と言われています。

2011-02-22 19:37:29
@amnkLibya

リビアは現在でも社会主義的な経済システムを引きずっており、食料品や生活必需品は大抵政府によって価格統制がなされているため、非常に安価で購入できます。ガソリンは1リットル当たり約13円と日本の10分の1ですし、教育費もほぼ無料です。

2011-02-22 20:02:31
@amnkLibya

参考:マーサー社の『2010年世界生計費調査 都市ランキング』によると、リビアのトリポリは中東で最も物価が低い(世界186位)とのこと。http://bit.ly/al0Vj4

2011-02-22 20:08:09
@amnkLibya

軽く補足情報。チュニジアの国民人口:1030万人、国土:16万平方㎞、人口密度:63人/平方㎞。エジプトの国民人口:8300万人、国土:100万平方㎞、人口密度:83人/平方㎞。リビアの国民人口:640万人、国土:180万平方㎞、人口密度:3人/平方㎞。

2011-02-22 20:13:48
@amnkLibya

この国土の広さと人口の少なさは、全国規模での反体制行動が多くの困難と破壊を伴うことを示しています。1969年にカダフィが同志達とクーデターを起こした時も、トリポリとベンガジの両方で同時に蜂起したことが成功の要因となっています。

2011-02-22 20:19:47
@amnkLibya

現在では、当然ですが1969年と比べて体制もより強化され、中央集権化され、軍事設備も高度化されています。特に空軍と情報機関の高官にはカダフィと同族の出身者が多いため、トリポリやベンガジといった大都市での反体制運動に対し、その鎮圧は徹底的になされています。

2011-02-22 20:21:36
@amnkLibya

ちなみに、先日も群衆に対して政府側が攻撃ヘリや戦闘機を用いて攻撃したといわれますが、これは恐らくカダフィにとって、同族の多い空軍が最も信頼のおける部隊であったためと予測できます。

2011-02-22 20:23:42
@amnkLibya

カダフィ個人に対する国民の評価はどうでしょうか。オイルマネーのバラ撒きのおかげもあり、ベン・アリやムバーラクのように、国民の貧困を改善しないままカダフィと家族だけが富を私物化しているという批判は、国内ではそれほど聞かれません。

2011-02-22 20:29:08
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