Twitterにて「感動した」「今年度で一番泣けた」「こんなに泣いたことは無い」感想が溢れてる本年度報知映画賞4冠作品「湯を沸かすほど熱い愛」に対する言いようのない違和感・嫌悪感を感じる人のための批評・解説まとめ

私自身もこの作品を見てモヤモヤして事を明確に文章化されててかなり安心できたのでまとめてみました。賞とか取らなかったら弱いものイジメみたいだから良くないと思ったけど四冠ならこのぐらいの反対意見は受け止めてしかるべきだとおもう。
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ニャーすけ @NyaasukeTheCat

『湯を沸かすほどの熱い愛』監:中野量太 今年俺が観た全映画の中で断トツの最低作であるのはもちろん、オールタイムワースト邦画のベスト3(他は『あぜ道のダンディ』『バクマン。』)にも堂々入選のある意味超メガトン級の愚作。この監督、デビューから本作までの十数年間マジで何を学んできたの?

2016-11-30 00:52:13
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

本作は素人目にも明らかな問題点が4つあり、以下はそれらである。 ①【演出・脚本の稚拙さ】 ②【ぼやけたテーマ設定】 ③【不愉快極まりない倫理観】 ④【監督の私的な異常性癖(?)】 これらについて、順に私感を書いていきたい。なるべく誰が読んでもわかりやすい文章になれば、と思う。

2016-11-30 00:52:20
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

初めは【演出・脚本の稚拙さ】であるが、まずは映画序盤の中心となるイジメ描写の数々。主人公の娘は制服を汚されたり隠されたりするが、そんな教員にもバレバレのイジメって今のずる賢いガキがするかなぁ? 発想が古臭ぇんだよ。イジメの最先端はやっぱ「学外でこっそり強請り」とかだと思うのだが。

2016-11-30 00:52:28
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

それ以上に醜悪なのが、イジメに立ち向かうために娘が取る「ある行動」だ。『リリイ・シュシュ』のつもりなんだろうけど、これじゃイジメや偏見が悪化するだけじゃない? それに普通に考えてそんな行動を取る生徒は異常だし、そうだとすれば(後述するが)母親が娘を精神的に追い詰めたことになるぞ?

2016-11-30 00:52:35
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

次に父親について。彼は完全に受け身のキャラとして登場し、後に妻への想いを取り戻すが、なぜ彼が再び妻に惹かれたのかが不明瞭。はっきり言って病人に同情してるだけにしか見えないし、しかも散々苦労をかけた女性への贖罪がなんと組体操! あと「俺が支えるから」とか心情を台詞にしないでよ……。

2016-11-30 00:52:43
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

それにつけても本作はキャラの成長の描き込みが致命的に不足している。それだけでなく、作劇上の必然性を感じられない人物が多数登場してくる始末。父が連れてくる女児、探偵親子、ヒッチハイカーetc…。特にヒッチハイカーは子供の眼前で猥談に興じるボンボンのプーという不快感指数MAXのクズ!

2016-11-30 00:52:49
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

こういった連中がこれといった理由も必然性もなく勝手に登場しては勝手に成長していくので、感情移入は不可能だし全員キチガイがサイコパスにしか見えない。そんな薄っぺらなキャラクターやプロットから透けてくる言葉が「作り手の都合」。監督が駒としか思ってないんだからそりゃ血も通うはずもない。

2016-11-30 00:52:57
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

続けて【ぼやけたテーマ設定】。本作は最後まで観ても、監督が最も伝えたいことが一切わからない。母の愛? 娘の自立? ダメ夫の贖罪? 「家族」の意義? 「親子」の在り方? 死の克服? それとも人生そのもの?……もしかしたらこれら全てなのかもしれないが、観客に伝わらなければ意味がない。

2016-11-30 00:53:03
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

なぜこうもぼやけるのか? 答えは簡単、劇中で主人公が直面する問題が多すぎるんだよ! ざっと書き出すだけでも「癌」「イジメ」「店の再開」「家庭の再生」「“血”の真実」等々……。これらがそれぞれにほぼ無関係な独立したエピソードにしかなっていないので、ひとつの大きなテーマも描かれない。

2016-11-30 00:53:10
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

だから、本筋に絡まない余計なエピソードは捨てるべきだった。例えば、娘を登校させる代わりに家業を手伝わせる話にしていたら、娘が学校以外にも広い世界があることを知って成長し、イジメを克服することで家族の距離が縮まり、母も安心して死を受け入れる……というシンプルな語り口にもできたのに!

2016-11-30 00:53:17
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

そして【不愉快極まりない倫理観】。まずはイジメが発覚した際、母が娘に言う一言に顕著だ。「学校行きなさい」えっ、娘は傷ついてんのに!? 娘が布団に籠ったら叩き起こしてこうだ。「逃げちゃダメ!」あのねぇ、そうやって逃げられなかった子供たちって最後には電車に身を投げることが多いんだよ?

2016-11-30 00:53:24
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

何が不愉快って、浮気したタレントが視聴者からリンチを受けたり、ブラック企業の従業員が過労死したり、闘う必要もない外圧から「逃げ」られないことで苦しむ人々が増え続ける昨今、被害者の心を蔑ろにする古臭い根性論を美談として描いていることだ。本当は弱者に共感のない奴の映画だとよくわかる。

2016-11-30 00:53:31
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

また、娘の本当の母親であると判明する女は聾唖なのだが、彼女が娘を捨てた理由に反吐が出る。「娘の声が聴こえなかったから」はぁ? 耳がダメでも愛娘を観る目はあるし、抱きしめる腕もあるでしょう。この描写は完全に障害者と女性をナメてるし、感動のダシに障害を利用する神経にはもはや敬服する。

2016-11-30 00:53:42
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

最後に【監督の私的な異常性癖(?)】。早い話がこの監督、重度のロリコンなんじゃないだろうか。いや、別に性的嗜好は人それぞれだし、犯罪さえ起こさなければ誰が誰に欲情しても構わないとは思うのだが、そんな作家性(と思われても仕方ない描写)が映画のバランスを著しく乱しているなら話は別だ。

2016-11-30 00:53:49
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

まず、唐突に母が娘に子供用ではない下着を渡すシーンがあるが、別にそれが脚本上必須かと言えば「?」である。しかもこの母、こともあろうに「そういう時のために持ってないと困るでしょ」って、えっ、何? 中学生にセックス指南? もし俺が親父に余計なお世話でBVD渡されたらマジで殺すけどな。

2016-11-30 00:53:55
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

そして前述の、娘がイジメに対して取った行動とは「クラスメイトの面前で下着姿になる」ことであった。しかもその下着は……あっ! おかあちゃんがくれたオトナのブラジャーとパンツだ! マジで頼むから観客を劇場で気まずい気分にさせないでくれよ……どうせなら宮沢りえさんを脱がしてくれよ……。

2016-11-30 00:53:59
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

この子で済めばまだ良かったが、監督幼女にもイッちゃったね……。父の浮気相手の連れ子(ややこしい)が失禁し、さらにそのパンツを脱がされるシーンがあるのです。しかもよりにもよってその次の場面では一家がしゃぶしゃぶを食していた……なんだ、「ノーパンしゃぶしゃぶ」ってか? つまんねーよ!

2016-11-30 00:54:04
ニャーすけ @NyaasukeTheCat

と、まぁ散々憤ってきましたが、本当に、本っ当にズブの素人の映画(未満のゴミ)にしか見えないんですよねぇ……。それこそ中坊の映画少年が撮った自主映画と思えば微笑ましいのかもしれないが、本作は腐っても宮沢りえとオダギリジョーが出演してるんですよ? こんな俳優の無駄遣い、許されないよ。

2016-11-30 00:54:09