映画『エヴォリューション』“正しい”映画の観方について考えてみた

映画『エヴォリューション』2016年11月26日(土)より、渋谷アップリンク、新宿シネマカリテ(モーニング&レイト)ほか全国順次公開 http://www.uplink.co.jp/evolution/ とある島、 少年だけに施される奇妙な医療行為。まるで悪夢のような、 禁断のダークファンタジー。
7
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

『エヴォリューション』大ヒットで嬉しい!なんと予想外の中高生の方が多く観に来られています。ありがとうございます。今日は、原美術館の方に聞いたということで篠山紀信さんがご覧になり「最後までずっと怖かった」との感想でした。週プレでは20点と80点という極端な評をもらいました。1続く→ pic.twitter.com/BxDnP8Hzmn

2016-11-30 19:45:54
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

2続き→『エヴォリューション』映画の”正しい”観方なんてないが、映画を観終わって「わからない」という感想が多いので考えてみた。わかるというのは言葉で説明できることで、例えば冬の夕暮れの美しさを言葉を尽くして表現することは難しい。わかるということは意味を知り納得することで、続く→ pic.twitter.com/RaZV7BCc3z

2016-11-30 19:57:28
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

3続き→『エヴォリューション』スクリーンに映っているものには作者の意図があり、そこには意味があるという思い込みがあると、理解できないとわからないとなる。頭が良さそうな映画評は映っているものからメタファーを読み解き、解釈することだろう。その解釈が合ってるか間違ってるかは関係ない。→ pic.twitter.com/6CNpvURfEV

2016-11-30 20:05:07
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

4続き→『エヴォリューション』メタファーを読み解き解釈する行為自体が頭が良さそうな批評行為である。またスクリーンに映っているものを見つめるのではなく監督にフォーカスをあて、例えばアザリロヴィック監督はモロッコ出身で撮影地のランサローテ島はモロッコ沖のカナリヤ諸島で → pic.twitter.com/fYiyHolQHS

2016-11-30 20:13:01
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

5続き→『エヴォリューション』モロッコのカサブランカ(白い家)の色彩が大きな影響を与えていると読み解くのも批評の一つだろう。メタファーを読み解いたり、監督のことを知ったりすることは映画を観る楽しみの一つであり、映画をわかることの助けになる。でもそれは知識がないとできないことで→ pic.twitter.com/J7tPxP02Rj

2016-11-30 20:18:12
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

6続き→『エヴォリューション』今日も観に来てくれた中学生はどう観るのだろうか。観終わった少年たちに声をかけて感想を聞くと「すごい怖かったけど綺麗だった」。言葉にしてわかろうとするのではなく、自分が感じた感覚を言ってくれた。 ほとんどの映画批評や紹介は言葉でなされる。→ pic.twitter.com/RZiCFjVK3u

2016-11-30 20:23:55
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

7続き→『エヴォリューション』言語化して映画をわかろうとするのではなく、映画を観た感覚を体で思い留める、その行為の方が言葉で理解するよりも上位にくる映画をわかることではないだろうか。頭で理解したり、音楽などに簡単に反応する感情ではなく、「感覚」を映画鑑賞の最上位に持ってくる。→ pic.twitter.com/Dpl6wxZcZK

2016-11-30 20:31:08
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

8続く→『エヴォリューション』横尾忠則さんのツイートで読んだ記憶があるが「歳をとると体で覚えたことしか残らない」。読んだ本や、観た映画の内容は忘れても体験した感覚、感情ではない感覚だけが記憶に刻まれて残る。ハッピーは感情だが、怒りは感情が心身を傷つけ感覚となり忘れない。 pic.twitter.com/gxThtqKfaA

2016-11-30 20:37:34
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

9続→『エヴォリューション』感覚はワインのテイスティングよリも言語化しにくい。従って映画を観て「怖かった」「美しかった」という感覚をシェアしにくい。でもその自分しかわからないかもしれない感覚のバリエーションを豊かにすることが、人間としての個体の豊かさを獲得することだと思うpic.twitter.com/IgWjB4HQS6

2016-11-30 20:45:02
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

10続→『エヴォリューション』映画には、赤いヒトデがでてくる。少年はヒトデの5つの突起の一つを切ってしまう。5つの突起は動物の四肢と尾で少年は尻尾を切ってヒトデを人にしたのだなんて解釈も成り立つが、緑の画面に赤いヒトデは目立ち、綺麗で、突起が潰れた時は汁が出て来て気持ち悪い→ pic.twitter.com/GP5O14ht0x

2016-11-30 20:51:43
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

11続→『エヴォリューション』ヒトデを解釈することからそっと遠ざかり、自分の感覚に耳を傾けというか感覚を研ぎ澄まし、その感覚を思い留める。僕は『エヴォリューション』に於いては「映画感覚体験」という鑑賞法をお勧めしたい。わかろうとする、解釈する、意味を考えることから遠ざかり。→ pic.twitter.com/4Q9BHbmaC6

2016-11-30 21:01:46
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

12続く→『エヴォリューション』感情は時にセンチメンタルで時に制御不能になる厄介なもの。人間は考える葦なんて言われ思考が最上位のようだが、大体なぜ自分は生きているのか、宇宙の全体像はいくら思考してもわからない。でも朝起きた時、あっ、今日も生きてると感じることはできる。 pic.twitter.com/O0C9kmsJuL

2016-11-30 21:07:41
拡大
浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi

13続→『エヴォリューション』生きてるという感覚の種類が増えれば増えるほど、生きることが豊かになり、楽しくなり、その生きているという感覚を持った人の個体はこの世の美しい存在なり得る。『エヴォリューション』を観る人は感覚でこの映画をわかってほしい。感覚を進化させる映画なのだから。 pic.twitter.com/SU4ua7a0al

2016-11-30 21:15:08
拡大