読解力って何?「読解の苦手な子」の原因を解きほぐす(O9Cさんの連ツイシリーズ5)
そろそろ連ツイ開始します。今回は読解力って何?という話についての私の考えなど。引用した問題の答えを考えつつ、読んでいただけたらと思います。 twitter.com/oqceeee/status…
2016-11-20 20:16:26たかしくんはお父さんの車の後部座席に座っていました。車が出発してしばらくした時に、たかしくんは前の座席におでこをぶつけてしまいました。 原因はお父さんがあることをしたからです。お父さんがしたことは以下のうちどちらだと考えられますか? 1. 急発進した 2.急ブレーキを踏んだ
2016-11-20 13:16:15私は度々、文章表現の話をしています。その理由として、文章はある程度訓練しないと読めないからだと思っているからです。 「文章を読む」ということについて、まずはちょっと考えてみます。 文章を読むためには、どんなことを理解している必要があるでしょうか。
2016-11-20 20:40:33まずは、ひらがな50音の形と音が一致していること。文章を読むわけですから、これは必須になります。 次に、単語の理解があります。 『犬が歩く。』という文章があったとして、『犬/が/歩く/。』というように、区切って考えられるかどうか。この単語の区切りは大切だと思います。
2016-11-20 20:46:22ここまで厳密でなくてもいいのですが、『犬が/歩く。』くらいに分けられる力が必要かと思います。 何故かというと、文章の「かかり」を正しく把握できることに繋がるからです。
2016-11-20 20:50:17bylines.news.yahoo.co.jp/yuasamakoto/20… この記事では、「係り受け」を適切に把握できない子どもたちがいることに触れられています。 係り受けとは、簡単にいうと『おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは山へ芝刈りに行きました』という文章があったとして、
2016-11-20 21:08:02「おじいさん」は意味の上で「行きました」にかかります。「おばあさん」も「行きました」にかかる。言い換えれば、「行きました」が受けています。つまり、「誰が、何をした」の関係です。 その他にも「山へ芝刈りに」も「川へ洗濯に」も「行きました」にかかる。今度は「どこで、何した」の関係。
2016-11-20 21:12:34これを適切に読み解くことが、「係り受け文の認識」ということになります。これはAIが得意な分野だと記事の中では書かれています。 ただ、これを理解できない子どもたちも調査上では上がってきている。 この部分に難しさを示す子がいることは私も実感しています。
2016-11-20 21:15:18その原因の一つに、前のツイートで書いた単語を区切る力の不足があるのではないかと考えています。 もう一つの原因として「長文を読むことに耐えられない」というのがあると考えていますが、それは後ほど。 さて、関係してくることですので、ちょっと音読の話をします。
2016-11-20 21:17:34声に出して読むだけであれば、字の認識に困難がない場合、読解よりも簡単です。何故なら50音のひらがなと漢字の音さえわかれば、あとはその通り声に出せばいいからです。「ある所におじいさんとおばあさんがいました」という文章を「アルトコロニオジイサントオバアサンガイマシタ」と声に出すだけ
2016-11-20 21:21:53しかし、音読をするときは「ある所に/おじいさんと /おばあさんが/いました」というように区切って読むのが普通です。これは何をしているかというと、単語を区切って声に出すことで、単語を認識しやすくする役割があるのではないかと考えられます。もちろん、音読には他の役割もありますが。
2016-11-20 21:25:17文章の係り受けの理解が難しい子たちの中には、音読の時にも区切って読むことが難しい子たちがいます。文章の中の単語の関係性をオートマチックに意識するのが難しいのかなと思っています。短い係り受けの文章の把握から慣れていくことで、理解を促せるのかと思います。
2016-11-20 21:31:34あとは、係り受けの関係について中学以後はほとんど国語のなかで触れられていないような気もしますので(教えて国語科の先生)、もう一度学び直せるようにするのも必要だと思います。
2016-11-20 21:33:22読解を考えるということで、「文字が読める」ことと「単語が区切れる」こと、それが「係り受けの理解」に繋がることについて書きました。この3つはテクニックなんですよね。覚えれば使えるというものです。 次に挙げるのは、それとは別で経験やイメージに関わるものです。
2016-11-20 21:36:07冒頭の問題を覚えているでしょうか? あの問題は、「経験」「イメージ」どちらも使います。あるいは、イメージだけで解ける方もいるかもしれません。 答えは「急ブレーキを踏んだ」です。 何故だかわかりますか?
2016-11-20 21:42:54たかしくんは「おでこ」を「前の座席」にぶつけている。つまり、前に向かってつんのめっているわけです。 これがイメージできるかどうか。 これには車内のイメージができること、後部座席の前に運転席と助手席があり、その後ろにたかしくんという位置関係がイメージできるかが一つ。
2016-11-20 21:45:41ここから先は、経験も関係します。 例えば、電車に乗っていて、電車が動き出した時体はどちらに引っ張られたのか。減速時にどちらに引っ張られたのか。体感感覚を引っ張ってくることも時には読解に必要になります。 または、慣性の法則から得たイメージで考えることも可能でしょう。
2016-11-20 21:50:10ただ、ここでいうイメージは「この人の気持ちを答えよ」というものではなく、推理や論理的思考に近いものになります。
2016-11-20 21:52:38長くなりそう……。ちょっと分けます。読解を「キーワードやテクニックで読解をしちゃダメなの?」って話をしたかったのですが、これはまた来週やりたいと思います。
2016-11-20 21:54:26ちょっと早いですが、今週の連ツイを始めます。 テーマは「文章題でキーワードをつかってはいけないのか?」です。
2016-11-27 19:57:53文章題のキーワード解きをご存知でしょうか。 例えば、『赤い鉛筆が5本、青い鉛筆が7本あります。鉛筆は全部で何本あるでしょうか?』という問題があったとします。この場合の「全部で」がキーワードになります。
2016-11-27 20:01:23