江戸期随筆での円盤・宇宙人話の出典と、円盤・宇宙人話としての初出
ものすごくどうでもいいことのような気もするが、日本の円盤研究史的に調べたい事:誰が、いつ、どこで、どの出典から、「うつろ舟の蛮女」を江戸時代の円盤事件だと言い出したのか?『江戸「うつろ舟」ミステリー』(加門正一 楽工社 2009)にもこのことについては書いてなかったような…
2011-02-27 23:35:43@magonia00 不義の女とその間男の生首を閉じ込めて流すという、「淀の成敗」の話として捉えるなら、『鸚鵡籠中記』の元禄十二年(1699)の尾張熱田沖に流れ着いた記録が古い方みたいですね。間男に執着する不義の女の奇談に注目すると17世紀初期まで記録が遡ります
2011-02-27 23:44:55大抵の円盤本では、この話を『兎園小説』か『梅の塵』から引用してるのですが、そもそも誰がどのテキストからこの話を持ってきて「円盤の漂着事件だ!」と言い出したのか、ちょっと調べてみたいと思っております。どんな想像力がこの説を生み出したのか、興味があります @tei_kou
2011-02-27 23:49:57気にし始めると、日本の円盤業界で「定説」とでも言うべき幾つかの主張がいつごろ、誰によって、どのように出てきたのか、のは気になる。遮光器土偶を宇宙人だとみなすのはデニケン以降なのか、それともそれ以前からあった物言いなのか?とか。円盤研究史への科学哲学・科学史っぽい視線と言うか。
2011-02-28 00:02:07@magonia00 @tei_kou 手元の資料を調べてみましたが、コズモ1974年4月号で斎藤守弘さんが「梅の塵」、「兎園小説」を元に円盤の漂着とお書きになっています。斎藤さんは「日本空飛ぶ円盤研究会」会員だったので、それ以前に機関誌に書いておられるかもしれません。
2011-02-28 01:27:47@magonia00 @tei_kou で、斎藤さんは「梅の塵」「兎園小説」の挿し絵それぞれと似た円盤の事例をあげて、それを根拠にしています。箱はカメラだろうとか、アダムスキーの会見した宇宙人がバンドしめたワンピースで、髪が銀色だったとか
2011-02-28 01:37:36貴重な情報ありがとうございます。「うつろ舟」は、私が子供のころ読んでいた幾つかの円盤本では既に普通に紹介されているトピックのひとつになっていましたが、もしご指摘の記事が初出だとすると、デニケンがブレイクしたのと同年になりますね。興味深いです。 @monogusa_t
2011-02-28 01:44:39部屋の中から『江戸「うつろ舟」ミステリー』(加門正一 楽工社)を発掘してきた。『江戸「うつろ舟」ミステリー』によれば、「うつろ舟」と円盤を関係付けて論じている記事で確認できた最も古いものは、1964年の『サイエンス・ノンフィクション』(齋藤守弘 ハヤカワ・ライブラリ)収録のもの。
2011-02-28 21:15:20齋藤氏は『サイエンス・ノンフィクション』(1964)の中で『梅の塵』の「空船の事」を紹介し、タイムマシン型UFOなのではないかと推測している、とのこと。先日の@monogusa_tさん情報の1974年記事よりもさらに10年前から齋藤氏はこの話を円盤と関連付けて語っているのか。
2011-02-28 21:20:15慶長十四(1609)年、駿府城の徳川家康の元に出現したという「肉人」の話(出典は『一宵話』)を宇宙人として捉える言説も言い出したのは斉藤守弘さんなのかなぁ(『コズモ』の記事を読みつつ)。肉人は話の中では「白沢図に出たる封」だと解釈されるけれど、ハイ・ストレンジネスな話ではある。
2011-03-02 00:40:50俺メモ:「肉人」の話は、江戸幕府公式の記録である『徳川実紀』では、手足に指の無い、襤褸を纏った蓬髪の乞食のような者が駿府城内に現れ、警護の者が捕まえて切り捨てようとしたのを家康が許して城外に追い出したというとても現実っぽい記録になっている、らしい。後で要確認。今日はもう寝る。
2011-03-02 01:55:00新番組『ダンボール戦機』観ながら『徳川実紀』のweb版を調べている。慶長十四(1609)年4月4日の条に、探している話があるはずなのだが…同日に起こったとされる、変な雲の話は確認できたのだが、その前にあるはずの例の「肉人」の(たぶん)真相の話が見つからない。落ち着いて観れないw
2011-03-02 19:33:53と思ったら前じゃなくてその後にあった!見つかった!「四肢に指なき者弊衣をまとひ髪をみだし。青蛙を食しただずみいたり…」これだ、間違いない。よし、これで落ち着いて『ダンボール戦機』観れるお!観終わったら『徳川実紀』の話を報告します。チャンネルはそのまま!(口から泡を飛ばしつつ)
2011-03-02 19:39:23「(前略)又駿城の前殿庭上に。四肢に指なき者弊衣をまとい髪をみだし。青蛙を食しただずみゐたり。近習の輩大にあやしみ搦取て誅せんとす。かかるを聞召て。罪すべきにあらずとて追放たる。(後略)」 『徳川実紀』第1冊第1編 慶長十四年四月四日の条 http://bit.ly/gIaRwy
2011-03-02 20:03:50適当訳:「また、この日駿府城の前殿(徳川家康)の庭に、四肢に指の無い、襤褸を着て蓬髪の者が、青蛙を食べて佇んでいた。近習の者たちは大変怪しがり、この者を捕えたので殺そうとした。家康公がその事を聞き及び、罰するまでも無いとしたので、この者を城外に追放した」 これはこれで奇妙な話。
2011-03-02 20:31:14この後は、「肉人」の話の出典である『一宵話』の方をあたってみなきゃならんな。『奇談異聞辞典』にはこの話は載ってないようなので、直接原典を参照するか。『一宵話』は日本随筆大成の第1期第19巻に収録されているようだな。神保町行ったときに探すか、密林あたりでバイヤーから買うか…
2011-03-02 20:43:22『徳川実紀』の「駿府城に指の無い乞食が侵入するも殺さずに追放」話がどこをどうやったら『一宵話』の「駿府城に『肉人』出現。実は『封』という仙薬だったが、知らずに山に捨てた」という話になるのか?というあたりを民俗学的に考察するのは誰かやってないのかしらね。どういう想像力なんだろう。
2011-03-02 20:57:25オデが確認したかったのは、「うつろ舟」ほどじゃないけど、日本の円盤本でよくあるネタ「徳川家康と宇宙人が駿府城で遭遇!?」の出典と、誰がこれを宇宙人だって言い出したのか、ってこと。出典は『一宵話』で、さらにそのモトは『徳川実紀』。言い出したのは現時点では斉藤守弘さんと思われる。
2011-03-02 21:04:08なんでこんなこと確認してるのか、というと、一つには後で誰かが「日本円盤研究史」みたいなことをやる時の参考というか、足がかり的なメモとして。マニアのトリビアとして知っておきたい、というだけではあまりにもタコツボ的で非生産的だと個人的には思ってる。別の何かに繋げるための基礎準備。
2011-03-02 21:11:53『日本史怖くて不思議な出来事』(中江克己 PHP研究所)という本があって、密林のなか見検索やグーグルブックスである程度読めるのだが、この本の第1章は「宇宙人の飛来か」というタイトルで、日本史上の奇談・異聞をUFO・宇宙人文脈で捉えて紹介している。別の章で寅吉も出てるな。
2011-03-02 21:48:59