ゲーム性とは何か、単純モデルで考える

「ゲーム性」とは何か。ここでは、その量的な面だけ抽出します。選択・分岐・事象の数をベースに、単純化したモデルを作成します。 もちろん、実際のゲームでは、質が重要になります。しかし、質で語ると個人の主観が反映されやすい。そこであえて、要素に分解します。
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しろうと @sirouto

Togetterのコメント欄で、そもそも「ゲーム性」とは何か、という問いがあったので、ゲーム性について考察したいと思います。 http://togetter.com/li/10748

2010-03-24 21:22:13
しろうと @sirouto

「ゲーム性」とは何か。ここでは、ゲーム性の定量的な部分だけ抽出して考察したい。そして、美少女ゲームにおける、ストーリー指向とゲーム指向を区分したい。

2010-03-24 21:28:06
しろうと @sirouto

まず、ゲームの定量的に比較できる部分だけ抽出する。ここでは、プレイヤーのクオリアは捨象される。注意すると、それはあくまでもモデル化のためであって、不要だということを意味しない。言うまでもなく、面白いかどうかは大事だ。が、その判断を下す前に、まず考察の土台を作りたい。

2010-03-24 21:31:15
しろうと @sirouto

ごく単純なモデルとして、ゲーム内の選択肢・分岐の数で、ゲーム性を計量しよう。完全に一本道のデジタルノベルと、選択肢で二つのエンドに別れるノベルゲームがあるとする。そのとき、前者は1で後者は2と、後者の方が選択肢が多いから、ゲーム性があるというわけだ。

2010-03-24 21:37:30
しろうと @sirouto

この総選択肢数で、異なるジャンル間のゲームを、順序付けられる。繰り返すとこれは、ゲームの質的評価は一切含まない、量的評価である。

2010-03-24 21:43:14
しろうと @sirouto

具体例を見てみよう。1.分岐が合流せず、樹形図状にルートが伸びるノベルゲーム。選択肢は15(EDは16)としよう。2.30日(ターン)の間、2つの行動から選択できるSLG。3.1分間の間、ボタンを押すとジャンプして、障害物を避けるアクションゲーム。

2010-03-24 21:51:20
しろうと @sirouto

分岐する事象数を比較しよう。1は16通り。2は30×2=60通り。3は60秒×60フレーム×2(ボタンを押すか押さないか)=7200通り。したがって、1<2<3の順に、ゲーム性が高いことになる。

2010-03-24 21:54:34
しろうと @sirouto

もちろん、これは単純化したモデルだ。可能な入力の上限しか考慮していない。実際にはたとえば、ジャンプ中にボタン入力を受け付けない硬直状態が発生するなど、ゲームシステムによって実質的な自由度も変わってくるだろう。

2010-03-24 22:00:27
しろうと @sirouto

この総選択肢数の考え方のみでは、受付可能な入力ボタン数の多いタイピングゲームは、たいていのアクションゲームよりも、ゲーム性が高いということになってしまうだろう。このモデルには、何が足りないのだろうか。

2010-03-24 22:07:09
ISA @koge2do

@sirouto タイピングゲームはキーの数が多いが、実質「正しいキーを押す」「間違ったキーを押す」「キーを押さない」の三択と考えれば

2010-03-24 22:13:13
しろうと @sirouto

@koge2do そうですね。そのかわり、指をどう動かすかという、身体を制御する部分に、ゲーム性とはいわないまでも、アトラクション要素がありますね。音ゲーなども、このアトラクションがプレイする動機になります。

2010-03-24 22:28:27
しろうと @sirouto

このモデルには、ゲームの操作性や戦略性が全く反映されない。だがそれでは、操作性や戦略性とは、どのように数値化すればいいのだろうか?

2010-03-24 22:15:22
しろうと @sirouto

ここでの操作性とは、実質的な選択肢の割合とする。実質的な選択肢というのは、名目的な選択肢のうち、プレイヤーが実質的に選べるものだ。

2010-03-24 22:18:41
しろうと @sirouto

ムリな操作をプレイヤーに要求しても、実質的に選択肢が機能しない。ナンセンスな例だが、ボタンが100個あっても、プレイヤーが覚えきれない。また、11個以上のボタンを同時に押せという要求は、手の指が足りなくなる。

2010-03-24 22:22:06
しろうと @sirouto

1秒間に16連打せよという要求も、機械を使わない限り、多くのプレイヤーが達成できないだろう。したがって、単に総選択肢数が多ければいいわけではなく、プレイヤーが対応できる範囲に入力を制限する必要がある。

2010-03-24 22:25:27
ISA @koge2do

@sirouto アトラクション要素は確かにありますね。フレーム数で選択肢を考えると、ターン制よりリアルタイム制のほうがゲーム性が高くなってしまう問題がありますね

2010-03-24 22:36:25
しろうと @sirouto

@koge2do リアルタイム要素の過大評価はありますね。機械を使わなければ、一秒間に60連打は不可能でしょう。そこで、プレイヤーの身体能力を考慮すれば、アクションゲームで実質的に入力可能な選択肢数は、もっと少なくなります。

2010-03-24 22:40:16
ISA @koge2do

@sirouto 格闘ゲームなんかは、ある程度の時間に区切って、その瞬間はn択、とかになる気がしますね

2010-03-24 22:42:50
しろうと @sirouto

@koge2do そうですね。格闘ゲームで、単純な操作レベルの選択肢数と、コンボやN択攻撃など戦術レベルの選択肢数では異なる、より複雑なモデルも作れるでしょう。

2010-03-24 22:46:51
しろうと @sirouto

いっぽう、ここでの戦略性とは、選択肢間の連結と重み付けのことだ。ただ、正しいキーを押すだけのタイピングゲームには、選択肢間の連結や重み付けがなく、戦略性がない。いっぽう、1ターン目の選択が、ラスト1ターンにも影響を与えるSLGには、戦略性がある。

2010-03-24 22:33:22
しろうと @sirouto

整理しよう。ゲーム性の高低を評価するときに、まず選択肢の総数で順序付ける、単純なモデルを考えた。そこへさらに、主にリアルタイムのゲームでは操作性を、非リアルタイムのゲームでは戦略性を反映したい。

2010-03-24 22:36:39
しろうと @sirouto

戦略性について逆の視点で見ると、戦略性が低いのは作業性が高い状態。たとえばRPGで、魔法やアイテムが1万個あっても、必ず敵を倒せる「エターナル・フォース・ブリザード」があり、そのひとつだけで敵が倒せるなら、実質的に戦略性がない。

2010-03-24 22:59:34
しろうと @sirouto

このことから、選択肢の二重分節性が要請される。単語が集まって文を作るように、選択肢が集まって、その組み合わせによって、高次元の選択ができることが、ゲーム性を高める。たとえば、格闘ゲームで言えばコンボ、落ち物で言えば連鎖消しが相当する。

2010-03-24 23:03:05
しろうと @sirouto

さて、美少女ゲームのゲーム性が低い、ゲームよりもストーリーを志向している、という主張は、以上のように、総選択肢数による比較をベースにしている。

2010-03-24 23:11:26
しろうと @sirouto

もちろん、総選択肢数は過度に単純化したモデルだ。しかし、ノベルゲームが多くを占める状況では、戦略性も高くない。というのも、ノベルゲームでは、実質的に選択肢の総当たりに近い場合がある。それは、ひとつの最強魔法を使い続けるのと、作業的である点で大差ない。

2010-03-24 23:17:12