「けものフレンズ」12話の「引き算の演出効果」の話が、小説のそれと似ている話
「小説」における「感情的な表現や演出を限界まで排除した描写」の話
故あって吉村昭の書作品を再読。感情的な表現や演出を限界まで排除した描写。そうであってこそ初めて伝わるものがある。が、むつかしいのはそうした描写はこちらに一定の受け取るスキルがあって成り立つものだということ。高校生のときに読んでもこういう捉え方はできなかった。
2017-04-01 11:50:19演出や描写を過剰にすれば高校生の私にもある程度のものは伝わるが、そうすると大人の私に今感じた「言葉にできないもの」はもう決して伝わらない。必ずしも年齢と比例するわけではないが「受け手のスキル」というものは確実に存在する。
2017-04-01 11:50:46小説だろうが漫画だろうが映画だろうがテレビだろうがゲームだろうが、いろんな「受け手のスキル」に応じた作品があるべきだと思う。「とにかくたくさん売れないとダメ」という状況下だと、これが非常に難しくなる。それがやがてジャンル全体の衰退につながる。
2017-04-01 11:51:20漫画においてむつかしいのは「この作品は、どれくらいの受け手に向かってつくられるべきなのか」という見極めだ。雑誌というものにはいろんな役割があるが、ひとつはそのための指標としての役割だと思う。
2017-04-01 11:51:42雑誌はそれぞれに「受け手」がいる。いろんな種類の雑誌(あるいはそれに相当する機能をもった何か)があることは、ジャンル全体の活力の維持に欠かせない要件だと思う。
2017-04-01 11:51:59けものフレンズ12話の「火のついた紙飛行機のシーン」における「引き算の演出」の素晴らしさの話
(※)「けものフレンズ」12話の火のついた紙飛行機のシーン
小松菜ブーム到来
このシーンの話をしたかったんですけど、「火の灯った紙飛行機」だけで折ったシーンとか火を点けたシーン、投げるシーン無しでサーバルちゃんがやったのがわかるのすごくない?すごい。普通の演出なら少なくとも投げるカット入れるしなんなら1話の回想シーン入れてもおかしくないのに。引き算やばい
2017-03-31 01:47:46ほんであの紙飛行機見ただけで視聴者はサーバルちゃんが「不器用ながら自分で紙飛行機を折って」「火が怖いのに火を点けて」「投げるなんてやったことなかったのに投げる」ことで「今までかばんちゃんがそうしたように、ピンチを打開するために自分で考えて実行した」ことまで読み取れるんすわ
2017-03-31 01:51:11自分の作品を客観視する能力かすごいという話なんですけどまあ製作期間とか少人数製作とかその辺の都合もあるんだろうけどでもやっぱすごいの。すごいっていうかかっこいい、演出として
2017-03-31 01:53:01紙飛行機のシーンと11話のかばんちゃんがサーバルちゃん助け出すシーンで、「サーバルキャットのフレンズとヒトのフレンズが旅する話」じゃなくて「サーバルちゃんとかばんちゃんが旅する話」になるの良すぎるつらい
2017-03-31 01:56:33(※)これって、上の話の「小説」の話と似てませんか?つまりカルチャー側である「小説」における面白さの本質の一端と、サブカルチャー側である「アニメ」や「漫画」における面白さの本質の一端というのは似た部分、共通する部分もあるし、サブカルチャーは決してカルチャーに対して劣っている物では無いという証左の一つになるのではないかと・・・