診療放射線技師が語る放射線の簡単なお話
今日の勉強会は黙祷から始まりました。そして、1日、ご飯食べただけで、ひたすらお勉強。放射線の。いや、私たちそっちのプロ集団なので。というわけで、いい資料もらいましたので、少しずつツイートしていきますね。#giveluv2jp http://bit.ly/gjsns0
2011-03-19 17:35:45まずは基本です。マイクロとミリ換算から。1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルトです。これ、ごっちゃにして報道しているからややこしいのですよ。#giveluv2jp http://bit.ly/gjsns0
2011-03-19 17:38:08続いて、自然放射線の定義。つまり、特にレントゲンを撮ったりしなくても、自然界にあったり、電子レンジなどから出る微量の放射線。これが自然放射線です。環境によりますが、世界的平均は2.4ミリシーベルト=2400マイクロシーベルトです。これはレントゲン撮ったりしなくても、浴びてる量。
2011-03-19 17:43:14さて、それでは、レントゲン撮るとどれくらい被曝するんでしょうか。これ書くとレントゲン撮るのみんな嫌がるからプロとしては書きたくないんだけど(笑)仕方ないね。公開しましょう。
2011-03-19 17:44:54まずはみんな年に1回くらいは撮っている胸のレントゲン写真。装置によりますが、だいたい0.1から0.3ミリシーベルト=100から300マイクロシーベルト。数のマジックですね。単位を変えるだけでずいぶんといっぱい浴びている気分になってきました。
2011-03-19 17:47:11お次は胃の検査です。バリウム飲みます。おいしくないですね。でも、あれは胃液を抑えるためにまずいんですよ。人っておいしいもの食べると胃液出ちゃうから…って、これは別の話。放射線でしたね。はい、これも装置や撮影法によりますが、4ミリシーベルト=4000マイクロシーベルト。あらあら。
2011-03-19 17:49:14さて、考えてみましょう。あなたが年間に浴びている放射線の量、計算してみて下さい。まぁ、積算とか補正とかいろいろ本当なら面倒なものがあるんですけど、ここでは話を単純にするために、ざざっと足し算してみて下さい。…どうですか?
2011-03-19 17:53:51今、都内や福島県の住民がいる場所で測定されている、一般的な居住地での放射線量と比べてみましょう。あ、単位間違えないでね。ミリとマイクロ、間違えちゃダメですよー。マイクロはミリの一千分の一ですよー。
2011-03-19 17:56:14はい、少しはわかっていただけましたか? レントゲン撮って、胃の検査して、CTも撮ったあなた。放射線で体調悪くなりましたか? バリウムで便秘したのは計算に入れないでね。あくまで、放射線を浴びたせいで、体調が悪くなったかどうかです。
2011-03-19 18:01:59ちなみに、私は急性放射線障害に近い「放射線宿酔」という症状を起こしたことがあります。仕事上での被曝が多くなり、ふらつきや吐き気などの症状が出たんですね。今から25年くらい前。でも、今、こうしてふつーに生きてます。なーんともないです。元気です。
2011-03-19 18:04:06今、命がけで闘っている人たちがいます。本当に命をかけて、何物をも恐れずに、闘う人たちがいます。その方たちの事を思ったら…ね? 身体にまったく害のない、自然に、もしくは医療行為で浴びる程度の放射線で…人を差別したり、無駄に怯えたり…どうですか?
2011-03-19 18:06:20さて、戻ってきました。さっきのツイートで間違いがあったので、訂正ツイートから。
2011-03-19 22:22:44次に控えしはCTです。頭から足の先まで撮れますよ。これもピンキリですけど、だいたい7から20ミリシーベルト=7000から20000マイクロシーベルトです。ああ、ゼロの数を数えるのが面倒になってきました。
2011-03-19 22:22:54ではちょっとだけ、放射線の基礎知識。続きをツイートします。
2011-03-19 22:29:11さて、今度は牛乳やほうれん草のお話が出てきました。いけませんねぇ…厚生労働省が風評被害の元を作っては。ま、枝野っち(カワイイな♪この呼び方)は一生懸命フォローしてましたが。枝野っち、ファンになりそうです。
2011-03-19 22:31:00続き続き。今回、突然出てきたのが「ベクレル」という単位。ああ、またわからないのが出てきました。シーベルトやらグレイやら…ロックバンドかっつーのっ! で、ベクレルです。
2011-03-19 22:32:06この「ベクレル」という単位、実は単位ではありません。というか、ベクレル単品では使われません。ベクレル/リットルとかベクレル/キログラム生なんて感じで使われます。ですから、マスコミが流している「ほうれん草から○○ベクレル検出っ!」ってのはすでに間違ってるってのがわかりますね。
2011-03-19 22:35:35それでは、この「ベクレル」くんは何を表しているんでしょう。答え、何も表してない…。「ベクレル」くんは、シーベルトやグレイのように、放射線の量を表す単位ではないんです。ベクレルとは、放射性物質の壊れやすさを表すものなのです。
2011-03-19 22:37:52放射性物質は、放射線を放出して壊れ、別の物質に変わっていきます。わかりやすく言えば、アイスが溶けて、クリームみたいになっちゃいますね…? アイスが放射性物質、クリームが変化した物質、アイスが溶ける時に蒸発する水分が放射線です。アイスが溶けて泣く子の涙でも可。
2011-03-19 22:45:31このアイスの溶けやすさ…もとい、放射性物質の壊れやすさを表すのが「ベクレル」という単位です。ベクレル/リットルなら、1リットル当たりの物質に含まれる放射性物質の壊れやすさを表しています。ちなみに「1ベクレルは1秒間に1コの放射性物質が壊れること」です。わかんないよね。
2011-03-19 22:48:27つまり、何が言いたいかというとですね。「ベクレル」は放射性物質が別の物質に変化する…その壊れやすさを表す指標なので、放射線の量を表す単位ではないのです。ちなみに、これはネットから引っ張ってきた数字だけど、人間さまの体内にも放射性物質はあるのよ。
2011-03-19 22:51:25あなたも私も、放射性物質っ!てのは言い過ぎだけど、だいたい体重60キロの人が持つ放射能…放射線を出す能力は約7000ベクレルですって。あら、びっくり。
2011-03-19 22:52:50そんなわけで、牛乳にもほうれん草にも、もともと放射性物質はふくまれているってことを、まず認識して下さいね。人間にもあるんだもの、ほうれん草にだってあるわよ。にんげんだもの、ほうれんそうだもの。
2011-03-19 22:55:43さてと、やっと話がもどります。ほうれん草も牛乳も、もともと持っている「放射性物質」が壊変(放射性物質が壊れることをこう言うの)しやすくなっている…という現象が起きているわけです。=ほうれん草の中の「もともとある」放射能濃度が一時的に高くなっているということですね。
2011-03-19 23:01:54