『日本人なら必ず誤訳する英文』からの例文をGoogle翻訳に訳させると
Google翻訳の性能がずいぶんよくなったという噂を聞くので、試しに『日本人なら必ず誤訳する英文』の最初の10問を訳してもらうことにした。結果は、7問が完全な誤訳、3問が微妙なレベルで、使い物になるのはゼロだった。まだ当分食いっぱぐれそうもないのかな。以下にそれぞれの結果とコメントを。
2017-11-27 12:10:50【1】× 【わたしの好きな動物はつぎの3つだ。クマはその強さゆえに、ライオンはその勇敢さゆえに、サルはその愛らしさゆえに、それぞれに好きだ。】 コロンやセミコロンの役割がどの程度わかっているのか。Googleくんはライオンズのファンなのか? pic.twitter.com/RBOj22taSA
2017-11-27 12:12:10【2】× 【仕事にもどりなさい、それもいますぐに。】 your work と that を並べて読んでいる。that が前半すべてを受けるような用法をどの程度理解できるのか。 pic.twitter.com/I27UPPwnkQ
2017-11-27 12:13:38【3】× 【きのう、小説家でも詩人でもある人物と会った。】 これは日本人がよくやる典型的誤訳。 pic.twitter.com/wQkDaER4Su
2017-11-27 12:14:27【4】○(?) 【彼女は、ビスケットにオレンジマーマレードをはさんだ菓子を食べた】 これはまちがいとは言えないが、何と何が並んでいるのかがわかりづらいのはたしか。(わたしの訳はそれを明確にするために極端な処理をしています) pic.twitter.com/J9UqXIzo8c
2017-11-27 12:15:30【5】× 【時計の出現は、徐々にではあるが重大な変化をわたしたちの社会生活に及ぼした。】 よく見られる典型的珍訳をそのままやってくれました。 pic.twitter.com/Y8WiiLkmOf
2017-11-27 12:16:17【6】× 【息子のことを心配してはいけない。責めてもいけないし、自分自身を責めるのもだめだ。】 最後の either も or yourself もまったく訳していないのはなぜだろう。翻訳放棄? pic.twitter.com/yA15asIWnA
2017-11-27 12:18:37【7】× 【彼女が言うには、3日間病気だったが、回復しつつあるとのことだった。/彼女は3日間病気だったと言ったが、回復しつつあった。】 接続詞 that の有無でどう変わるかをまったく読みとれていない。 pic.twitter.com/1qqZecCH5m
2017-11-27 12:19:18【8】× 【イヌは散歩に連れていってもらいたいと伝えることができ、その点では、言語、すなわちコミュニケーションの手段を持っている。】 いろいろ問題があるけれど、and によって何と何が並ぶのかと、or の意味と、そのふたつをとりちがえているのが大きい。 pic.twitter.com/OdSNyd8UGK
2017-11-27 12:20:18【9】△ 【他人との会話は、自分の考えや感情が相手にどう思われているかを知って、それらを考察するためのよい手段である。】 わかりやすさはともかく、「感情を」を「感情が」に変えれば、大学受験レベルならたぶん正解になるだろう。日本人がよくやる they look to の読みちがいはしていない。 pic.twitter.com/A5pVrEdvWQ
2017-11-27 12:21:01【10】△ 【自分が不当だと感じるものについて、よく愚痴をこぼす女性がいる。】 「彼ら」を「彼女たち」にすれば、とりあえず正解。ただし、この訳し方では「こと」の意味が2種類に読める(感じるという事実 or 感じる対象)のでまぎらわしい。「女性」が2度出てくるのも稚拙。 pic.twitter.com/SMfuoS97Db
2017-11-27 12:22:01というわけで、まだまだ下訳に使えるレベルにもほど遠いようです。ただし、もっと長い文章を与えれば、文脈を判断して少しよくなるのかも。Google翻訳くんの今後の猛勉強を楽しみにしています。お望みなら『日本人なら必ず誤訳する英文』に載っている140の英文をトレーニング用に使ってください。
2017-11-27 12:24:10