福島第一原発/京大・小出助教のインタビューまとめ

松浦晋也氏(@ShinyaMatsuura)による京大/小出助教のインタビューまとめと、菊池誠(@kikumaco)との会話。
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松浦晋也 @ShinyaMatsuura

京都大学・小出裕章助教のインタビュー(4/1)を見ている。かなり事態を理解できた…と思う。iwakamiyasumi3 http://ustre.am/rGLz すさまじく悲観的だが筋は通っている。

2011-04-05 23:58:45
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

小出助教の主張趣旨。1)圧力容器が壊れている。2)そのため1次冷却系は水漏れでうまく動かない。東電の狙う冷却サイクル再起動はうまく行かないと予測する、2)メルトダウン(核燃料溶融の意か、水蒸気爆発につながる)を防ぐためには水を入れ続けて冷却するしかない(続く)

2011-04-06 00:02:04
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

3)結果、放射性物質を含む水は必然的に排出せざるをえない、4)その限りにおいてプルトニウムの飛散は避けられるが、水溶性ヨウ素やセシウムはだらだらと排出されることになる、5)ここまでに排出されたヨウ素やセシウムは数%、チェルノブイリでは数十%だった(続く)

2011-04-06 00:03:57
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

6)だらだら海に排出することで、最終的にチェルノブイリ並みの放射性物質が出て行くことになる可能性が高い…悲観的だが、元原発技術者の後藤政志氏が会見で語ったのマーク1原子炉の構造及び問題点と整合する

2011-04-06 00:10:21
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

福島第一のマーク1炉の閉じ込めは三重。1)燃料棒被覆、2)圧力容器、3)格納容器。水素爆発が起きたことで燃料棒被覆のジルコニウム損傷は確定(水素は高温でジルコニウムと水が反応して発生する)、周囲で微量のプルトニウムが出たことから燃料棒溶解もほぼ確定(ということでいいのか?)

2011-04-06 00:13:19
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

大量の高濃度放射性物質を含んだ水が建屋の外のトレンチやタービン建屋まで出てきていることで、圧力容器と格納容器の閉じ込めが破れていることも確定(破壊はしていなくとも配管かなにかの破損で内外がつながっている)。崩壊熱冷却のために入れている水が、放射性物質を含んで外に漏れてきている。

2011-04-06 00:16:06
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

水を入れ続けなくては、致命的な水蒸気爆発につながる。しかしその水はいずれ放射性物質を含んで外に出てくる、というわけか。東電は通常の冷却サイクルを起動して内外分離の冷却を可能にしようとしている。しかし、小出助教は、格納容器の“底が抜けている”から一次冷却系の再起動は不可能と見る。

2011-04-06 00:18:11
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

冷やさなければ、水蒸気爆発でプルトニウムが飛び散る。冷やせば、冷やした後の水がヨウ素やセシウムを含んで外に漏れてくる…政府はどう見ているのだろうか。確かに今回の低濃度汚染水放出でも「最終的に総量これだけの汚染水を海に流します」という数字の発表はなかったが…

2011-04-06 00:22:09
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

ひたすら漏れてくる冷却後の高濃度放射性物質を含んだ水を、タンクをどんどん用意して貯めていくしかないのか。東電がタンクを発注したという情報とも符合するな。

2011-04-06 00:23:24
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

今回、後藤氏といい小出助教といい、反原発系でなおかつ現場に精通した技術者や研究者の話を丁寧に聞いていったほうが、きちんとした事故の全体像が描けるな。

2011-04-06 00:25:57
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

もうひとつ小出助教のインタビューで気になった点。「日本の原子力政策の根本に核兵器願望があった」という話。これロケットの取材をしていても時々出てくるのだ。1960年代末にロケット技術者が集められて新橋会という名称でICBMの検討をやらされた話は「昭和のロケット屋さん」に書いた通り。

2011-04-06 00:28:11
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

科学技術庁(1956年創設)がまず原子力平和利用を、次いで実用ロケットを管轄した理由はなにか。当然そこには中曽根康弘という名前も出てくる。昨年NHKが、日本が60年代に核兵器を持つ検討をしていたと明らかにしたが、このあたり今回の事故を契機にきちんと明るみに出したほうがいいと思う。

2011-04-06 00:31:01
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

今後の注目点は東電の狙い通り冷却サイクルが復活するか、それとも小出助教の指摘の通り、高濃度放射性物質を含む汚染水を海に流さざるを得なくなるか、だな。

2011-04-06 00:32:35
あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

@ShinyaMatsuura やっぱりそうなってますかね。圧力容器内に水が溜まらないから、大変な事態には違いないんだけど。失敗学会の吉岡メモは違う見解ですね

2011-04-06 00:39:23
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

失敗学会・吉岡メモ http://bit.ly/gWnq85 元東芝で原子炉設計に従事した吉岡律夫氏による考察。4/5付第19報「原子炉圧力容器は健全であるか」(PDFファイル) http://bit.ly/f7OY3P で、出てきた核種の分析から圧力容器は健全と推定している。

2011-04-06 00:45:18
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

.@kikumaco 第19報が出ていましたか。どっちが正しいのか、私には判断出来かねますが、これも冷静な分析ですね。

2011-04-06 00:47:16
あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

@ShinyaMatsuura 僕もどちらが可能性が高いのか判断がつきません。もっとも、最良で吉岡シナリオ、最悪で小出シナリオで、いずれにしてもそれよりよいことはなさそうですね

2011-04-06 00:49:47
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

ただし、吉岡メモ19報でも、「注入量と放水量からすると、いずれ1/3号機についても、大量の放射能を含む水が圧力抑制室とこのフロア(松浦注:圧力制御室を設置している床面)から溢れ出ることが予想されます」としている。

2011-04-06 00:50:45
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

私もそう思います。 RT @kikumako 僕もどちらが可能性が高いのか判断がつきません。もっとも、最良で吉岡シナリオ、最悪で小出シナリオで、いずれにしてもそれよりよいことはなさそうですね。

2011-04-06 00:51:39
あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

@ShinyaMatsuura いずれにしても、大量の汚染水が発生することは避けがたいわけです。といっても、トータルで数10万トンだろうから、タンカーやメガフロートに溜めることはできるはずですね

2011-04-06 00:55:50
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

@kikumaco 漏らさず受け止める…八谷さんの例えだと「オムツ」で食い止めるしかないんでしょうね。後片付けを考えると気が遠くなりそうだけれどやらねばならない、と。

2011-04-06 00:59:11
あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

@ShinyaMatsuura 手順が確立すれば、あとは「がまんして続ける」にできると思います

2011-04-06 01:09:30
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

早野教授による格納容器内放射線レベルのグラフ(東電発表数値による) http://plixi.com/p/89940847 1)圧力容器底抜けを示唆するデータ「2、3号機圧力容器内圧力が大気圧になっている」、一方圧力容器が抜けていないことを示唆するデータもある(続く)

2011-04-06 18:15:58
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

2)圧力容器が抜けていないことを示唆するデータ「圧がかかっていて明らかに圧力容器が抜けていないと判断できる1号機の格納容器内と、2/3号機格納容器内の放射線レベルが、オーダーでは一致している」

2011-04-06 18:18:12
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

圧力容器が抜けると溶けた核燃料が格納容器底にたまる。そうなると格納容器内の放射線レベルはオーダーが変わるほど大きく上昇するはず。しかし、明らかに抜けていない1号機のデータと2/3号機の格納容器内放射線レベルはオーダーで一致している。

2011-04-06 18:19:30