実在する有名人の名前で寄付するのはどうしてよくないのか

いち @ichi_3

[1 確定申告というのがあってね] 芸能人や文筆業等の自由業者、スポーツ選手等、給与収入以外の所得のある人は、毎年「所得税の確定申告」を行います。「どこからいくらどんなお金を貰ったか」の所得総額を申告し（確定させ）、それに応じた所得税を納めているか税務署との間で確認するためです。

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[2 確定申告ってどんなかというと] 所得と源泉徴収分のバランスに応じて、予め引かれていた所得税の一部を払い戻してもらえたり、逆に追徴金を支払う必要が出てきたりします。収入の多い人の確定申告はとんでもなく手間がかかって厄介なので、税理士さんを雇ってまるっとお願いしたりもします。

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[3 確定申告の流れ] 所得税は、原稿料や報酬などの支払い時に源泉徴収されています（最初から所得税を引いた額が支払われる）。年末には各支払い元から源泉徴収票が送られ、年度末にそれを確定申告書に添付することになっています。税務署はこれを元に各支払い元に間違いないかどうか確認します。

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[4 確定申告で特例になるお金] 確定申告書には「所得から差し引かれる金額」というのを申告する欄があります。これは「あなたが支払ったお金のうち、これは特別で大事なお金だから、この分だけ所得を安いことにして、所得税を安くしてあげるよ」という制度です。

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[5 確定申告で特例になる具体例] 代表的なものには、「社会保険料控除」（健康保険料）や、「生命保険料控除」があります。 「寄附金控除」という項目もあります。日本赤十字への寄附はこの対象となります。 これも納付証明書や受領証を添付する必要があり、間違いがないか税務署が確認します。

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[6 さて、坂本真綾の場合] 坂本真綾の場合、フライングドッグという会社（事務所）の所属社員という扱いになっているかもしれませんが、事務所を通さない所得も少なくないと思われるので、確定申告は行っているはずです。となると各種控除欄、もちろん「寄附金控除」も記入することになります。

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[7 坂本真綾の場合続き] これは前述の通り「所得税を安くしてもらう」ためのものなので、別にいいよーという人もいるかもしれませんが、当然の権利なので記入するのが普通。坂本真綾はライブごとに毎回日本赤十字に寄附を行っており（今回は東日本大震災宛に特定）、申告しているはず。

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[8 じゃあ、坂本真綾じゃない人が坂本真綾名義で寄附したら] 「坂本真綾の確定申告書を元に、寄附金について、税務署が日本赤十字に確認」→日本赤十字「確かに頂いてるけど、他にも坂本真綾って名前で頂いてますよ？」税務署「あれ？申告者に確認します」→坂本真綾とフライングドッグ「あれ？」

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[9 まとめ] という、ややこしいことになることが予想されるわけです。 つまり、「坂本真綾名義で寄附した人」自身は痛くも痒くもないけど、「名前を使われた」坂本真綾側は困ったことになりかねないわけです。好きな人に迷惑はかけたくないですよね。

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[10 迷惑だけでなく] それとは別に、有名人でも善行でも「他人の名前を、公文書に勝手に書く」のはいけません。Twitterの自分のアカウントで「私は坂本真綾です」と書くのはすぐ嘘とばれる冗談として許されますが、公的文書で坂本真綾じゃない人が「私は坂本真綾です」と名乗るのはだめ。