編集部イチオシ

振り返る日本のメイドイメージ 2000年まで

1990年代のメイドブームを、多様な作品やファミレス・カフェの文脈、そして「家政婦」作品を軸に考察した『日本のメイドカルチャー史』に基づき、 #メイドの日 を記念して、つぶやきました。 ※18/05/11 「戦うメイド(家政婦)」イメージを追加。 ※19/05/09 ご指摘いただいた「土曜日のタマネギ」と、ディズニーランドのメイド、めるへんめーかー氏のメイド作品を追加。
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久我真樹 @kuga_spqr

日が変わったぐらいから、 #メイドの日 を記念して、#振り返る日本のメイドイメージ タグにて、日本のメイドイメージを振り返る連続ポストをしていきます。ただ、時間的に、2000年までが限界にて。

2018-05-09 22:49:21
久我真樹 @kuga_spqr

#メイドの日 が作られるぐらい広まった「メイド」。20年以上のブームを研究してきた立場として『日本のメイドカルチャー史』紹介作品をベースに「1990年代に至るまでのメイドイメージ」を年表にまとめました。 少し長めの解説をしつつ、徒然と。 #振り返る日本のメイドイメージ pic.twitter.com/79vDn8fQbM

2018-05-09 23:23:43
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久我真樹 @kuga_spqr

「脇役」としてのメイドは作品で珍しい存在ではありませんでした。お金持ちのキャラクターがいれば、仕える存在として家事使用人が常に描かれていたからです。名前があったり、名前がなかったりと、ほとんどの場合、物語の主人公ではありませんでした。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:24:17
久我真樹 @kuga_spqr

昔書いたテキストも参考に。 [特集]第1期メイドブーム「日本のメイドさん」確立へ(1990年代) spqr.sakura.ne.jp/wp/archives/985 出版時に相当改訂しているので非公開にしたいところですが、今はまだこのままで。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:24:44
久我真樹 @kuga_spqr

「日本のメイドさん主役化」は1993年を転換点としており、『黒猫館』のメディア展開、小説続編、アダルトゲームでのヒロイン化などでメイドのメインキャラクター化が進み、雑誌などでも特集が組まれていくことが観測されています。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:24:44
久我真樹 @kuga_spqr

1993年は『ああっ女神さまっ』8巻で「洋館・幽霊・メイド」を描いています。同年永野護氏も『CHRACTERS 6 / BASIC ART OF THE FIVE STAR STORIES / TWIN TOWER』でメイドの解説をし、私はここで「午後服」を初めて知りました。 画像は8巻巻頭から。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/HhWQkfATht

2018-05-09 23:26:40
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久我真樹 @kuga_spqr

同時期、「職業性に基づくメイド」の文脈は「かわいい制服・コスプレ化」と重なっていきます。 [特集]第2期メイドブーム~制服ブームから派生したメイド服リアル化・「コスプレ」喫茶成立まで(1990年代) spqr.sakura.ne.jp/wp/archives/11… 参照。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:27:22
久我真樹 @kuga_spqr

「三次元のメイド」と「二次元のメイド服」は相互に影響しあい、作品のコスプレが行われたり、レストラン制服が作品になったりと関連していくのが日本のブームの特徴です。後に「メイド喫茶が舞台の漫画」が出るのもこの自由さを象徴しています。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:27:22
久我真樹 @kuga_spqr

「かわいい制服の飲食店」は珍しいものではなく、たとえば鹿島茂氏『モモレンジャー@秋葉原』(2005年)は「1867年パリ万国博覧会」周囲で「民族衣装を着たエプロン姿の若い娘が給仕するブラスリ(飲食店)」をメイド喫茶との関連で考察しました。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:30:13
久我真樹 @kuga_spqr

「万博」はメイドイメージに関連しました。英国でメイド服店員の事業を広めた「ジョー・ライオンズ商会」もイベント会場での飲食業に従事し、日本の「カフェー・ライオン」(1911年)は、この商会をモデルとしたといわれています。 ginzalion.jp/company/histor… #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:32:23
久我真樹 @kuga_spqr

Lyonsの制服画像を。左が1920年代の少し古いメイド服、右が有名な新しいメイド服。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/pnKsdGYdGw

2018-05-09 23:32:23
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久我真樹 @kuga_spqr

万博繋がりは、まだあります。考現学の祖で「当時のカフェ女給の制服」を描いた今和次郎氏は、1970年に「大阪万博の協会及び日本政府館の歴代ユニフォーム」を事業に含める日本ユニフォームセンター nuc.or.jp/result/ の初代会長でした。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:33:06
久我真樹 @kuga_spqr

考現学の観点で職業服の考察を行った『アンナミラーズで制服を』を森伸之氏が刊行したが1994年(画像は文庫版176-177、再販希望)。ファミレス普及契機は大阪万博と言われ、「制服は万博へ回帰する」というのは @calcite_caco3 さんの考察にて。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/UIEIrLMNqK

2018-05-09 23:36:21
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久我真樹 @kuga_spqr

余談ですが『出版指標年報 1994年版』によれば1993年に英国関連書の出版ブームでした。盛んに紅茶CMが流れた年とも。 同年に英国執事スティーブンスが主役の映画『日の名残り』が製作され、1994年に日本公開となりました。至高の作品です。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:37:30
久我真樹 @kuga_spqr

こうした1990年代前半から半ばを経て、大きな変化が生じていくのが、1996年『殻の中の小鳥』(ヒロイン全員がメイド)と、1997年『Piaキャロットへようこそ!!2』(ファミレスが舞台の作品でメイド服を人気登場で取り入れる)の登場です。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:37:56
久我真樹 @kuga_spqr

いずれの作品も人気があり、前者は単独の同人誌即売会やコミケなどで、複数名のあわせによるメイドコスプレをリード。後者も発売パッケージにメイド制服のコスプレ衣装の通販チラシが封入され、コスプレイベントでも観測されるものでした。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/GFjBA36ZSg

2018-05-09 23:41:03
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久我真樹 @kuga_spqr

そして1998年、東京キャラクターショー1998に「Piaキャロットブース」が飲食提供を行い、1999年に「Piaキャロレストラン」が誕生します。 詳細は"秋葉原におけるメイド喫茶・コスプレ喫茶の歴史”をどうぞ。  sotokanda.net/his_cafe.html #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:41:46
久我真樹 @kuga_spqr

この1990年代後半がブームの転換点として大きな意味を持つのは、同時多発的に様々な事象が生じているからです。コスプレで言えば、1999年に制服系「コスチュームカフェ」が始まり、メイド人気を受けて2000年に番外編「帝國メイド倶楽部」が独立します。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:42:16
久我真樹 @kuga_spqr

同人で観測された「メイドブーム」についてや、ここに書いていあることは全部『日本のメイドカルチャー史』に書いてあるので、詳細は省きますが、まだまだ1990年代後半は出来事が続きます。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:42:31
久我真樹 @kuga_spqr

なお、ファミレスのイメージを取り入れた『V.G. ヴァリアブル・ジオ』も1993年の作品で、アンナミラーズ風の制服や、登場キャラクターの楠真奈美の制服が、ほぼメイド服でした。私が雑誌記事調査で最初に見たメイド服コスプレは、このキャラでした。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:42:53
久我真樹 @kuga_spqr

次の転換点は1997年です。『Piaキャロ2』に続き、『To Heart』でメイドロボのマルチが、『デスクトップのメイドさん』でアイコンとしてのメイドさん化が進みました。1998年『With You 〜みつめていたい〜』で自宅喫茶店で妹がメイド服店員に。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:43:23
久我真樹 @kuga_spqr

1997年、ゲーム『プリンセスメーカー ゆめみる妖精』でも、主人公のバイトに「メイド」が加わり、かつ「メイド」エンディングが追加されました。『ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ』では、メイドロボが主人公になりました。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/uKOJ09i5M0

2018-05-09 23:46:35
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久我真樹 @kuga_spqr

『PuchiCarat』、『スーパーリアル麻雀P7』もメイドキャラがいました。前年1996年には『エターナルメロディ』と『わくわく7』(メイドロボ)がありつつ、『サクラ大戦』のアイキャッチでメイド服がでてきています。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/UWceUTnWFO

2018-05-09 23:49:27
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久我真樹 @kuga_spqr

家庭用ゲーム機では、1998年『デビルサマナー ソウルハッカーズ』、『慟哭 そして…』でもメイドが見られています。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日

2018-05-09 23:49:54
久我真樹 @kuga_spqr

1997年はメイドがテレビでも目立ちました。三谷幸喜氏脚本『総理と呼ばないで』では官邸にメイドが働いていました。同年『理想の結婚』でもヒロインがアンナミラーズでバイトをしていました。他に『三菱鉛筆uni ballシグノ』のCMにもメイドがいました。 #振り返る日本のメイドイメージ #メイドの日 pic.twitter.com/TykvsIfCb8

2018-05-09 23:51:39
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