福島に原発があるのは、東北人がバカだから!

 なぜ、東北地方は東北地方て使わない電力の供給を引き受けなければならないのだろう? 東北地方から新興大企業が生まれない理由、起業家をつぶす風土、IT化とグローバリゼーションに乗り遅れた産業構造、もともとの地理的不利、教育環境の劣悪さ……。東北出身の著者が東北復興のために思いの丈をぶつけてみました。
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@zeroyenlecture

なぜ、福島には原発があるのだろう?

2011-04-14 08:25:13
@zeroyenlecture

福島の原発はいうまでもなく、東京に電気を送るための原発だ。そんな原発が福島にある理由。多くの人がそのことについて考え、そしてさまざまな原因を考え、ある程度の答えを出したところで口をつぐんだ。それは今日の日本においてよく見られる光景だった。

2011-04-14 08:26:28
@zeroyenlecture

なぜ、福島に原発があるのか。私の意見では、三つの要因があると思う。一つは産業の空洞化、一つは産業の空洞化を招く教育水準の低さ、最後には東北の政治風土。

2011-04-14 08:28:12
@zeroyenlecture

今日はとりあえず、東北が経済的な意味で衰退していることに焦点を当てて、それがどのようにして原発に依存する自治体を生んでいったのか、これからの東北をより豊かな地域にするにはどうすればいいのかについて考えていきたいと思う。議論に参加していただければ幸いです。

2011-04-14 08:29:39
@zeroyenlecture

ざっと要約すると、東北地方には産業がない。農業や漁業は付加価値も生産性も低く、工業は東京の会社の下請け製造をやるだけだ。その原因としてあるのが、イノベーターの不在だ。

2011-04-14 08:31:03
@zeroyenlecture

たとえば、福岡の久留米大附属高校は堀江貴文と孫正義を生んだ。しかし、東北で一番の進学校である仙台二高は一人の偉大なベンチャー起業家さえ生み出していない。

2011-04-14 08:32:02
@zeroyenlecture

仙台の代表的な企業、七十七銀行、藤崎、田善はすべて伊達家の家臣団による企業だ。福島においても、その構造はよく似ている。ジャパネットたかたのようなここ最近になって地域から生まれて地域に根付いている企業が東北にはほとんどないのだ。

2011-04-14 08:33:57
@zeroyenlecture

そういった地域には雇用がない。税収がない。そしてなによりも希望がない。東北人の起業家精神欠如は、東京の大企業を誘致することに希望を見いだす他力本願的な姿勢を生み出し、結局、自分たちがまったく消費しない電力を作るための原発、再処理処分場、そうしたもののかなりが東北地方に集約された。

2011-04-14 08:35:57
@zeroyenlecture

私の出身は仙台で、親の出身も東北で、私は東北地方で一番といわれるある進学高の出身だった。高校卒業まで東北にいて、その後東京で小さな塾をしがない起業家として興して思ったこと。東北の人には勉強も主体的な努力も足りない。

2011-04-14 08:37:58
@zeroyenlecture

こういう話を昔の同級生にすると、いや、もう、これだけ市場が飽和状態にあって、この日本では新しい産業なんて興せないし、東北はこれで「仕方ない」んだよ。といわれる。仕方ない。厳しい雪国の住民が冬がくるたびに言う言葉だ。この言葉が原発が異常に集中する東北地方のひずみを生み出した。

2011-04-14 08:39:32
@zeroyenlecture

大学に入学してすぐに、私は、東北の両親に仕送りを止められて、事業を興した。開始一年で彼女と二人で一緒に暮らして食べていけるぐらいの利益を出す程度には成長した。半年前に出たビジネスコンテストでは大学一年生で250人中5人に選ばれて決勝に進んだ。

2011-04-14 08:41:39
@zeroyenlecture

そんな私の出身を、西日本か、あるいは韓国か、アメリカかと思う人は多いらしい。しかし、実際には私の出身は宮城県仙台市で、幼少時代は青森で過ごしていた。なにか目立つすると叩かれ、がむしゃらに努力することが格好悪いことで、東北はそんな場所だった。だから私は東京に来たのだ。

2011-04-14 08:43:07
@zeroyenlecture

事業を興して、それなりに余裕も出てきて、教え子の受験も終わったので久しぶりに実家で休んでいるとき、私は被災した。それは悲惨だった。知り合いが何人か亡くなった。

2011-04-14 08:44:12
@zeroyenlecture

「公務員の給料を低くすると優秀な人材が公務員にならなくなる」といっていた市役所の連中はろくに食料の配給すらできなかった。朝市では、一本八百円の大根が並んでいたというのに。

2011-04-14 08:45:10
@zeroyenlecture

そんな恨み言は、またの機会にして、福島の原発は私にとって衝撃的なことだった。いままでバカは勝手に死ねばいい、私は東京かアメリカかベトナムかどうかでプレーヤーとして生きていくと腹をくくっていた私にも、実際に知り合いが亡くなり、東北の農家が風評被害にあってみると、別の感情が浮かんだ。

2011-04-14 08:46:25
@zeroyenlecture

それは復興ナショナリズムではない。略奪もなくてすばらしい日本みたいなのは嘘だ。略奪も買い占めも喧嘩も現地にはたしかにあった。そうではない。そういう人間の汚さみたいなものもすべて引き受けた上でのこの感情。それは復興パトリオティズムとでも言うべきものか。

2011-04-14 08:47:40
@zeroyenlecture

私はひとりのしがないプレーヤーとして、マッキンゼーやアクセンチュアのおっさんにもちょっとは見込まれつつ、二百人以上の受験相談を受け、十八万人以上がくる受験勉強法日記を書いた人間として、落ちこぼれビジネスマンである東北地方くんの相談にのってやろうかと思うようになった。

2011-04-14 08:49:07
@zeroyenlecture

震災から一ヶ月。私の体調は、大学に入ってからかつて見ないぐらい悪かった。いろいろと嫌なことがあった。呆然として、つらくなって、そのあとは涙すらも出なくなり、しばらく頭がぼんやりして、そして今日、朝起きて、彼女の寝顔を見たとき気合いを入れ直した。

2011-04-14 08:50:07
@zeroyenlecture

就職先がない大学生や、母子家庭の同期や、成り上がりたい同期に、私はいままで仕事を生み出してきた。それは本当にささやかなことだけど、彼らはそれで生活できている。ならば、東北地方の人たちにだって同じことができるんじゃないかと私は思った。

2011-04-14 08:51:02
@zeroyenlecture

私はまだあの同級生の言葉を忘れていなかった。日本の市場は飽和している。新しい産業なんて生み出せない。支店経済の仙台に代表される東北地方は、もうこのままで仕方ない。それは仕方ないんだ。仕方ないんだ。原発を生み出したその言葉を忘れてはいなかった。

2011-04-14 08:54:13
@zeroyenlecture

私か思い出したのは、菅首相が竹中平蔵教授からレクチャーを受けたときに話したことだった。自分は竹中研なので、我田引水になるかもしれないけれど、ちょっと我慢してつきあってほしい。

2011-04-14 08:55:50
@zeroyenlecture

「先ほど抑圧された需要という、表現は別として、そこはやや共通なんですけども、まず需要をつくることが重要ではないかと。」 

2011-04-14 08:56:09
@zeroyenlecture

「ですから私はどうも竹中さんが言われるですね、供給サイドを強めればそれでマクロ的にもよくなるという考えは第二の道として失敗したというのが私の見方ですが、いかがですか」 

2011-04-14 08:56:18
@zeroyenlecture

 一方、竹中教授の説明は極めて丁寧だったが、一方で多くの人にとっては面白みにかけるものだったかもしれない。この課題本を読んだ今にして思えば、竹中教授はこうした議論の不毛さをすでに見抜いておられたのだろう。 

2011-04-14 08:56:35
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