「ホモとゲイとオカマって何が違うの? フレディはどれなの?」と質問されたので、ざっくり整理してみた

まとめました。
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ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

ところで『ボヘミアン・ラプソディ』を一緒に泣きながら観た友人から「ホモとゲイとオカマって何が違うの? フレディはどれなの?」と質問されたので、ざっくり整理しておきたいと思います。

2018-12-02 10:41:48
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

この中では一番古くからある言葉は「オカマ」で、これは江戸時代に少年が売春していた「陰間茶屋」の「かげま」が訛ったものといわれています。 昭和時代には、女装して接客や売春をする人を指す言葉として広く使われ、「男らしくない男」を侮蔑する、差別用語のニュアンスもありました。

2018-12-02 10:48:38
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

「ホモ」は「オカマ」よりは新しい言葉で、女装しない人も含め、広く男性同性愛者を指す単語として、当事者の間でも使われるようになりました。1971年に創刊された「薔薇族」誌面上でも「ホモ」呼称が採用されていました。

2018-12-02 10:56:29
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

「ホモ」はもともと「オカマ」にあった侮蔑のニュアンスを避けた、新しい言葉でしたが、当事者以外の層にまで定着していくにつれて、「オカマ」同様の侮蔑語としてのニュアンスが混じっていきました。現在では「オカマ」と同じく、使うのが好ましくない言葉とされています。

2018-12-02 10:58:59
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

「ゲイ」はもともと「お気楽」という意味の言葉でしたが、20世紀半ばには、「真面目でお固い」規範的な生き方を要求する風潮に反発する、カウンターカルチャー的なニュアンスを含めて、同性愛を広く指す言葉として使われるようになりました。現時点ではこれが最もよく使われる言葉です。

2018-12-02 11:05:56
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

とはいえ、「ゲイ」に差別用語のニュアンスが全くないというわけではなく、イングヴェイ・マルムスティーンのような人は、過去に発表した気に入らない曲(というか作曲者と仲たがいした曲)について「あの曲はゲイだ」と言ったりしています。この辺は使う人の意識の問題です。

2018-12-02 11:51:53
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

「男性同性愛者」を指す言葉と「女装の性産業従事者」「女装のショービジネス従事者」「男性として生まれたが性自認が女性の人」などが混乱して使われてきた歴史があり、「ゲイ」だけではカバーしきれない領域が広くあります。

2018-12-02 11:10:42
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

現在は広く同性愛者を指す「ゲイ」ですが、昭和中期ごろには女装して接客やステージショーに従事する人を「ゲイボーイ」と呼んでいました。美輪明宏がデビューしたころには「シスターボーイ」という呼び方もありましたが、これは定着せず死語となったようです。

2018-12-02 11:16:17
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

80年代には、松原留美子のモデルデビューにより、「ニューハーフ」という言葉が流行しました。これは和製英語で、英語では「シーメール」がこれに当たると思われます。単に女装するだけの人より、整形手術を受けた人を指すニュアンスがありますが、近年では性別適合手術がよく知られてきたため、→

2018-12-02 11:21:29
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

→手術を受けた人は女性とみなされるようになりました。そのため好ましい用語とは言えませんが、適切な言い換え語がまだないためか、主にAV業界や性風俗業では使われているようです。

2018-12-02 11:23:41
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

80年代後半には「ニューハーフ」とほぼ同じ意味の「Mr.レディ」という言葉が「笑っていいとも!」などテレビで使われて流行しましたが、これも定着せず死語となったようです。

2018-12-02 11:25:02
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

「シスターボーイ」「ゲイボーイ」「ニューハーフ」「Mr.レディ」いずれの言葉も、女装して接客業やショービジネスに従事する人を指す言葉で、同性愛者を指すものではありませんが、「同性愛者は女装するもの」という偏見があるせいか、混同されて使われることが多かったようです。

2018-12-02 11:27:32
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

現在では、マツコ・デラックスやミッツ・マングローブなどタレントがよく使う「オネエ」が最も人口に膾炙しているようですが、これも本来は「女装家」を指すものであり、必ずしも同性愛者を指す言葉ではありません。

2018-12-02 11:29:23
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

日本では長らく「男性同性愛者は女装するもの」という偏見があったためか、本来のゲイ文化が広く知られることはありませんでした。1977年にデビューしたヴィレッジ・ピープルは、メンバーがゲイに人気のある職業のコスプレをしていましたが、この辺のニュアンスは日本では知られなかったようです。

2018-12-02 11:35:03
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

『ボヘミアン・ラプソディ』劇中でも、短髪でヒゲを生やしたフレディに、ブライイアン・メイが「俺たちはロックバンドだ、ヴィレッジ・ピープルじゃないぞ」という場面がありますが、これはゲイ文化と親和性があったディスコ音楽と、異性愛文化と結びつきが強いロック音楽との違和感を表しています。

2018-12-02 11:37:50
ワッシュ(鷲羽大介) @washburn1975

フレディがハッテン場で遊び歩く場面で「地獄へ道連れ」が流れるのも、エイズ流行の危険とシンクロする歌詞のみならず、ディスコ調の音楽とゲイ文化の親和性を表しています。フレディ主催のクレイジー・パーティでリック・ジェイムスの「スーパーフリーク」が流れるのもそうですね。

2018-12-02 12:01:54
Street Songs

Rick James