堀江貴文氏への上告棄却判決に関する郷原信郎弁護士の見解

>むしろ、多くの株主が投資している生きた会社に対して、突然の強制捜査を行って市場を大混乱させ、ライブドアを上場廃止して、市場からの退場に追い込んだ検察捜査こそが、株主に重大な影響を与えたというべきだと思います。 by 郷原信郎 郷原先生のtwitterアカウントは・・・ http://twitter.com/nobuogohara
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郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

堀江氏の一審の実刑判決については、「ホリエモン実刑に異議あり」という論考を「諸君!」に寄稿⇒http://bit.ly/hujZgN その中で、判決を「雰囲気に支配された情緒的な判決」と評しています。そういう判決が結局、最高裁でも支持され確定したののは残念です。(続く)

2011-04-26 22:52:40
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)ライブドア事件については、私の著書「特捜神話の終焉」の対談の中で堀江氏が詳し語っています。⇒http://amzn.to/f32fp3

2011-04-26 22:53:33
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

少なくともライブドアは違法配当はしていません。入ってきたことは間違ないカネを利益として計上するか資本準備金として計上するかという会計上の技術的な問題です。それを「投資家を欺く」と言って刑事事件にしたのです。RT @naru_03 違法配当+有価証券報告書虚偽記載で実刑の判例

2011-04-28 00:19:18
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

いずれにしても入ってきたお金が「利益」か「資本準備金」かということに、投資家としてこだわりますか?RT @ayui3 でも投資家を欺いたのは事実では?

2011-04-28 00:37:54
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

堀江氏への上告棄却判決に関する私の発言について、堀江氏を擁護しているという見方があるようですが、私は決して堀江氏擁護者ではありません。「『法令遵守』が日本を滅ぼす」(新潮新書)の中では、ライブドアの時価総額拡大の手法を「証券市場の公正」という観点から批判しています。(続く)

2011-04-29 21:55:29
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)一審の実刑判決については、「ホリエモン実刑に異議あり」という論考を「諸君!」に寄稿⇒http://bit.ly/hujZgN 「思考停止社会」(講談社現代新書)では、経済司法の貧困の観点から、ライブドア事件の検察捜査と判決を批判しています。(続く)

2011-04-29 21:59:05
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

今日の日経新聞の「大機小機」の「ライブドア事件を風化させるな」も基本的に同様の見解です。今回のような的外れな検察捜査に対して、抵抗した被告人に異常に重い求刑が行われ、裁判所に追認されるようだと、今後、いかなる経済活動も理不尽なな刑事司法の攻撃を受ける恐れがあるということです(続く

2011-04-29 22:02:00
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)問題は、検察の強制捜査着手の時点で考えた場合、ライブドア事件というのが、果たして、刑事罰を適用すべき事案だったのが、堀江氏を犯罪者として処罰することが適切だったのか、ということです。世の中には、法律に照らすると「違法」と評価される行為は山ほどあります。(続く

2011-04-29 22:04:28
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)その中で、どのような行為に刑事罰という峻厳な制裁を適用するのか、という点には価値判断が必要です。例えば、「節税か脱税か」という問題に関して「所得税法上違法な節税」と認定されたからと言って、それがすべて脱税として処罰の対象とすべきということにはならないのは当然です。(続く

2011-04-29 22:05:46
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

「粉飾決算」も同様で、有価証券報告書で公開された決算の内容に誤りがあったことが判明し、後日修正が行われることは決して少なくありません。それは結果的にみると、その決算が「粉飾」であったとみることもできますが、それがすべて刑事事件の捜査・処罰の対象になるわけではありません。(続く)

2011-04-29 22:10:02
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)ライブドア事件の「粉飾決算」の中心部分は、ファンドによるライブドア株の売買の損益をライブドアの損益に含めていたのが、「ライブドア自体が自社株の売買」とに当たり、ライブドアの資本取引として連結決算上は資本準備金に組み入れるべきなので、損益にしたのは違法ということです。(続く

2011-04-29 22:20:32
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

このような株式売買の損益を連結決算上どう処理すべきなのかは、会計技術上の問題です。その点について、会計の専門ではない社長の堀江氏がどの程度認識していたかがも問題ですが、一方で、その会計処理がライブドアという会社に対する投資家の判断にどれだけ影響するのかも疑問です。(続く

2011-04-29 22:22:15
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)当時、ライブドアが証券市場でどのように認識されていたか。メーカーが本業とは別に金融取引も行っていたというのであれば、その本業の部分の損益がプラスかマイナスかは、会社の評価に大きく影響します。しかし、当時、ライブドアはポータルサイトを運用する単なるIT企業ではなく、(続く

2011-04-29 22:25:34
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

証券市場から資金を調達して企業買収を行う金融会社に近い存在だったのではないか。そういうライブドアにとって、ファンドによる自社株売買が資本取引か損益取引かは、極めて技術的な問題で、トータルの会社の資産・負債の関係に影響を及ぼさなけあれば、投資家の判断への影響も軽微です。(続く

2011-04-29 22:29:08
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)むしろ、多くの株主が投資している生きた会社に対して、突然の強制捜査を行って市場を大混乱させ、ライブドアを上場廃止して、市場からの退場に追い込んだ検察捜査こそが、株主に重大な影響を与えたというべきだと思います。

2011-04-29 22:30:37
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

「思考停止社会」でも書きましたが、株主からライブドア、堀江氏への損害賠償訴訟で、裁判所は、検察が事件着手前に粉飾決算の事実を「公表」したと認定、それを理由に国賠訴訟が提起される可能性もあります RT @koutantan て事は検察に対しての株主からの告訴って形もありなのですか?

2011-04-29 22:45:31
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

昨夜連続ツイートした堀江氏実刑確定についての私の見解ですが、佐藤優氏も同様の見方をし、私の見解を引用してくれています。http://bit.ly/j31zeO 佐藤氏も決して堀江氏擁護者ではないと思いますが、ご自身の経験から検察と刑事司法の実情を的確に客観的に捉えています。(続く

2011-04-30 07:52:47
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)もう一つ指摘しておかなければならないのは、このような経済司法の貧困、経済検察の歪みと、旧来の日本の弁護士との関係です。一つの問題は、いわゆる特捜検事出身の刑事弁護士です。彼らは、このような検察や裁判所の構造の中に取り込まれており、検察に迎合してベタ認めするか(続く

2011-04-30 07:56:53
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)逆に、歪んだ経済刑事司法の土俵に乗って、検察の主張・立証と対決するか、のどちらかです。堀江氏が不幸だったのは、一審、二審の弁護人が後者のタイプで、検察の土俵で、ダミーファンドかどうかとか共謀の成否などの、検察が最初から防衛線を敷いている点の攻撃に終始したことです。(続く

2011-04-30 08:00:58
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

また堀江氏の法廷での挑戦的態度も抑制しようとしなかったために、裁判所を刺激し、それが、不良少年を正すような情緒的判決に至らせた面もあります。この点は、「ホリエモン実刑に異議あり」という論考http://bit.ly/hujZgN にも書いています。(続く 

2011-04-30 08:04:06
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)その結果、ライブドアの証券取引法違反を、刑事処罰することの経済社会的な意味づけ、経営者としての社会的責任と刑事責任の関係、背景となった検察捜査の構造的な歪みという問題に裁判所が目を向けることを妨げてしまった面があります。

2011-04-30 08:10:06
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)もう一つの問題は、いわゆる消費者保護系の弁護士の人達の単純化した物の見方です。一般的に、消費者利益を害したかどうか、違法か合法化、という二分法で物を考えるので、何とか有罪にさえすれば良いという検察の考え方を、そのまま後押しすることにつながります。

2011-04-30 08:15:17
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

議論しているのはベンチャーの評価ではなく粉飾決算に対する刑事罰の適用の問題です。資本取引と損益取引は十分に区別しているつもりです RT @eightbirdy 資本取引と損益取引の区別は資本市場では極めて重要で、特にベンチャーの評価では致命的に重要で、技術的、瑣末な問題ではない

2011-04-30 09:22:26
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

「『法令遵守』が日本を滅ぼす」(新潮新書)で、ライブドアの時価総額拡大の経営手法を批判した上、刑事事件とすべき悪質な粉飾決算とは言えないことを書いた部分です。⇒(cont) http://tl.gd/a5rgk4 この部分は有力な会社法学者との議論を踏まえて書いたものです(続く

2011-04-30 14:01:34
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

続き)ここで言うところの「ファイナンス理論」の見解を私が支持しているわけではありません。ただ、当時の会社法改正にも大きな影響を与えたこの考え方からすると、ライブドアの粉飾決算が悪質とは言えないということになり、要するに、いろいろな考え方があるということです。(続く

2011-04-30 14:04:00