【2011年記念】 x^2011-1 の因数分解
連続した11個の素数 157+163+167+173+179+181+191+193+197+199+211 がまた素数の2011になるとかなんとか
2011-01-01 14:43:14言うまでも無いけど、正解!!! QT @yamabunmath: @alg_d f(x) = (x - 1)(x^2010 + x^2009 + ・・・ +x +1)
2011-01-01 01:44:17意外とリツイートされてしまったので想定していた解答を書こうかな。 QT @alg_d: 2011年記念問題: f(x) = x^2011 - 1 を(有理数の範囲で)因数分解せよ.
2011-01-05 23:29:26x^2011-1 = (x-1)(x^2010+x^2009+…+x+1) となるのは自明なので、x^2010+x^2009+…+x+1がこれ以上因数分解できないことを示すのが目標になる。
2011-01-05 23:31:33そこでコレを使う【Eisensteinの既約判定法】多項式 x^n + a_{n-1}x^{n-1} + … + a_{1}x + a_0 (各a_k ∈Z) は、「ある素数pについて、a_0,a_1,…,a_{n-1} はpで割り切れて、a_0はp^2で割り切れない」時、既約
2011-01-05 23:36:38【例】x^2+2 は条件を満たすので既約( 0はpで割り切れるとみなす )。一般にx^n+p は既約。逆にx^2 + 4x + 4 は2^2が定数項を割るから既約とは言えない。
2011-01-05 23:39:44さて g(x) := x^2010+x^2009+…+x+1 が因数分解できないことを言うが、そのためにはh(x) := g(x+1) が因数分解できないことを言えばよい。(h(x)が因数分解できる⇔g(x)が因数分解できる)
2011-01-05 23:41:28x^2011-1 = (x-1)g(x) だったので xをx+1に置き換えれば (x+1)^2011-1 = xh(x) 即ちh(x) = x^2011 + 2011C1x^2010 + … + 2011C2x + 2011C1 となる。
2011-01-05 23:44:172011Ckは2011で割り切れ、2011C1 = 2011 は2011^2で割り切れないから、h(x)はEisensteinの既約判定法により因数分解できない。よってg(x)も因数分解できないので証明が終わった。
2011-01-05 23:45:55今のは2011が素数である事しか使って無いので同じようにして一般に「x^{p-1}+…+1」が因数分解できないことが分かる。
2011-01-05 23:47:21Eisensteinの既約判定法の証明は詳しくは書かないが、実はそんなに難しくない。(完全に書こうとすると結構面倒くさい。)
2011-01-05 23:48:57まずコレを認めておく(もちろん、整数とは有理整数のこと)【補題】整数係数多項式は、整数の範囲で因数分解できなければ、有理数の範囲でも分解できない。
2011-01-05 23:51:25補題によれば、Eisensteinの既約判定法を証明するには、x^n + a_{n-1}x^{n-1} + … + a_{1}x + a_0 = (x^m + b_{m-1}x^{m-1} + … +b_0)(x^k + c_{k-1}x^{k-1} + … +c_0) と
2011-01-05 23:55:52