安井飛鳥(@kiwi250r)さんによる、司法試験論文答案を時間内に書き切れない理由の分析

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DJあすか @kiwi250r

今年受験した同期や後輩からぼちぼち試験の報告を受けています。新形式になって試験時間が短くなった割に問題の分量が多くて全部書ききれなかったという感想が多いですね。

2011-05-22 20:13:25
DJあすか @kiwi250r

同期や後輩からは時間内に書き切れない理由として文章を書くスピードが遅い,②問題文を読むのに時間がかかる、③書くべき論点がわからない、④論証を思い出すのに時間がかかる、⑤自分の構成に自信が持てず書き始められない、みたいなことをよく聞きます。

2011-05-22 21:30:13
DJあすか @kiwi250r

は,こればっかりはその人次第。早い人は早いし遅い人は遅い。自分も、そんなにたくさん書ける方ではなかったです。写経等文章を書きまくれば多少は向上すると思うけれど答案用紙数枚分と劇的にスピードが向上することはないです。むしろ、②以下の理由が影響していることの方が多いと思う。

2011-05-22 21:33:55
DJあすか @kiwi250r

は多少慣れも影響してると思う。普段から判例の地裁原文なんかを読む癖をつけている人からすれば、本試験の問題位はそんなに面倒には思わないはず。でも、それ以上に問題文の読み方というか心構えが大事かと。技術的に斜め読みしようとするとかえって事案を把握できず何度も読み直すハメになる。

2011-05-22 21:37:18
DJあすか @kiwi250r

これは意見が別れるところだけれど、自分は基本的に問題文は一読で完結するように読んでいました。一行ずつ念入りに読んで、争いのある事実や意味深な間接事実をチェックし、適宜条文を適用して法律関係を確定させていく。問題文を読み終わる頃には法的処理も終わっている。

2011-05-22 21:41:38
DJあすか @kiwi250r

あとは設問で要求されている部分を抽出して答案として構成しなおすだけ。1回読み終わるまでに20分近くかかるけれど、何度も読み直したり、あてはめで事実を探し直すこともないので結果として答案を書くスピードがぐんと上がる。また最初に先入観なく問題を読むことで重要な事実の見落としも防げる。

2011-05-22 21:45:01
DJあすか @kiwi250r

が恐らく受験生の大半が悩む点だと思いますが、これが俗にいう論点主義に陥ってしまっている人だと思います。書くべきかどうか迷ってしまうのは、当該条文や論点の本質が理解できていない証拠です。正しい法的思考をしていれば論点を書いたほうがいいかどうかという悩みは出てこないはずです。

2011-05-22 21:51:07
DJあすか @kiwi250r

自分が事実に対して条文を適用することに問題があると思うのならば論点を書くし、問題がないと思うのならば書かない、ただそれだけです。他の受験生も書くかどうかとか、有名論点であるかは思考上はどうでもいいことです。

2011-05-22 21:54:07
DJあすか @kiwi250r

は論外。論述のうえで思い出すという過程が入るとそれだけで記述のスピードががくんと落ちます。論述も自然と自信なさげなものになります。出来上がった規範や論証に頼ろうとしないで覚えていなかったらその場で即興で論証を考え作り出す覚悟が必要だと思います。丸暗記ではない理解が前提ですが。

2011-05-22 22:00:37
DJあすか @kiwi250r

がよく勉強している人、目的意識が高い人が陥りがちな落とし穴。自分もこのタイプでした。本試験なんだからもっと高度な分析を要求されているのではないか、みんなもっと凄いことを書いているのではないかと不安になり、構成で足踏みしてしまうんですよね。

2011-05-22 22:02:27
DJあすか @kiwi250r

この理由で悩んでいる人は実際のところ最低限の要求に応えた構成は既に出来ていることの方が多いです。ようするに考えすぎ。本試験で特別なことを書く必要はない、当たり前のことを当たり前に書いていけばいい、他の受験生がどう書くかなんてどうでもいい、ということを認識できれば悩みは晴れるはず。

2011-05-22 22:05:40
DJあすか @kiwi250r

自分は秋の1回目の公法系答練(まだ4時間のとき)では、行政法が1枚弱の途中答案という散々な状態でしたが、上記①〜⑤の点を指摘され意識を変えて書くだけで2回目は、多少端折りながらも憲法、行政法を書き切れました。そして3回目には、5分以上時間が余るようになりました。

2011-05-22 22:08:52
DJあすか @kiwi250r

ちなみに自分は、自分の絶対的な書くスピードの関係から答練では答案は5枚書ければ十分と思っていました。実際は平均6枚位。7枚以上になったら無駄なことを書いているのではと思うようにしました。少ない枚数の中でまとめあげるいい練習になったと思います。

2011-05-22 22:14:42
DJあすか @kiwi250r

修習の起案もそうだけれど,時間内に重要度に応じてメリハリをつけつつも形式面をきっちり整えて過不足なく最後まで書き切る能力が要求されているのがよくわかる。書くことが多すぎて時間内に書き切れなかったというのは言い訳でしかない。まず書き切れるようにしないといけない。

2011-05-22 20:29:52
DJあすか @kiwi250r

在学中は実務で六法だけ見て数時間で起案する機会なんてないのだから本試験の方式は不合理がと思っていた。でも実際のところBもPもJも膨大な量の起案や期日に追われていれて丁寧に調べものをする時間もないし起案に費やせる時間も僅かしかない様子。本試験では時間管理能力も試されてるんだな。

2011-05-22 20:36:29
DJあすか @kiwi250r

まだ問題文見ていないけれど今年の問題って内容的には典型論点ばかりで論証暗記型でも対応できそうにみえるけれど,実際のところは,書くべき内容の見極め,メリハリをつけることが要求されていて論証暗記型の人と理解している人で差ができるようにうまく作られているのかなと思いました。

2011-05-22 21:04:08
DJあすか @kiwi250r

過去問を解くときは時間無制限で完全解を目指すのではなく、時間内に六法だけを見て前知識なしでどれだけのことを書き切れるかを意識してやるべきだと思う。2回目、3回目の検討では、前知識がある分時間を短く設定するなど工夫して。内容の高度差よりも優先すべき課題がみえてくるはず。

2011-05-22 22:45:23
DJあすか @kiwi250r

法律の勉強は、基本書を読んでいるだけではだめで早い段階からアウトプットをセットで行う必要があるけれど、アウトプット=答案練習と考えるのは違うと思う。正しい法的思考枠組がつかめていない状態で毎日しゃかりきに論文を書きまくっても、効率悪いし腱鞘炎を頻発させるだけ。

2011-05-22 22:47:35
DJあすか @kiwi250r

判例集と条文を用いて自分の頭で事実に対して条文をどのように解釈してどのようにあてはめていくかを考えていればメモ書き程度でアウトプットとしては必要十分。この思考訓練を毎日コツコツ続けていれば、答案を何十、何百通も書かなくても自然と起案能力は身につくはずです。

2011-05-22 22:52:16
DJあすか @kiwi250r

自分は3年時の週1回の答練と直前期の全国模試以外は実際に答案を書く練習はしていません。過去問検討もメモ書きレベルで答案構成をしただけ。それよりもより多くの条文、判例をおさえる時間の確保を優先しました。

2011-05-22 22:55:02
DJあすか @kiwi250r

ロー1年のころ答案を書かなきゃという思いから答案のようなものを作成して教授や合格者の人に見てもらおうとしていたけれど,あのときに教授や合格者の方々が苦い顔をしていた理由が今ではよくわかる。基本が身についていないうちは、答案がどうのこうのというレベルではないんだよな。

2011-05-22 23:03:42