どんなに多くの時間と労力を使って努力をしても、どんなに立派な理論や作戦を構築しても、自分自身が選択し、決断したことには、責任を取らなければならない。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:40:19正しく、クールに決断するのも重要であることは疑う余地がないが、それと同じく、自信を持って後悔しない道を選択し、決断するのも大切ではないかと思う。前者は理論・論理・セオリーであり、後者は感情・情緒とも言えるかもしれない。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:41:57経験を積めば積むほど「大局観」の精度は上がっていく。がむしゃらに読みこむ力は、年齢が若い棋士が上だが、熟年になると、この「大局観」で逆に「読まない心境」となり、勝負の上で若い棋士とも互角に戦える。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:43:45もがき続けて習得したものは忘れにくい。というより、忘れることができない。泥臭く頑張るのは現代にはマッチしにくいのかもしれないが、それでもある部分においては、無くてはならないことなのではないかと考えている。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:45:21リスクを取らないことが最大のリスクだと私は思っている。なぜなら、今日勝つ確率が最も高い戦法は、三年もたてば完全に時代遅れになっているからだ。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:46:25闇雲にリスクを冒してチャレンジすればいい、というものではない。チャレンジの期間は、目安を決め、柔軟に対応するのがよいと思っている。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:47:54当然、「ハズレ」のリスクはあるのだが、自分が予報を見るたびに当たっていると、あたかも的中率100パーセントのように錯覚してしまうことがあるのだ。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:48:58リスクにきちんと正面から向き合い、リスクに伴う恐怖や不安に打ち勝つことが、永続的にリスクを取り続ける王道だと、私は思っている。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:50:05大きなリスクを取るということは、スピードを出している状況と同じで、視野が狭くなる傾向がある。リスクばかりに焦点を当て、他の部分に注意が行き届かなくなってしまうわけだ。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:51:08最後に思いついた別の選択肢が、やけにうまくいきそうに見えることがある。しかしこれは、「なかなか決断ができずに苦しんでいる状況から、一刻も早く抜け出したい」という心境が生み出している‶錯覚″であることが多いのだ。私の場合、第三の選択肢が出てきたときには、
2011-06-07 09:53:25将棋にはおもしろいミスの法則がある。例えば、マイナス十点の手をお互いに指したとすると、差し引きイーブンにはならず、あとにミスを指したほうが、マイナス二十点になってしまうのだ。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:55:45一番手ごわいのは、「漠然とした不安」だ。恐怖の対象が明確なら、それについて研究したり考えたりすればいいが、漠然としていると、どうすればいいのか分からない。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:57:38集中力を鍛えていきたいのなら、自分にとって不慣れなテーマを選んで、それについて掘り下げて考え、それに慣れたと思ったらやめて、次のテーマを探すようにするのがよいと思う。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 09:59:38将棋を教えるときに肝心なことは、教わる側は何が分かっていないかを、教える側が素早く察知することだと考えている。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 10:02:01人間というのは、自分で分かっていることに関しては手早くポイントだけを取り出して相手に教えて、たくさんの説明をつい省略してしまいがちだ。そのせいで、教わる側が理解しにくくなってしまうこともある。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 10:03:21小学生に大学の講義を聴かせてもちんぷんかんぷんなように、相手のレベルに合わせて、相手が必要としていることを教えなければ意味はない。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 10:04:10最後まであきらめずにがんばらなくてはいけないという考え方もあるが、結果が明白になり、それが動かなければ、投了でいいと思っている。-羽生善治「大局観」
2011-06-07 10:06:18将棋は勝ち負けの偶発性が非常に少ないので、四百局負けたということは、私には少なくとも四百以上の改善点があることになる。-羽生善治「大局観」
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