橋下府知事@t_ishinの教育についてのツイをきっかけに乙武 洋匡さん@h_ototakeが「僕が教員時代に最も頭を悩ませた問題でもあった」とツイート

いま公式RTした橋下府知事の意見、じつは僕が教員時代に最も頭を悩ませた問題でもあった。僕は、子どもたちに自由に発言させ、自由に考え、人と違うことを良しとする教育をしていたけれど、それって僕のエゴなのではないだろうか。はたして、いまの社会はそのようにできているだろうか、って。 by 乙武洋匡
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橋下徹 @hashimoto_lo

さて、話は変わりますが、大阪維新の会が6月議会で成立させた君が代起立斉唱条例に関して、毎日新聞が記者の目と言う記事で「教育現場に強制はなじまない」との主張をしていました。もう僕と180度価値観が違うので論理的な論争とはならないですが、敢えて言います。教育とは2万%、強制です。

2011-06-12 13:35:02
橋下徹 @hashimoto_lo

価値観の問題ですら論理ではありません。生まれたての赤ちゃんから大人になるまで、教育は強制そのもの。もちろん、子どもが成長するにつれ強制の度合いが弱まり、子どもの自立に軸足が移るでしょう。それでも教育の基本は強制。社会のルールを教えるというのは強制そのもの。

2011-06-12 13:37:09
橋下徹 @hashimoto_lo

ほっといたら、挨拶だってできません。おしっこだって、その辺でし放題。ご飯を食べるときには肘を付く。今の世の中のルールって、全て人間の本能ではできないことばかり。だから教えるしかないんです。場合によっては、子どもを脅してでも。まあ、この辺はあまり偉そうに言えません。

2011-06-12 13:38:50
橋下徹 @hashimoto_lo

長女、長男で疲れてしまいまして、この2人でもまだまだ不十分でしょうが。下に行けばいくほど自由奔放にさせてしまい、挨拶だけでも下に行くと不十分。強制が足りなかった。さっきも子どもの友だちが来まして、そのまま子ども部屋に入って行ったので、リビングに呼んで挨拶させました。これも強制です

2011-06-12 13:41:01
橋下徹 @hashimoto_lo

その子が、思想良心の自由によっておじさんに挨拶はしません!と言っても許しません。それなら、うちでは遊ばないでと外に出します。教員が君が代を起立して歌うことも基本的には同じ。公務員なんですから。そもそも教育現場の話とは異なります。毎日新聞は公務員の規律と教育現場の話しを混同。

2011-06-12 13:44:55
橋下徹 @hashimoto_lo

さらに教育は強制ではないと、何を綺麗ごとを!この記事を書いた記者がどうやって子どもを育てているのか聞きたいところです。大人になってきちんと自立できるようにするためにも、子どもの頃は一定の強制が必要。社会なんて、人間の本能とは正反対のことばかり。このストレスに耐えれないと自滅する。

2011-06-12 13:47:20
橋下徹 @hashimoto_lo

人間の本能のままに生きられる人はごく一握りの才能ある特殊人間。普通の人は、本能と正反対のプレッシャーの中でストレスを感じながら生きていかざるを得ない。このストレスに耐えられるようにするのが教育。

2011-06-12 13:49:29
橋下徹 @hashimoto_lo

教育は強制ではないとバカな綺麗ごとを言う者が、メディアや評論家に増えてきて、教育現場もそれに流され始めたから、社会のストレスに耐えられない大人が増産されてきているのではないか。教育は強制であるとはっきりと位置付けるべきである。

2011-06-12 13:51:32
乙武洋匡 @h_ototake

1.いま公式RTした橋下府知事の意見、じつは僕が教員時代に最も頭を悩ませた問題でもあった。僕は、子どもたちに自由に発言させ、自由に考え、人と違うことを良しとする教育をしていたけれど、それって僕のエゴなのではないだろうか。はたして、いまの社会はそのようにできているだろうか、って。

2011-06-12 13:54:12
乙武洋匡 @h_ototake

2.たしかに橋下府知事が言うように、社会で思うように振る舞える人間はほんのひと握り。多くの人は、誰かの指示を受けたり、誰かの顔色をうかがいながら生きていくことになる。そんな社会に「個性を大切に」と育てた人間を送りだすことは、僕のエゴなのか。結果的に彼らを苦しめることになるのか。

2011-06-12 13:58:01
橋下徹 @hashimoto_lo

このように言いつつも反省。隣で子どもが皆、太鼓の達人をやっています。自分の子どもにはきちんと教育・強制できていないだろうな。これで学校に迷惑をかけていたら申し訳ない。親だけの教育にも限界があります。学校だけも限界。理想を言えば社会全体で子どもに教育、強制を。

2011-06-12 14:01:04
乙武洋匡 @h_ototake

3.いまの社会に適合する人材を送り出すことを「教育」と呼ぶのなら、たしかに橋下府知事の言うように教育とは強制であるべきなのかもしれない。でも、やっぱり、僕はそう思えなかった。何かを強いることで人を育てるという手法が、僕にはできなかった。それがキレイごとであり、バカと言われても。

2011-06-12 14:05:10
乙武洋匡 @h_ototake

4.不登校の子が口にした言葉。「学校には、やらなければいけないこと、やってはいけないことの2つしかない」――じつは、教員も同じだった。「やらなければいけないこと」と「やってはいけないこと」。どちらも、強制。すごく、苦しかった。きっと、子どもたちも苦しいだろうなあと、強く感じた。

2011-06-12 14:09:24
乙武洋匡 @h_ototake

5.社会とはそうした苦しいものなのだから、子どもの頃から管理・強制し、そのなかで生きていける人間を育てるべきという考え方もあるだろう。でも、僕にはできなかった。そんな息苦しい社会を「是」と思えない自分がいたから。子どもを、社会における交換可能な歯車として育てることができなかった。

2011-06-12 14:19:29
乙武洋匡 @h_ototake

6.一人ひとりが自分らしさを大切に生きていける社会。これが僕の理想。だけど、いまの社会はそうなってはいない。僕は、はたして教育者として、「是」と思えない現代社会に適合する人間を育てていくべきなのか、あくまで僕の理想に基づき、個性を重んじた教育をしていくべきなのか。本当に悩んだ。

2011-06-12 14:35:10
乙武洋匡 @h_ototake

7.正解は、ないと思ってる。どちらの手法も、子どものことを思ってのこと。だからこそ、子どもにはどちらの先生にも教わってほしい。「あ、こんな考え方の先生もいるんだ。前の先生と違うな」って。いい意味で“混乱”してほしい。そうすることで、自分で判断する力が養われていくと思うから。

2011-06-12 14:52:37
乙武洋匡 @h_ototake

8.だから、教育界には様々な価値観を持った人間がいてほしい。橋下式もアリ。乙武式もアリ。僕が『だいじょうぶ3組』のなかで、赤尾、白石、青柳など、教員の名字すべてに色を入れたのも、そんな思いから。まずは、教員が色とりどりの存在であるべき。教員だって、「みんなちがって、みんないい」。

2011-06-12 15:00:08
乙武洋匡 @h_ototake

9.連投失礼しました。みなさんの感想が、続々と寄せられています。これだけ多くの方が教育に関心を持ち、子どもの育ちに興味を持ってくださっていることが、何よりうれしい。僕のつぶやきが、みなさんが社会や教育についての考えを深めるきっかけとなれば幸いです。

2011-06-12 15:03:51