90~00年代にミステリファンジン界隈で起きた変化と今後の展望について

標記、上田早夕里氏(@Ued_U)のノワールに関するツイートに触発される形で文藝春秋のクレイジー翻訳編集者・永嶋俊一郎氏(@Schunag)がつぶやき、周囲の人が呼応していたのをまとめてみました。日曜日の夜に何をやっているのか。「暗い月曜日」にするつもりか、と思いました。ミステリジャンルが抱えているこうした課題についてはまとめ作成者(@from41tohomania)自身も思うところがあるのですが、それはまた別の機会に。関心がある方のための参考になれば幸いです。
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@Ued_S

何やら要約を読むだけで盛り上がって参ります。7月刊行が待ち遠しい。RT @Schunag: エルロイ『アンダーワールドUSA』編集作業、終盤に。あらためて読むと、これ、エルロイの中でかなりロマンティックな作品な気がする。ギシギシ軋む帝国主義の超=暴力と、その渦中にいる奴らの

2011-06-15 17:37:49
@Ued_S

もともとエルロイの小説は、毎回おっさんが色々背負い込んでそれぞれに転落したり疾走していくところがイイ!なタイプの小説なのだけれど、今回は特に情が深そうだなあ。そういう要素と現代アメリカ暗黒史が、どんな具合に噛み合っていくんだろう。

2011-06-15 17:38:29
@Ued_S

すみません…。私の場合はSF屋である以前にノワールのファンなので、特殊過ぎて参考にならないのでは、と。エルロイに関してはリアルタイムで追いかけてきました。デビュー作以降全作読んでいますm(_ _)m RT @co_taro: SF屋さんとノワールの相性をすごく聞いてみたいと思う。

2011-06-15 21:17:16
@Ued_S

@Schunag 世界に向けられる視線や構築の手触りがSFとの親和性を生み出すのかもーーというのは同感です。先ほど別の方へのコメントで、SFとノワールは馴染ませ方が難しいのではないかと書いたのですが、この二つの間へ「歴史」という第三の要素を加えると、

2011-06-15 23:40:20
@Ued_S

@Schunag うまい具合に混じり合ってくれる可能性が高くなるのではないか、とも考えています。これは今後の自分の執筆にとっても、大きな指標になりそうな気がしています。

2011-06-15 23:40:35
@Ued_S

あと、「ノワールは90年代に馳星周とかが日本に導入しようとしたけど、巧くいかなかった」これは、そういう一面もあるにはあるけれど、リアルタイムで接してきた人間の感慨としてはちょっと違うなあー(^_^)。同系列の作品なら船戸与一さんがもっと前からいたわけだし、(続き)

2011-06-19 10:18:49
@Ued_S

梁石日さんはこの流れとは関係ない方面から出てきたし。それに、ノワールを語るときに、ここへ至るまでの海外ハードボイルド作品の流れを無視することはできないと思うなあ。古い時代の映像作品とも密接な関係にあるから、日本の受け手との関係はもっと前から遡らないと。(続く)

2011-06-19 10:19:13
@Ued_S

一番近いところでも60~70年代はカバーできてないと不充分じゃないかな。いや、70年代って、本当に、TVドラマレベルでも内容真っ黒だから。10歳ぐらいであれを経験してしまうと、何も怖いものがなくなる(^_^;(続く)

2011-06-19 10:19:28
@Ued_S

なお、これは以前にも書いたのだけれど、「深い感情が描かれている/情念に満ちた作品である」ということは、必ずしも、登場人物が叫び声をあげたり激しいアクションシーンが作中にあるという意味じゃないから。(続く)

2011-06-19 10:19:47
@Ued_S

表面的な冷たさの底でいかに激しい情念を描いて見せるか、ということがノワールの魅力だと個人的には思っています。まー、これは私が、エルロイ以外だとマンシェットを好きだからそう思うだけかもしれんけど。(続く)

2011-06-19 10:20:26
@Ued_S

それにしてもtwitterでこの手の話をするのは本当に気恥ずかしいなあ。うちと相互フォロー関係にある人の中には、この手の専門家(それも筋金入りの)がいっぱい居るんだもの。私よりも、絶対にそちらの方々のほうが詳しいって。そっちに聞いてくれー、というのが本音です(^_^;

2011-06-19 10:21:10
Schün Ngash @Schunag

RT @Ued_S //かつて私らが盛り上がっていた海外ミステリの基盤から完全に切り離された文脈でノワールが語られるというのは、時代の流れを考えると仕方ないのかもしれないけれど、何か、わびしいなあと(^_^;。なので、ちょっと語っておこうかな、ということなのでしたm(_ _)m

2011-06-20 00:16:39
Schün Ngash @Schunag

ノワールについて語ることが、海外の事情を切り離されたかたちで行われ得るということに愕然としつつ、これは俺の世代の海外ミステリ好きが教養の伝承を怠ったせいか、と、ほとんど慄然としている。

2011-06-20 00:18:24
Schün Ngash @Schunag

完全に海外作品と無縁に発展したサブジャンルはミステリにはないと思うんだけど、どうでしょうかね諸賢。極度に尖鋭化した本格ミステリにも海外作品からの影響はあるし。

2011-06-20 00:21:15
Schün Ngash @Schunag

ハードボイルド/ノワール/クライム・ノヴェルの理解と知識って、いつのまにか昭和40年代くらいのレベルに戻っちゃった感があるなあ。

2011-06-20 00:26:27
hina @hina_shella

@Schunag 個人的な経験から振り返れば、海外作品(特にハードボイルド、ノワールファン)は国内作品を読まず、国内作品ファン(特に新本格系)は海外作品を読まないまま来てしまった場合が多々あるのを、そのままにしてしまったような。

2011-06-20 00:29:43
Schün Ngash @Schunag

@hina_shella そうなんですよねえ。手の届きやすい後輩たちは暴力的にw洗脳・教化したのですが、late 90's~ゼロ年代になると怠けてしまった気配もあり。反省しております。

2011-06-20 00:32:14
hina @hina_shella

@Schunag わたしの周囲の場合、大学入学時には同級生も後輩も「好み」がガッツリ出来てて、洗脳する/されるみたいのは不可能でしたね(当時のわたし自身を含め)「人に自分の好きなものを薦める」ときの方法というか作法がわかってなかった気がします。

2011-06-20 00:42:38
hina @hina_shella

なんていうか、CDにしろ映画にしろミステリにしろ「いいからコレを読め!~のレビューで何位だ(何点だ!)」みたいな薦め方をしてる文章を読むと、--- わたしはそれで買ってしまったりするんだけど --- 「それが人にモノを薦める態度か?」とふと思ったりする。

2011-06-20 00:47:12
hina @hina_shella

でも、そういうレビューともいえないレビューが蔓延してると、「人にモノを薦める態度はそれでいい」みたいに受け取る人も出てくるんだよなあ。ううむ。

2011-06-20 00:49:10
Schün Ngash @Schunag

んー。やっぱり「このミス」のプレゼンスが増したことが書籍の体裁によるミステリ・ガイドの存在価値を減じて、それゆえにミステリの良作を伝える刊行物が(それ自体の生命も扱う時間枠も)一年単位のショートタームのものに限られてしまった弊害が出ているのだな。

2011-06-20 00:35:41
里見 哲朗 @satomit

@Schunag 影響を受けたひとたちがゲームやアニメで送り手側になってそこから還流してきてるような気もしますよね。たくさんある娯楽の中からストレートに「書籍」の「小説」の「ミステリ」の「ノワール」を自覚的に選び取るひとは確実に減ってるとは思います。

2011-06-20 00:35:51
Schün Ngash @Schunag

@satomit そうそう。そのへんはここ2年くらいで、ようやく悟りました。だから、ひょっとすると現在は、「ミステリと呼ばれる小説を好んで読むひと」が、このあたりの関心を余り持たないタイプの読者なのかな、とも思います。

2011-06-20 00:40:44
Schün Ngash @Schunag

@hina_shella うちは週イチ読書会をやってたんで、とにかく他人の薦めるものを読む、ということがやりやすい環境ではあったかもしれません。「読書幅拡張」を楽しんでる気配はあったかも。バケモノみたいな読み手が先輩にうじゃうじゃいたせいもありましたけど。

2011-06-20 00:45:31
hina @hina_shella

@Schunag 週イチはすごいですね。うちは月イチでした。それなりにアレコレ読んだんですが、読書会から読書の幅が広がるというのは意外と少なかったです。課題書は読むけど、その関連はもう読まない、という感じの人が多くて(全員がというわけではないですが)

2011-06-20 00:52:28