『教科書の中の宗教——この奇妙な実態』レビューまとめ
- nirvanaheim
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駅近くの日高屋じゃない中華料理屋で麻婆茄子をつつきながら、いただいた『教科書の中の宗教』をざっと読んできた。で、これから帰るところ。
2011-06-24 00:45:57●Amazon.co.jp:教科書の中の宗教――この奇妙な実態 (岩波新書): 藤原 聖子 http://j.mp/kBSymL /ふと件の本の「カスタマーレビュー」を見てみたら単純にアレで苦笑い。ただまあ、この手の戦場にいる人々に向けた目線が皆無だったのは実際不用意だったかも。
2011-06-24 21:29:48『教科書の中の宗教』はの内容は概ね…… ①社会科教科書には実際「特定宗派を奨励している」と言われてもおかしくないような記述が存在する。 ②「教育における政教分離」は政治的タームとなっている日本だが、このような記述に問題があるという可能性が意識されることもないようである。
2011-06-24 21:43:08③このような記述の存在は、官製教育方針において宗教が日本教的徳育*に都合のいいように動員/等閑視されていることや、教科書作成時に非専門家である教科書執筆者や大学受験関係者の素朴感覚がそのまま投影されること、公教育の内容への広範な無関心、などの連鎖によって発生していると想われる。
2011-06-24 22:00:06④このような教育状態は、宗教文化への知見に資さないし、実際に当該宗教文化の人間と遭遇した時の相互理解に有用どころか、偏った見方による認識の齟齬を産みかねない。 ⑤諸外国では、宗教文化の混在共存が一般的なこともあり、生徒がそうした他者と接触することを前提にした方針が模索されている。
2011-06-24 22:05:05⑥ー1まず公教育で宗教を扱うということについて、その目的と是非をきちんと議論し、合意を作るところからはじめるべきだろう。扱うのならば、新たな目的(eg.「少なくとも文化的事実として存在し社会を形成しているものへの把握は必要なことである」)に合わせ内容も適切に改めていくべきだろう。
2011-06-24 22:26:05⑥ー2倫理・道徳教育については、公教育で道徳観を「与えるもの」として扱うこと、一部宗教をそれに役立つ「先哲の思想」の1つとして動員することは、改められるべきだろう。ここにおいて宗教は、生徒自らが道徳的課題について考え、自省する際の、他者他文化の考え方の例として役立つかもしれない。
2011-06-24 22:33:35⑥ー3異文化理解教育という面については、異文化=他者と関る際には、共感/反発以前に、まず「他者を尊重すること」が最低限必要であろうし、「他者を理解する」のはその段階を満たすこと。宗教も、都合のいい部分悪い部分や他との対照によってでなく、その宗教そのものとして教えられるべきだろう。
2011-06-24 22:43:54⑦具体的に何をしていくべきか。教科書・受験関係者、教員や研究者の間に問題の認知を広めネットワークを形成すること、苦境の深刻な教科書会社に支援を行って余裕を与えることなどが差し当たり必要だろう。教えられる能力を持った教員の養成、そのための研究者と教員の交流なども必要であり云々(後略
2011-06-24 22:56:54@nirvanaheim その内容からあのレビューは、タイトルだけ見て本文を読んでいないとしか思えず、苦笑仕方なし。ま、どこぞのお方なのだろうけど。おれも読んでみるかな。
2011-06-24 22:20:40≫@shorie9293 まあ、悪意的に特定の見方をすればああ見れなくもないかもしれません。ただもちろん、自民党のじの字も、政治過程的な話もまったく出てきませんが。まったく逆に、政治的にはナイーヴで学者馬鹿と言われる可能性すらあるでしょう。
2011-06-24 23:10:59まあとりあえず、『教科書の中の宗教』については、特定のクラスタの適切な人があの辺の(Amazonとかの)マーケットにイージー書評を投下するべきではないかと思います。
2011-06-24 23:32:02『教科書の中の宗教』ですが、「あっ、冷静に考えたらこういうことがちゃんと言われたことなかったのね(←こういう、「そういう個々の事例を見て『しょうがないな』と苦笑して終わり、『大体そういう傾向だよね』とだけ思って放置」みたいなのが「広範な無関心」の一例)、出て価値あるね」くらいな。
2011-06-24 23:56:25いや、「出て価値あるね」っていうか、そういう問題があるのか、と認識したり、六章(さっきの⑥⑦辺りに相当)にどう主体的反応をするかとかが重要なわけですが……w /指摘されている問題は問題として、間違いなく存在するとは思います。
2011-06-25 00:08:37