【竹の子書房】 走れ環境経済学者 【デマゴギーブックス】
環境経済学者は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の電力会社を除かなければならぬと決意した。環境経済学者には技術がわからぬ。環境経済学者は、物理は非選択である。理想を語り、市民と遊んで暮して来た。けれども電力に対しては、人一倍に敏感であった。
2011-07-14 11:28:54きょう昼下がり環境経済学者は大学を出発し、節電ダイヤを越え間引きダイヤを越え、十駅はなれた此の東京のターミナル駅にやって来た。環境経済学者には送電の知識も、発電の知識も無い。企業経営の知識も無い。
2011-07-14 11:29:20自然エネルギーの、ナイーブな夢と二人暮しだ。この夢は、日本の或る胡散臭い電話会社経営者を、近々、タニマチとして迎える事になっていた。電田も間近かなのである。環境経済学者は、それゆえ、自然エネルギーの優位性やら原発の危険性やらを説きに、はるばる市にやって来たのだ。
2011-07-14 11:29:30先ず、その情報を寄せ集め、それからターミナル駅の地下街をぶらぶら歩いた。環境経済学者には竹馬の友があった。某自然エネルギー推進派である。今は此の東京の市で、ドヤ顔をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである
2011-07-14 11:29:46歩いているうちに環境経済学者は、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきな環境経済学者も、だんだん不安になって来た
2011-07-14 11:29:59路で逢ったアナリストをつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈だが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。
2011-07-14 11:30:12しばらく歩いて東京新聞の記者に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。記者は答えなかった。環境経済学者は両手で記者のからだをゆすぶって質問を重ねた。記者は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
2011-07-14 11:30:19「電力会社は、人を騙します。」「なぜ騙すのだ。」「電力は足りていない、というのですが、誰もそんな、話を信じておりませぬ。」「たくさんの人を騙したのか。」
2011-07-14 11:30:45「はい、はじめは広野の火力を。それから、休止中の石油火力を。それから、家庭の節電を。それから、企業の節電努力を。それから、揚水発電を。それから、企業の埋蔵電力を。」
2011-07-14 11:30:53がんばりますw RT @azukiglg: @lm700j 続きは?ねえ続きは?是非、弊社竹の子書房デマゴギーブックスから出しましょうw
2011-07-14 11:39:05