茂木健一郎さん連続ツイート 『ハイコンテクスト、ローコンテクストの両方を引き受けようという、「はろ注意報」』

茂木健一郎(@kenichiromogi)さん連続ツイート
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茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(1)ぼくが時々言うしょうもないギャグに、「ハロー注意報というのは外人が話しかけてくるから気をつけろだ」というものがある。パリ滞在中、日本のことを思い、ハイコンテクスト社会の強さと弱みについて随分考えた。

2011-07-21 15:28:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(2)人々の間に多くの暗黙知が共有されている。これが、ハイコンテクスト社会の強みにもなる。たとえば、ふらりと入った料理屋で「ビール2、3本」と言って、あとは「おまかせ」ができるのも、「だいたいこんなものが好きだろう」という、共通の了解があるからである。

2011-07-21 15:29:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(3)日本に来たアメリカ人が、しみじみ言っていた。アメリカでは、朝起きた時から緊張していなくてはならなかったが、日本ではそれがないと。あうんの呼吸で伝わるハイコンテクスト社会の強みは、たとえば製造業の躍進など、日本経済を支える原動力ともなったのだろう。

2011-07-21 15:30:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(4)ところが、インターネットとグローバル化で、時代が変わった。文化背景の異なる人たちと交じり合い、ローコンテクストの中で交流し、ビジネスをやっていかねばならぬ。そうなってみると、今まで強みだった日本人のマインドセットが、大いなる弱みにもなったのである。

2011-07-21 15:31:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(5)どの国、文化圏にも、独自のコンテクストはある。例えば、今、イギリスではNews of the Worldの盗聴事件が大騒ぎ。アメリカにも飛び火。日本人にとっては、それがどうした晩飯食うなだろう。国内、英語圏内部のコンテクストは、他人にとってはどうでもいいのだ。

2011-07-21 15:33:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(6)肝心なのは、英語圏だからと言って、ただちにローコンテクストではないということ。以前、アメリカのウェブサイトは世界に向けてビジネスをしているのに、「州」を入れないと先に進めない間抜けなものがたくさんあった。最近はなくなったのは、アメリカも進化をしたということ。

2011-07-21 15:34:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(7)アメリカは、もともとローコンテクストの社会である。いろいろな文化圏からの移民が交わり、その中で異質な他者との間にわかりやすい記号を共有しなくてはならない。その結果がハリウッド映画。そして、インターネット文化も、ローコンテクストで鍛えられた人たちが創った。

2011-07-21 15:35:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(8)日本に帰ってきたとたん、雰囲気が変わる。均質性を前提にした、ハイコンテクスト社会の湿り気。「おまかせ」や、「ものづくり」のように、それが強みを発揮した領域もあったが、一方で日本人はローコンテクストの荒波にも乗り出さなくてはならない。

2011-07-21 15:36:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(8)日本に帰ってきたとたん、雰囲気が変わる。均質性を前提にした、ハイコンテクスト社会の湿り気。「おまかせ」や、「ものづくり」のように、それが強みを発揮した領域もあったが、一方で日本人はローコンテクストの荒波にも乗り出さなくてはならない。

2011-07-21 15:36:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

はろ(9)にっぽんに、はろ注意報発令。ハイコンテクストだけでなく、ローコンテクストにも向き合おう。そうすれば、ハイコンテクストの母国を「安全基地」として、世界に貢献できる素晴らしい新文明がつくれるさ。ホームと、アウェーの汽水域。はろ、はろ、はろはろはろ!

2011-07-21 15:38:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、ハイコンテクスト、ローコンテクストの両方を引き受けようという、「はろ注意報」についての連続ツイートでした!

2011-07-21 15:38:58