liam_y23さんの考える『デモの意義』
そういえば先日講演を聴く機会のあった中国情勢に関する著名な評論家の石平氏が、「二桁の経済成長率でも中国人はしょっちゅうデモをやっている。(これから経済が低成長に突入したらただでさえ多いデモがもっと増える)そこが日本人との大きな違いだ」と言っていた。
2011-08-04 20:25:50僕は特にデモが好きなわけではないしデモだけで何かが変わるとは思わないけれど、昨年敢えて就活デモの実行委員に加わろうと思ったきっかけは、就活デモも「解決策を示せ!」とよく批判をされたが、果たして解決策が分からないことが雇用問題や就活問題が解決しない原因なのかと疑問に思ったからだ。
2011-08-04 20:32:41僕は自分が好むと好まざるにかかわらず正社員の解雇規制を緩和する雇用流動化政策は今の日本にとって絶対に必要な政策だと考えているが、この政策を始めて知ったのは城繁幸さん(@joshigeyuki) の本がきっかけだった。
2011-08-04 20:36:30雇用流動化政策のように本屋に普通に置いてある本に書かれていて普通の大学生でさえ知っている政策を政治家が知らないはずはないだろう。実際@joshigeyukiさんのブログやツイートを読んでいても、民主党や社民党の政治家でさえも本当は理解していることを示唆する場面がたまに登場する。
2011-08-04 20:39:52にもかかわらず正社員の解雇規制緩和が実行されないどころか選挙の争点にすらならないのは、明らかに「解決策が分かる」ことと「解決策が実行される」ことは全く別の話であるということを表しているように思えた。解決策が分かれば解決する、解決策が分からないから解決しないという単純な話ではない。
2011-08-04 20:44:36これは雇用問題に限らず他の問題に関しても言えることで、解決策が何なのかということと同時に「解決策が実行される為の条件は何なのか」という視点が必要になるのではないか。そういう意味では@allergen126 さんが訴える投票率の向上は後者の視点から非常に的を得ているように思う。
2011-08-04 20:51:28就活の問題は企業の問題=経済的な問題なので政治に訴えるのは筋違いという批判があるが、解雇規制は採用抑制という長期的には企業にとってもデメリットの多い雇用調整のやり方を企業に押し付け就職氷河期という就活問題の原因になっている。
2011-08-04 21:00:24加えて雇用調整助成金には新規雇用の創出を抑制する効果があるし、36協定に代表される緩い労働時間規制は新規雇用を抑えて残業で解決するインセンティブを企業に与える。
2011-08-04 21:05:13そして新卒一括採用も年功序列・終身雇用が原因だと指摘されているが、これまで挙げた政策も「雇用の維持」という政策目標に起因している。そこまでして政治が企業の雇用維持を支援する背景には社会保障の不備という問題が存在するわけで、結局日本においては就活問題は大いに政治的問題なのだ。
2011-08-04 21:11:09そしてそんな大いに政治的な問題である就活問題を解決するにも、当然「解決策は何なのか」と「解決策が実行される条件は何なのか」の両方を考える必要がある。解決策の実行を阻害する最も大きな要因は政治家にとって''この問題に取り組んだり解決するメリットがない''ではないのかと僕は考えた。
2011-08-04 21:21:38@allergen126 さんが指摘する若年層の低投票率に加え、既得権者が多いため支持基盤を失う恐れがあること、また若者がどういう状況に置かれているのかそもそも知らない、問題に関心がない人もいるのでわざわざ取り組んでも支持に繋がらない可能性が高いこと。政治家も損得で動くのだ。
2011-08-04 21:28:51ではその構造の中で問題の解決に向けて当事者の大学生が担うべき役割とは何か?やはりこの問題に関心がない人やよく知らない人へ問題を周知して解決に向けた世論を形成すること、そしてこの問題への取り組みを期待する声を目立つ形でまとめることで政治に取り組むメリットを与えることだと僕は考えた。
2011-08-04 21:38:22その為に有効な手段こそが僕にとってはデモだった。解決策が見つかってもそれが法律の変更や利害関係の調整が必要な場合、結局有権者や日本国民といった当事者以外の層も含めた単位での問題の共有が必要不可欠になってくる。問題解決のプロセスのどこかで必ず必要な作業だ。
2011-08-04 22:24:47また先程就活問題は大いに政治的な問題だと述べたが、企業が関わる以上少なからず政治が介入することが望ましくない経済的な問題も存在する。問題の周知を通して世間的なバッシングを生み出せれば政治や法に替わり経済的な問題に対する抑止力になり得るのではないかと期待した部分もある。
2011-08-04 22:29:11それになにより既存の労働環境や慣行には制度やインセンティブだけでは説明出来ない、日本人の価値観や考え方によって支えられていると考えられる点も多いため、インパクトを与えたり議論を呼び起こすことで価値観を揺さぶってそういった制度の転換に繋がるきっかけになればと思った面もある。
2011-08-04 22:33:36人によっては「今の就活のシステムを転換する」という目標に対し、デモという行為は非常に短絡的だと感じたようだが、これまでそこに至った経緯を紹介したように、少なくとも僕の中では労働政策を勉強し問題の構図を考えて様々な手段を検討した上での満を持しての就活デモ実行委員だった。
2011-08-04 22:40:50なお、これはあくまで僕個人の考えであって、他地域の実行委員の方々や関係者はもちろん、東京の実行委員に共通する考えでもないことを最後に断っておきたいと思います。
2011-08-04 22:42:28このまとめに対する反応など
「liam_y23さんの考える『デモの意義』」 http://togetter.com/li/170477 少し価値観の違いがあるけど、雇用について今後の在り方についての希望は同意見だった。
2011-08-05 12:35:07@vourja 長文を読んで頂き有り難うございました。もし宜しければ価値観の違いというのがどういうものなのか教えて頂けないでしょうか。
2011-08-05 19:02:48@liam_y23 雇用流動化は若者の話だけではなく、働き方や移民の問題などの国の在り方そのものの問題との認識があります。 なのでデモの対象は若者だけで良いのか、幅広い層からの支持を得ないと無理なのではないか、対立構造になってしまわないか、との懸念が浮かんだからですね。
2011-08-05 19:22:28@vourja 確かに雇用流動化はおっしゃるような要素に加えて社会保障や家庭の役割さえも含んだ国の在り方にかかわる問題で、若者だけでどうこうなる話ではないですね。ただ雇用流動化は就活問題の直接的な解決策ではなく解決に向けたいくつかのピースのうちのひとつだと考えています。
2011-08-05 19:54:44@vourja 説明が難しいんですがもっと狭い範囲の問題から就活問題の争点は他にも色々あって、利害関係者が少なかったりハードルの低いところから手をつけていければと思います。そしてそのずっと先の究極の問題が働き方や国の在り方といった全国民が利害関係者の問題という感じでしょうか。
2011-08-05 19:55:12@liam_y23 ボトムアップ式でやるイメージですね。良き賛同者が見つかって広まっていって欲しいですね。ご活躍を願います( ´ ▽ ` )ノ
2011-08-05 20:02:22立場的に政策が取れないのかな?どこ向いて政治をしてるのかよく分かるし、日本の国のことなんて、何も考えてないことが分かる。考えてるのは保身だけ RT @liam_y23 雇用流動化政策のように本屋に普通に置いてある本に書かれていて普通の大学生でさえ知っている政策を政治家が知らないは
2011-08-05 08:36:12