サンデル白熱教室についての覚え書き
たしかに講義のうまいひとではある。その文章のわかりやすさは『リベラリズムと正義の限界』の訳書を読めば… QT @KenjiTsukagoshi: NHK、政治哲学者マイケル・サンデルの講義を放送。間違いなく世界最高の知。みるしかない。http://bit.ly/9dnCh0
2010-04-03 13:21:36サンデルを読みたいのであれば、『思想』904号(1999)掲載の中野訳「公共哲学を求めて:満たされざる民主主義」がおすすめだと思う。読みやすい訳だし、分野を超えて重要な内容が書かれている。
2010-04-03 13:26:08サンデルについて微に入り細に入り論じたものとしては、大森さんの『…法理論』 http://bit.ly/d9iVfn もいいのだけど渡辺さんの『…周辺』 http://bit.ly/9x7KyJ のサンデル批判(特に二、三、五章)を読むべきでしょう。テイラー読みにとっても必読。
2010-04-03 13:44:42サンデル祭りっぽいからこれも。QT コミュニタリアンのひととか生命倫理のひととかがサンデルのエンハンスメント批判 The Case against Perfection, http://bit.ly/8LVLe6 を正面から取り上げないのはなぜだろう。格好のネタなのに。
2010-04-03 14:02:04サンデルのハーバード講義、サンデルのパフォーマンスも大したものだが、発言する学生の聡明さにもビクーリする。あとマイクを運び、発言者の斜め後ろでいい感じで微笑んでいる方々はTAか。あと、これは政治哲学の講義というよりは、応用倫理学と呼ばれている分野についての演習ですなあ。
2010-04-05 07:03:35@h_takada1978 十年前に出た Debating Democracy's Discontent http://bit.ly/dxAUeF 以降はあまり見ないような気がします。大森さんもサンデル研究からは撤退したっぽいし。もともと教育的な意図でものを書いてるみたいだし。
2010-04-05 10:47:05リベラリズムを理解するためにロールズを読み、コミュニタリアニズムを読むためにサンデルを読む人もいるのだろうが、ロールズとかサンデルを丁寧に読んだ人の実感は「リベラル」とか「コミュニタリアン」なる総称の扱いの難しさなのではないかと思うが、どうだろうか。
2010-04-07 06:24:11これは読んでないとね。QT @mori_tatsuya: //ムルホール/スウィフトの『リベラル・コミュニタリアン論争』 http://bit.ly/bXMvmg は、論争の見取り図と、「公共哲学」展開(96年)以前のサンデルの位置づけがわかります。標準的なテキスト。
2010-04-07 08:42:10あとはサンデルの『ポリティカル・リベラリズム』書評も翻訳があるのだから読んでおかないと。 http://j.mp/dmhRR2 http://j.mp/d43S0s http://j.mp/9chHWw
2010-04-07 08:45:58これもまだ密林には出てませんが、東京大学の井上彰さんから『はじめて学ぶ法哲学・法思想』を頂いておりました。ありがとうございます。『はじめて学ぶ政治学』 http://bit.ly/aHnZX2 と同じシリーズですが、『…政治学』で大きく改善された編集方針が引き継がれています。
2010-04-19 15:02:41比較的堅実な章が並ぶ中、「生命・先端医療」の章がミルとバーリンで書かれている辺りは、ちょっとビクーリしました。文献案内にあるドゥオーキン『ライフズ・ドミニオン』とかレオン・カス(ブッシュ政権下での生命倫理評議会でサンデルと組んだ人ですよね)『治療を超えて』の方が…。訳あるし。
2010-04-19 15:53:02レオン・カス(「レオン」を省きにくい…)の関連著作の邦訳は、『治療を超えて―バイオテクノロジーと幸福の追求 大統領生命倫理評議会報告書』 http://bit.ly/a5mIE4 『生命操作は人を幸せにするのか―蝕まれる人間の未来』 http://bit.ly/9iF09d
2010-04-19 15:58:11再掲でつが QT: ミル『功利主義』には " In the golden rule of Jesus of Nazareth, we read the complete spirit of the ethics of utility." という有名な一節が……。
2010-04-25 02:08:07まあ、カタログ作るなら、サンデル自身の著作→リベラリズム論争関係 http://bit.ly/d3Tmqi http://bit.ly/c9RujW →現代政治哲学の論点 http://bit.ly/aY97Dy 争点 http://bit.ly/aKufOA あと各種論文集。
2010-04-25 02:17:26非常に不十分な説明になるが、ミルはベンサム的な〈ヘドニズム+帰結主義〉という意味での功利主義は放棄している。それでも功利主義という言葉を手放さなかったのは、他に適当な言葉が思いつかなかったからだとぼくは理解している。
2010-04-25 02:20:45property rights と human rights は別物。財産権理論は既成事実としての私的所有を説明するための学説。普通選挙制度はこの二つの権利の対立を有産者(財産権)と無産者(選挙権)の対立として、より具体的には立法部による財産権の侵害の問題として顕在化させる。
2010-04-25 02:30:19〈正しい手続きを経て取得された財産は正しい財産である〉というのがロック=ノージック的な所有権理論。だから、ロック的但し書きという制約はあるものの、正しい格差というものが存在しうる。
2010-04-25 02:36:52まったき自然状態に戻れるかどうかといえば、貨幣の発明によって顕在化した運の不平等に応答すべく、ひとびとは社会状態に入ることを選択せざるをえなくなったという経緯がある。この貨幣経済による危機の顕在化という論点が案外重要。
2010-04-25 18:55:08@ClothSack うろ覚えですけど、確か〈生産物はいずれ腐るから格差といってもたかが知れている状態〉が、貨幣の発明で〈過去の生産量の格差が腐らない富の格差として、更に格差を拡大する状態〉へと移行し、格差が社会不安を招いて、社会状態への移行を不可避にするという理屈だったかと。
2010-04-25 19:16:44マルクス主義系のロック研究者が『統治論』の当該箇所をひどく嬉しそうに分析している論文を大昔に読んだことがあって、結構衝撃を受けた記憶があります。
2010-04-25 19:19:09リバタリアニズムといっても、政府の干渉の抑制を唱える際の根拠が、自由な市場経済の合理性という経済学的なものである場合(ハイエク)と、前国家的な〈自己所有権→財産権〉の擁護という道徳的なものである場合(ノージック)を分ける必要があると思うのだけど、どうなんでしょうかサンデル先生。
2010-04-25 19:26:10