- komainu9878
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阪神大震災のとき、現役京大生が救援物資の在庫管理を担当。すべての物資の種類、数を把握し、1500名いる被災者の消費量を計算してどの物資がどのくらい不足するかを予測し、ボランティアに的確に指示を出すので「歩くコンピューター」と呼ばれ、被災者の子どもたちに人気だった。
2021-10-20 17:24:42しかし1500人もの人たちを支える救援物資の膨大さ、しかも全国から送られる救援物資は、ダンボール箱を開けてみないと入数と種類も分からない。種類ごとに分別もしなきゃいけない。あまりの過労でぶっ倒れてしまった。
2021-10-20 17:26:26新しい物資担当は、左官の若者(その京大生と同じ年)。 「とてもじゃないけどあの人のマネはできません。僕のやり方でやらせてもらっていいですか?」 人がいなくて代わりはいない。みんな、彼にお任せすることにした。その「やり方」は。
2021-10-20 17:29:22品物ごとに山を作った。服の山、毛布の山、ラーメンの山、ミネラルウォーターの山。面積が必要になるけれど、ざっくり山の大きさを見れば物資の在庫量が一目でわかる。「あの物資は3日もたないな、じゃあ今度はあの物資を確保してこよう」と、各ボランティアが自発的に動くようになった。
2021-10-20 17:32:14来る物資は片っ端からそれぞれの商品の山に積んでおく、というルールだけ承知すれば、誰でも物資管理ができた。左官職の若者が物資管理の担当になってから、物資管理をする必要がなくなった。
2021-10-20 17:34:02熱が下がり、京大生が現場に戻って来たときには、もう物資管理の必要はなくなっていた。彼は驚いていた。物資の種類と数は自分しか把握しておらず、どの物資がどれだけ不足しそうかということも京大生に聞かないと分からなかったのに、その必要がないシステムに変わっていたことに。
2021-10-20 17:36:27なんでこのシステムを思いついたの?と左官職の若者に聞いたら「仕事でやってるんすよ」と。材木やクギなど、種類別に在庫管理して、誰の目にもどのくらいあるのかわかるようにしておけば、気づいた人間が補充するというやり方で在庫切れを防止してるらしい。なるほど。
2021-10-20 17:38:53左官職の若者が導入した「物資ごとの山」は、私も京大生の同級生も思いつかなかった。管理の容易さ、誰もが自発的に物資管理を行える機能性、何をとってもこちらの方が仕組みとして優れている。「頭がいい」というのは、なるべくシンプルな答えを出す力なのだな、と痛感した。
2021-10-20 17:44:01