「同人と金儲け」に対する現場からの返答

@loser_kkk

なんか同人が儲かる儲からないという話題が出ていたので、自分達の活動の区切り＆ひとつの具体例として何か参考になればと思い、電開製作所及び有限会社るざりんの比較的具体的な売上の歴史を振り返ってみます。以下、長文を垂れ流しますがご容赦のほど。

@loser_kkk

最初期、95年～97年くらいまで。ディスクマガジン「ごきげん」の頃。スタートから超連射にくっついて下駄を履かせてもらってたおかげで、実は初参加から今に至るまで売上0とか1桁しか売れなくて途方に暮れた経験は無いです。

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X68k界隈の同人活動が盛んだったこともあって、1号～7号まで大体平均100枚前後売れていました。そのお金で当時はブルジョアにも毎回寝台特急で上京していました。単に製作がギリギリで、列車の中で作業しないと間に合わなかったから、というのもありますが。

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98年。超連射サントラ初めのプレス盤。当時は今みたく安くて同人向けに営業してるプレス会社が皆無で、500枚プレスするのに40万近くかかったうえにブックレットの印刷が思いっきり斜めになっていた。最初のコミケで100枚くらい売れて、3年かかって500枚完売。

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当時は同人ショップもまだとらのあなが関西に無くてショップ委託というものの存在自体知らなかったので、大小色んなイベントで少しずつ売って、なんとか500枚売り切った、という感じでした。

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最初のコミケでの頒布の際、ずるやんと2人で500枚大阪から寝台特急に乗ってカートで自力搬入したのを覚えてます。二度とやるもんか、と思いました。1,000円で頒布してプレス代に40万かかってるので、かろうじで元は取れた感じで。

@loser_kkk

飛んで2003年。超連射4枚組サントラ。初めてショップさんに委託を申し込んでみたら2,000セット発注が来てどうしようか悩むもとりあえず2,500作る。150万くらいかかって、当時お金が無かったので親に借りたりずるやんに一部立て替えてもらったりでなんとか捻出。

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売れなかったらどうやって暮らしていこうか結構本気で思い悩んでいたのですが、初頒布の夏コミでなんとか800セット近く売れてとりあえず赤字は免れる。このとき島中で、行列は出来ないけど始終スペースの前から人が途切れないくらいの感じでした。

@loser_kkk

だから行列の出来ているサークルさんは最低でも4桁は出ているのでは、という考え方もできますが、完売で買えなくなるのを避ける為に一時的に人が集中している可能性もあるので一概には言えないと思います。

@loser_kkk

超連射サントラは最終的に一回追加プレスして、これも2年か3年かけて計3,000セット完売しました。追加プレスした500セット(2,000枚)がなかなか捌けず、在庫がずっと部屋を占拠し続けていたのも今となっては良い思い出です。

@loser_kkk

売上額は概算で、400万強くらいでしょうか。単価が大きい(2,000円)のもあって、金額としては結構な額になりました。プレス代等諸々経費を省くと儲けは200万くらいで、とりあえず1～2年くらい生活費の足しになりました。

@loser_kkk

2005年。るざりんベストアルバム「Loser Kashiwagi is NOT dead」。これが現時点で一番売れた作品です。初回3,000枚、再販盤が2,000、1000、500と確か3回プレスしてるので全部で6,500枚。全売上は大体800万くらいです。

@loser_kkk

制作費は、初回に冊子を付けたりマスタリングをオレンジの小泉さんにお願いして結構かかっていまして、追加プレス分も合わせて総額は大体250万くらいだったと思います。それでもぶっちゃけそれなりに儲かり、2006年、2007年くらいはほぼこのCDの売上だけで生活してた記憶が。

@loser_kkk

ちなみに初回のコミケは初の壁参加で、超連射と同じく行列は無いけど大体ずっと人が途切れない感じで確か750枚ほど売れたと記憶しています。この2003～2005年が売上数としては全盛期ですが、最後尾札が必要になったことは無いので、大手ではないと認識しています。

@loser_kkk

あと、売上額も結構な額になっていますが、これは単価が2,000円と普通の同人CDのほぼ倍だということもあります。特に東方は大体フルアルバムが1,000円なので、ほぼこれの半分くらいとみて良いかと。

@loser_kkk

そして、2007年～2010年の8ビットシリーズと、東方を出していたころ。8ビットシリーズは大体初出イベントで100枚前後、ショップさんの委託を合わせて最終的に200枚前後。東方アレンジはイベントで200枚前後、最終的には700枚～1000枚作って完売、という感じです。

@loser_kkk

ちなみに2007年～2008年はコミケ壁配置だったのですが、売上は100枚～200枚でした。壁だからどこも4桁出てがっぽり儲けてる、というのは完全な都市伝説です。それだけは身を持って証明します。昔に比べてプレス代金が段違いに安くなったので、それでもなんとか赤字にはならず。

@loser_kkk

具体的な金額の話をすると、8ビットシリーズは500円で頒布していたので、総売上としては7,8万～15万前後でプレス代分の元は取れているかな、という感じでした。委託も7掛けであまり変わらない額です。東方は700円もしくは1,000円で頒布して、売上額が40～70万。

@loser_kkk

で、歌い手さんやイラストさんに謝礼を渡してプレス代出してポスター等作って、若干次の制作費の足しになるかな、という感じです。赤字ではないですが、儲かってるのか、って言われると微妙な感じではあります。そして現在に至る、という感じで。

@loser_kkk

他のサークルさんと売上の話をすることは無いので具体的な事はわかりませんが、おそらく今の電開製作所の規模が、中の下、くらいなんじゃないかと思います。全盛期で中の上くらいでしょうか。

@loser_kkk

多少端折った＆曖昧な部分もありますが、記憶している限りほぼガチの売上数と金額を振り返ってきました。これはあくまで音楽CDの一例なので、本になるとまた事情は違ってくると思います。

@loser_kkk

本はCDに比べて製造単価が高く、価格も安く設定しないといけないのでCDよりも遥かに儲けを出すという意味では難しいと思います。だから、同人誌が儲かるというのは本当に単なる都市伝説だと思います。

@loser_kkk

ただ、本は製造部数が増えるにつれ単価が爆発的に下がるので、数千部刷ってバンバン捌ける上の上レベルのサークルさんはがっぽり儲かっている気もしなくはないですが、それは1%以下の氷山の一角ところか砂漠の中の砂金みたいな存在かと。

@loser_kkk

以上、ツッコミ所も多々あると思いますが、それも含めて同人とお金、というものに関して何かを思うキッカケにでもなれば幸いです。朝っぱらから長文垂れ流しにて失礼いたしました。

@loser_kkk

今朝のまとめ、思いの外多くの方に御覧頂いてるようなので若干補足を。